1月15日、国際宇宙ステーション(ISS)でアメリカ人とイギリス人の宇宙飛行士による船外活動がおこなわれました。順調に作業が進んでいるように見えたのですが、アメリカ人宇宙飛行士のヘルメット内に水が溜まるトラブルが発生し、予定よりも早く切り上げられました:
- Spacewalk Ends Successfully But Early After Water Detected in Helmet (NASA)
- Tim Peake spacewalk: Briton sends home selfie from space but triumph dampened by leaking helmet crisis (動画、写真7葉あり)
- One small selfie for man, one giant tweet for mankind: Major Tim Peake takes cheeky snap just before his space walk is cut short after his American colleague's helmet starts filling up with WATER (動画、写真多数あり)
無重力状態でヘルメット内に水が溜まると、最悪の場合、宇宙飛行士が宇宙服内で〝溺死〟することもありうるということです。冷却系からの漏水とみられていますが、冷却系が機能不全に陥っても宇宙飛行士の生命に危険がおよびます。2人の飛行士は地上からの指令でISS内に戻りました。船外に滞在した時間は4時間43分でした。予定されていた主要な作業はほぼ完了しているそうです。
同種のトラブルは2013年7月にも発生し、イタリア人宇宙飛行士が今回よりも深刻な漏水にみまわれています。
以下は、今回の船外活動を撮影した YouTube 動画です。分析のためにヘルメット内の水分を拭き取った後、宇宙服を脱ぐ・脱がせるシーンがあります。11分50秒あたりからですが、最先端の技術が駆使されている宇宙服にしては実に原始的で滑稽ですらあります:
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