2019年12月26日木曜日

ベテルギウスが異常減光 (続報-4)


本能寺の変の10年前、武田信玄が三方ヶ原の戦いで徳川家康を敗走させた1572年。この年の11月、カシオペア座に明るい星が出現しました。超新星爆発によって出現したこの星は最大 -4等級の明るさに達し、1574年3月まで肉眼で見えていました。この星は、詳しい観測記録を残したデンマークの天文学者ティコ・ブラーエにちなんで「ティコの星(SN1572)」と呼ばれています。

それから約30年後、徳川家康が江戸に幕府を開いた翌年の1604年。この年の10月、へびつかい座に明るい星が現れました。やはり超新星爆発による新星で、最大 −3等級の明るさになり、18ヶ月間肉眼で見えていたとのことです。ティコ・ブラーエの弟子、ヨハネス・ケプラーが観測していたので「ケプラーの星(SN1604)」と呼ばれています。

約30年の間隔をおいて2回の超新星爆発が起きたわけですが、この後は現在に至るまで約400年間にわたって銀河系内では超新星爆発が観測されていません。

地球からの距離は、ティコの星が約1万2000光年、ケプラーの星が約2万光年とされています。ベテルギウスは 643(±147)光年とされていますから桁違いの近さです。万が一、ベテルギウスが超新星爆発を起こした場合、太陽系や地球にどんな影響が及ぶのでしょうか。ほとんどの専門家は、すぐに爆発が起きることはないし、爆発したとしても昼間でも見える明るい星が出現すること以外に、大きな影響はないという見解ですが、想定外がないことを願いたいです。


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