ベテルギウスの異常減光について、「いけない天文学者(Bad Astronomer)」こと、Phil Plait 博士がツイートしています:
D O N ‘ T P A N I C— Phil Plait (@BadAstronomer) December 24, 2019
Betelgeuse is *not* about to explode. It’s acting really weird, but weirdness, in this case, is only skin deep.https://t.co/rBxEEXePcI
以下は、博士の5回分のツイートをテキトー訳したものです:
- うろたえないで下さい。ベテルギウスはすぐに爆発するわけではありません。異常な振る舞いをしているのは事実ですが、それは表面だけのことです。
- ベテルギウスは膨張した赤色超巨星です。私たちに見えているのはその表面に起きている現象だけです。超新星活動が起きるのはベテルギウスの中心部(コア)であって、表面から6億kmの深さにあり、私たちが見ている表面の奇妙な振る舞いには影響していません。
- たしかにベテルギウスは暗くなっていますが、同様の現象は過去にも起きたことがあり、そのおおよその理由はわかっています。ベテルギウスの減光はコアとは直接関係していません。コアが爆発を起こすまでに今後数十万年を要することはほぼ確実です。
- コアについてはもっと語ることができますが — この YouTube 動画で興奮しやすい男がしゃべりまくっているように — 要点は、ベテルギウスは赤色超巨星の通常の振る舞いをしているにすぎないということです。ベテルギウスは文字どおり膨れあがったガスの塊ですが、そのことが、今すぐ私たちの目の前で爆発を起こして死んでしまうということを意味しているわけではないのです。
- 可能なら屋外に出てベテルギウスを見てください。ベテルギウスのすぐ上に見えている牡牛座のアルデバランと明るさを比べてみましょう。数週間後に再び見て変化があるか確かめましょう。ベテルギウスが超新星になるまでに、あなたには確かめるための時間が十分にあります。
Plait 博士の説明の中で、ベテルギウスのコアについて「6億kmの深さ」と言っているのは、同星の直径が約12億kmであることに基づいています。6億kmは、地球から太陽までの距離の約4倍に相当します。また、リンクが張ってある YouTube 動画に登場している「興奮しやすい男」は、博士本人です。
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