2022年11月29日火曜日

海徳海山、変色水の範囲さらに広がる

 
8月20日付「海徳海山付近に変色水域」と、8月24日付「海徳海山に噴火警報」の続報です。

左が西海徳場、右が東海徳場
(海上保安庁「海域火山データベース」より)

西之島(地図)の南約125kmにある海徳海山(地図)では、今年8月に海面が変色しているのが確認され、「噴火警報(周辺海域)」が出されていましたが、今月25日におこなわれた海上保安庁の観測では、変色の範囲がさらに広がり、色も濃くなっていることがわかりました。

「当初と比較すると面積は100倍近くになり火山活動が加速度的に高まっているといえる。今後、軽石を噴出した1984年のような噴火活動になるおそれもあり、推移に注意が必要だ」(東京工業大学・野上健治教授):
 
上の記事にある1984年の噴火は、気象庁の資料によると中規模のマグマ噴火またはマグマ水蒸気噴火で、「3月7日~6月。噴火場所は東海徳場。海水変色(幅約10km、長さ約50km以上)、海面の盛り上がり、噴煙、軽石等の噴出」があり、噴火の規模は VEI 2 とされています。
 
気象庁が11月9日に発表した「海徳海山の火山活動解説資料(令和4年10月)」(PDF形式)には、「12日に海上保安庁が実施した上空からの観測では、海徳海山付近で直径約200mの円形の濃厚な黄白色の変色水が認められました。浮遊物は認められませんでした」と書かれています。
 
 
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