中国・甘粛省で 12月18日深夜(現地時間)に発生した M6.2(USGSの発表では M5.9)の地震では、これまでに 150人を超える死者が報告されています。甘粛省の東に隣接する陝西省の研究チームはこの地震の兆候を数日前に検知し、規模も正確に予測していたものの、発生場所の特定には至らなかったとのことです。香港の英字紙『South China Morning Post』が伝えています:
中国の研究者らは、甘粛省北西部で発生した M6.2 の致命的な地震を、発生の何時間も前に予想していたが、どこで発生するかについては明らかにすることができなかった。
陝西省の研究者らは、過去 10年間に世界中で発生した M7.0 以上のすべての地震を予測できる画期的な技術を開発した。
しかし、残念ながら、地震の発生場所を予測する方法はまだない。
研究チームは、高精度の機器を使用して地球の重力場を低周波領域で監視し、地震が切迫している兆候である可能性がある重力波の異常を探している。
研究者らが今回の地震の発生が迫っていることに初めて気づいたのは、金曜日(12月15日)の朝に複数のセンサーからの異常なデータ読み取りに関する警告テキストを受け取ったときだった。
その後、チームは地震が発生する可能性のある場所について議論を開始した。
この時点で、チームは、異常なデータ読み取り値が記録されてから 3 ~ 5 日以内に地震が発生する可能性が高いと計算していた。
また、観測されたデータのピークの強さに基づいて、地震のマグニチュードが 6.27 前後であると予測していた。
しかし、研究チームは、自分たちの省と隣接する省で地震が起きるとは予想できなかった。
研究者らは、2月に発生した壊滅的なトルコ・シリア地震を含む複数の地震の前兆を早期に検知することに成功しており、前兆観測手法と予測結果の詳細を 6月に中国の学術誌『Northwestern Geology』に発表している。
甘粛省の地震が発生する 4日前に、研究チームは陝西省周辺の 4つの異なるセンサーで異常な重力波の測定値を記録した。センサーは異なる都市に設置されていたが、異常な波はすべてほぼ同時に記録され、波が光の速さで移動していたことを示していた。他の発生源からの重力の乱れが異常なデータ測定を引き起こす可能性がある一方で、重力地震波(gravitational earthquakes waves)は特徴的に光速で伝播するため、これが地震の前兆であるかどうかを判断するのは難しくない。
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