角田史雄・埼玉大学名誉教授の唱える熱移送説によると、韓国で起きた地震は「九州の鹿児島県から長崎県を通って韓国の済州島に至る断層帯がある。これに沿って熱エネルギーが伝わり、朝鮮半島南部の地震を起こした」という解釈になるのだそうです:
地図で確認すると分かるのですが、鹿児島県→長崎県と長崎県→済州島では方向が90°近く違っています。そんなに曲がっている断層帯があるものでしょうか。さらに、済州島→今回の地震が起きた朝鮮半島南東部までは鋭角に曲がる必要があり、非常に遠回りなルートになります。とにかく、「熱エネルギーは現時点で済州島まで到達している。問題は、その後、韓国国内で熱エネルギーがどのように伝わっているかである」とのこと。納得できる説明ではありません。
記事の主旨は、日本の地震学界はプレート説に拘泥しすぎているということのようですが、だからといって、上記記事の執筆者が傾倒している熱移送説がその代替になると考えるのは早計でしょう。
記事にはプレート説について以下の様な記述がありますが事実なのでしょうか:
(上田誠也・東京大学名誉教授は)プレート説研究の第一人者とされる。日本国内にプレート説を広めた最大の功労者の1人であるとも言われている。だが、1990年に定年退官した後、「マントルはプレートを引っ張れるほどの粘着力はない」としてプレート説に関して否定的になっているという。
なんとも驚くべき話だが、 師匠である上田氏がプレート説から“転向”したにもかかわらず、現在の地震学者たちは相変わらずプレート説に固執したままである。
今のところ確認できるような資料は見当たりません。
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