上に紹介したNASAの記事には、インドネシアのトバ山が約7万4000年前にスーパー噴火をおこしたときに流出したマグマは2800km3、クラカタウ山が1883年に大噴火(有史時代におきた噴火としては最大級だがスーパー噴火ではない)したときに噴出したマグマは約12km3との記述がありました。これらがどれほど大きい量なのか、過去の富士山の噴火と比較してみましょう。
864年におきた貞観噴火では、富士山は大量の溶岩を流出させ青木ヶ原溶岩原を形成、さらに北麓にあった大きな湖に流れ込んで精進湖や西湖に分断しました。この青木ヶ原溶岩の総量は1.4km3と計測されています。また、1707年の宝永噴火で噴出したマグマは0.7km3とされています。トバ山のスーパー噴火と比べれば桁違いに小さい量です。
[ 富士山のマグマ量については、鎌田浩毅 『富士山噴火 ハザードマップで読み解く「Xデー」』 (講談社ブルーバックス)を参照しました。]
(完)
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