1989年に、群発地震に伴って伊東市(地図)沖の手石海丘が海底噴火した伊豆東部火山群。「専門家が警鐘を鳴らすのが日本列島の海底にある『見えない火山』です。これがもし爆発した場合、わずか数分後には巨大津波が陸地を襲う危険性もあるということです。」 海底ではなく街中に火口が出現する可能性もあるとのことです。:
- 「見えない火山」首都圏近くにも 街中に火口出現も (動画あり)
上記はテレビ朝日の報道番組ですが、過去3回(1989年、1993年、2009年)の群発地震の震源分布が次第に南下して陸地に近づいている、と記者は語っています。
番組内で使われている震源分布地図は、3回の群発地震の震源を色分けして1枚に重ねたものなので、古い群発地震の震源が新しい群発地震によって隠されています。そこで、1989年、1993年、2009年の震源分布図をGIF動画にしてみました:
伊東市周辺の地震 (1989年、1993年、2009年) |
震源が次第に南下しているというよりは、震源域が次第に縮小しているだけのようにも見えます。
以下は今年(1月1日~12月24日)の震源分布です。いたって平穏なようです:
伊東市周辺の地震 (2015年1月1日~12月24日) |
震源分布図の作成には地震活動解析システム(TSEIS)を使用しました。TSEISは気象庁により決定された地震カタログを使用しています。同システムについては以下を参照してください:
- 鶴岡 弘. WWWを用いた地震情報検索・解析システムの開発.情報処理学会研究報告;データベースシステム115-9, 情報学基礎 49-9, 65-70 (1998)
関連記事
- 伊豆沖の地震 (09年12月17日)
- カエルに異変 ― 静岡県東伊豆町 (12年6月24日)
- 箱根山群発地震と富士山噴火 (13年3月8日)
- 海岸に変色水域 ― 静岡県東伊豆町 (13年3月18日)
- 市街地にも火口出現の可能性 ― 静岡県伊東市 (15年2月20日)