NASAのサイトに11月7日付で発表された記事です。南極大陸の西半球側にあるマリー・バード・ランド(Marie Byrd Land)の地下にマントル・プルームが存在しており、これが氷床の消失の一因になっている、ということがシミュレーションによって確かめられたました。この地域の地下にマントル・プルームが存在するという説は、30年ほど前にこの地域に見られる火山活動やドーム構造を説明するために提唱されていたのですが、今回はこの説が詳細なシミュレーションによって裏付けられたとのことです。「気温の上昇だけでは南極大陸で失われた氷の量を完全には説明できない」:
- Hot News from the Antarctic Underground (マリー・バード・ランドの位置を示すイラストあり)
- Hot rock under Antarctica may be melting some of its ice sheets from the bottom-up (説明図5葉あり)
- 氷は下からも溶けていた? 南極大陸の地下に存在が指摘される「熱源」とは (上記の日本語版)
少し前までは、この種の研究発表では、環境保護団体などからの非難を避けるためか研究予算獲得で不利益を被らないようにするためか、末尾に「この研究は人間活動に起因する温暖化を否定するものではない」という趣旨の断り書きがよく見られたのですが、トランプ政権が誕生してからは風向きが変わってきたのかも知れません。
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