ゲール・クレーター(地図)の中央にそびえるシャープ山の麓で活動中の火星探査車キュリオシティの写真です。この地域はかつては大きな湖の底だったとのことです:
キュリオシティのそばに火星人が立ってシャッターを切ったかのような写真ですが、どのようにして撮影したのでしょうか。キュリオシティには17台のカメラが搭載されています。そのうちの1台(MAHLI=Mars Hand Lens Imager)が、自由に動くロボティック・アームの先端に取り付けられています。このMAHLIでさまざまな方向から撮影した55枚の高解像度写真をつなぎ合わせたものが上に紹介した写真です。当然のことですが、ロボティック・アームは根元の部分しか写っていません。右下の〝Full Size〟をクリックして解像度を上げると、アームの根元部分が不自然にかすんで消失しているのがわかります。
キュリオシティ本体から上に伸びている〝マスト〟の上にもカメラがついています。この丸いレンズの中に「怖い顔をした大柄でなで肩の黒人」がいるのですが、わかるでしょうか。高解像度で見てください。
キュリオシティのお尻の部分に、少し上を向けて斜めに取り付けられているのが、キュリオシティに電力と熱を供給する原子力電池です。高解像度で見るとよくわかりますが、白い円筒状のケースに放熱用のフィンが何枚もついています。内部には放射性プルトニウムが納められており、その崩壊熱を使って発電します。詳しくは以下の資料をどうぞ:
- Radioisotope Power and Heating for Mars Surface Exploration (PDF, 332 KB)
- Multi-Mission Radioisotope Thermoelectric Generator (PDF, 380 KB)
- Space Radioisotope Power Systems Safety (PDF, 56 KB)
画面左端近くに見えている足跡のようなものは、キュリオシティが地表の砂をすくい取った痕跡です。
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