20年8月14日付「ベテルギウスが異常減光 (続報-18)」の続報です。
オリオン座の赤色超巨星・ベテルギウスが 2019年末から 2020年初めにかけて異常に暗くなった原因については、すでにハッブル宇宙望遠鏡の観測などによって推定されていますが、このほど、チリのアタカマ砂漠にある欧州南天天文台の超大型望遠鏡(ESO's VLT)を使った観測結果が科学誌『Nature』に掲載されました:
1/ Betelgeuse, a bright star in the constellation of Orion, became visibly dimmer in late 2019 – early 2020. Using our VLT, astronomers have now solved the mystery of the sharp drop in brightness.
— ESO (@ESO) June 16, 2021
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Credit: @ESO / M. Montargès et al. pic.twitter.com/Ahr7hAfYGt
以下は欧州南天天文台の発表記事です:
- Mystery of Betelgeuse’s dip in brightness solved (ベテルギウスの減光の謎が解けた、画像9葉、動画4本あり)
記事の主要部分を抜粋・テキトー訳してみました:
本日『Nature』誌に掲載された新しい研究は、ベテルギウスの表面の温度が低下したことによって生じた塵のベールが、同星の光を遮ったことが謎の減光の原因であることを明らかにしている。星の内部で巨大なガスの泡が移動したり、収縮したり、膨らんだりすることで、ベテルギウスの星の表面は定期的に変化している。研究チームは、「大減光(Great Dimming)」の前に、星が放出した大きなガスの泡が星から離れていったと結論づけている。その直後に星の表面の一部領域が冷え、その温度低下によってガスが凝縮して固体の塵になった。「私たちは、いわゆる星の塵の形成を直接目撃したのです。」「今回のように、進化して温度が低くなった恒星から放出された塵は、地球型惑星や生命体の構成要素になる可能性がある。」ネット上では、ベテルギウスの明るさが低下したのは塵の噴出が原因ではなく、超新星爆発による死が近づいていることを示しているのではないかという憶測が流れている。超新星は 17世紀以降、天の川銀河内では観測されていないので、現在の天文学者は、超新星爆発が起こる前に恒星にどのような変化が起きるのか完全にはわかっていない。しかし、今回の研究は、ベテルギウスの「大減光」が、星が劇的な運命に向かっていることを示す初期の兆候ではなかったことを確認している。
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