八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月22日16:30付で更新情報を出しています:
- 「長期前兆No.1778」 続報 No.174 (PDF形式)
今回の更新情報では、No.1778前兆についての言及はわずかです ―― 前回の更新情報(No.173)の見解から変更なし。前兆は減衰中。11月2日±2日に地震発生の可能性あり。
今回の更新情報の中心テーマは、これまでの更新情報でNo.1778前兆に関連するとしてたびたび言及されていた火山帯近傍地震前兆です。以下にまとめます:
- 10月21日14時07分に発生した鳥取県中部の地震。最大震度6弱。暫定値ではマグニチュード6.6、震源の深さ11km。震央は大山(だいせん、伯耆大山、地図)の東約25km。この地震について、熊本地震後に出現しはじめた火山帯近傍地震前兆(S型)の影響局等の解析から、5月19日に地震前兆検知公開実験参加者向けに「推定領域は鳥取県中部」と配信。さらに、7月19日が前兆の極大であると判断して、10月7日に地震前兆検知公開実験参加者向けに「発生時期は10月19日±5日」と配信。
- 熊本地震後に出現しはじめた火山帯近傍地震前兆
- 4月18日初現(S型+N型)
- 7月20日前後2週間にS型が顕著に5回出現
- 7月17~25日にN型が顕著に出現(特に19日と21日)
- 7月19日が極大であると判断して「発生時期は10月19日±5日」とFax配信したが、7月19日と21日の中央である7月20日を極大として、火山帯近傍地震前兆の経験則 [初現~極大]:[極大~地震発生]=1:1 を適用し、推定発生日を 10月21日± とした方が適切であった。
- S型前兆は、その変動面積比から地震の規模を推定できる
- 極大前後の約2週間の変動面積の合計から → M7.7±
- 7月25日のS型の極大から → M6.8±0.5
- 極大前後の約2週間の前兆出現は断続的であった → 合計した値では実際と調和しない → 極大時の面積の最大値を使用すべきであることを示唆
- 今回の前兆には群発地震的要素が見えないので、熊本地震のような群発的活動はない見込み。N型が顕著に出現したので噴火の可能性も考えられたが、実際には地震のみ
- 当初、規模の推定値を M7.7± としていた。この値がNo.1778前兆の推定規模と一致していたこと、さらに火山帯近傍地震前兆としては出現期間が長いことから、熊本地震後に出現した火山帯近傍地震前兆はNo.1778前兆と関連があると判断していた。しかし、実際は鳥取県中部の地震に対応するものであった
- もう一つの火山帯近傍地震前兆
- 8月7日前後に出現したS型
- 8月6日から8月下旬に秋田観測点にだけ出現した多数の櫛歯前兆 → 推定領域が八ヶ岳より北であることを示す
- 8月29日から黒部ダム近傍、活火山・弥陀ヶ原の北東で始まった富山県東部の群発地震に対応
- 上記のように、本年4月から出現した火山帯近傍地震前兆は、鳥取県中部の地震と富山県東部の群発地震に関連。No.1778前兆関連の前兆ではない → No.1778前兆の推定領域は火山帯にきわめて近い領域ではないと判断。ただし、弱い火山帯近傍地震前兆が観測されているので、ある程度は火山に近い領域であることも否定できない
串田氏の地震予測手法についてお知りになりたい方は、同氏の著書(『地震予報』、PHP新書 833)か以下の資料をご覧ください:
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