2019年12月24日火曜日

ベテルギウスが異常減光 (続報-3)


ベテルギウスが超新星爆発を起こしたら、地球からはどのように見えるのでしょうか。『ベテルギウスの超新星爆発』(野本陽代、幻冬舎、2011)に載っている東京大学数物連携宇宙研究機構の野本憲一教授のグループによる予測を紹介します:
  • まず、スーパーカミオカンデなどのニュートリノ観測装置で、ベテルギウスの方向から飛来したニュートリノが検出される。

  • ニュートリノ飛来から約1.5日後、これまで赤い色をしていたベテルギウスが青色に変化し(表面温度が上昇するため)、全天でもっとも明るい星となる。

  • どんどん明るくなり、3時間後には半月ぐらいの明るさになる。ベテルギウスは月と違って点光源なので、輝きは満月の100倍ほどになる。日中であれば空の一点が急に輝きだしたように見える。

  • ベテルギウスの膨張にともなって温度が下がり、色が青から白に変わる。

  • 7日目に明るさがピークに達する。

  • 3ヶ月間ほどは、ほぼ同じ明るさが続き日中でも見えるが、色は白からオレンジ色に徐々に変化する。

  •  4ヶ月目に入ると明るさは2等級分ほど急激に下がる。その後、さらに徐々に暗くなっていく。

  • 15ヶ月後には金星と同じ程度の明るさになり、日中には見えなくなる。

  •  2年半後には、2等級にまで暗くなり、北極星と同程度の明るさになる。

  • 4年後には6等級にまで暗くなり、肉眼で見える限界に達する。

  • その後は、双眼鏡や望遠鏡を使わないと見えなくなる。ただし、ベテルギウスの周囲に放出されたガスや塵に反射した光によってこれよりも明るく見える可能性もある。

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