古代ギリシアの数学者であり、哲学者でもあったピタゴラス(ピュタゴラス)は地震という現象をどう捉えていたのでしょうか。『ギリシア奇談集』(アイリアノス著、松平千秋・中務哲郎訳、岩波書店、1989)に次のような逸話が載っています:
ピュタゴラスは人々に、自分は普通の人間が生まれる種よりも優れた種から生まれた、と説いた。
(中略)
ピュタゴラスは、銭葵(ぜにあおい、画像)の葉は最も神聖なものだとか、あらゆるものの中で最も賢いものは「数」で、その次は「事物に名を与えた者」だと語った。また、地震の原因は死者たちの会合にほかならぬと考えた。虹(イーリス)は太陽の光芒であり、何度も耳に入ってくる音は神霊の声だとも語った。いかなる問題についても彼に異議を唱えたり、彼の説に質問を呈したりすることは許されず、当時の人々は彼の教説を神託のごとく拳々服膺した。
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