2018年11月3日土曜日

ソユーズの事故と緊急脱出システム


日本ではあまり話題になりませんでしたが、ロシア人とアメリカ人の宇宙飛行士を乗せて10月11日に打ち上げられたロケットが、上昇中に切り離した1段目が2段目に追突する事故を起こしました。緊急脱出システム(緊急救助システム、SAS)が作動して2人の飛行士は無事に地上に戻りました。

このほど、事故の原因は 1段目のエンジンを切り離す際に作動するセンサーが損傷していたことが原因である、と発表されました。「センサー部品の一部にゆがみが生じ、エンジンの切り離しに必要なバルブが正常に作動しなかった。ゆがみは(中略)ロケットの組み立て時に起きたとみられ、今後、組み立てに関与した全ての作業員の調査を行う」とのことです:

8月末に発生した国際宇宙ステーション(ISS)の空気漏れは、ISSに係留中のソユーズ宇宙船に設計図にはない穴が空いていたことが原因と判明し、この時も同宇宙船の組み立てに携わった全ての作業員を調査すると発表されましたが、私の知る限りでは結果は報道されていません。

以下の記事にはソユーズの緊急脱出システムの詳しい説明があります。さまざまな段階での障害に対応すべく考え抜かれたシステムです。同システムは1967年から搭載され改良が続けられていますが、今回も含めてこれまでに3回使用され宇宙飛行士の命を救っています:

今日は漫画家・手塚治虫氏の生誕90周年だそうです。タイトルは忘れましたが、子どものころに読んだ同氏の短編漫画の冒頭の言葉が(うろ覚えですが)思い出されます ―― 「どんなに技術が進歩しても事故はなくならない。」


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