2014年8月30日土曜日

阿蘇山が噴火


8月30日、阿蘇山(地図)で噴火が発生、噴火警戒レベルが「1(平常)」から「2(火口周辺規制)」に引きあげられました。「中岳第一火口では、本日(30日)09時13分頃に現地調査で噴火が発生している事を確認しました。噴煙の高さは天候不良のため不明です」:

平成26年 No.35 週間火山概況 (平成26年8月22日~8月28日)」には、過去1週間の阿蘇山の活動状況が次のように記されています:
阿蘇山では、孤立型微動、火山性地震がやや多い状態で経過していましたが、26日に一時火山性微動の振幅が大きくなりました。27日以降、孤立型微動、火山性地震は多い状態で経過しています。

27日に実施した現地調査では、中岳第一火口内の熱活動の高い状態が継続していました。

以上のように、中岳第一火口の火山活動は、わずかに高まった状態で経過していることから、今後の火山活動の推移には注意する必要があります。


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2014年8月28日木曜日

砂が堆積する“異変” ― 島根県出雲市


昨年から、島根県出雲市を流れる神戸川(かんどがわ、地図)の河口部や下流部で、砂が堆積する現象が起きています。「昨年から砂が堆積する“異変”が発生」、「治水上、砂がたまった状態は危険として撤去を決め、6、7月に砂約3千立方メートルを取り除いた」、「10月以降、さらに多量の砂の撤去を予定」:

川砂が下流部に堆積するのは当たり前とも言えますが、通常よりも堆積量が増加するのはなぜでしょうか。原因は上流部での土木工事や水害など、いろいろ考えられますが、上流部が隆起して浸食作用が高まった、あるいは下流部が隆起して川の流速が低下し堆積が促進されたということも考えられるのではないでしょうか。

以下の図は、国土地理院の「最新の地殻変動情報」で、出雲観測点(青色の四角で囲まれている)を基準にして過去1年間の垂直方向の変動を示すようにしたものです。出雲市の周囲はほとんどの地点で隆起傾向が見られます:

国土地理院 「最新の地殻変動情報」 より

以下の資料には、10ページ(資料のページ番号では48ページ)以降に、神戸川周辺の地質や砂などの解説があります:

2014年8月26日火曜日

ペリカンの絨毯爆撃 ― エクアドル


海水浴客の目の前で、無数のペリカンが海中に飛び込み、魚を補食しています。エクアドル(地図)で撮影されたものですが、イワシなどの魚の大群が海岸に近寄っていたのだと思われます。こんな浅いところで海に飛び込んで、海底に激突したりしないのでしょうか:

撮影日時は不明です。YouTubeに投稿されたのが8月4日ですので、おそらくその数日前ぐらいでしょうか。イワシなどの魚の大群が岸に近寄ってくるのは地震前兆とも考えられます。8月3日から4日にかけて、エクアドルとの国境に近いペルー北部の海岸近くや海域では、以下の地震が発生しています:

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重さ10kgの軽石漂着 ― 沖縄県多良間村


8月20日、沖縄県の多良間島(地図)の海岸に、重さ 10.3kg、大きさ 50×32×15cm の軽石が漂着しているのが見つかりました。「最近では聞いたことのない大きさで、珍しい。1924年に西表海底火山が噴火し、大量の軽石が海中から湧き出た。距離的にも近いので関連が気になる」(琉球大学・加藤祐三名誉教授):

写真で見る限り、軽石には海藻や貝が付着しておらず、比較的新しいもののように見えますが、どうでしょうか。あるいは、古い軽石だけれども柔らかい材質なので、波にもまれているうちに付着生物もろとも表面が削れてしまったのでしょうか:

沖縄気象台の管内には硫黄鳥島と西表島北北東海底火山がありますが、いずれも「火山活動に特段の変化はなく、静穏に経過しており、噴火の兆候は認められません」という状況です:

今年5月には、以下のような報道がありました:

海王星の軌道通過 ― 冥王星探査機


ニュー・ホライズンズの現在位置 Credit: NASA

8月26日午前11時4分(日本時間)、冥王星(および太陽系外縁天体)探査機「ニュー・ホライズンズ」が海王星の軌道を横切りました。2006年1月の打ち上げから8年8ヶ月、1989年にボイジャー2号が海王星に最接近してからちょうど25年です:

現在、ニュー・ホライズンズは地球から44億2000万km、冥王星まで3億8000万kmのところを飛行しています。

2015年7月14日午後8時49分59秒(日本時間)に予定されている冥王星最接近まで、あと320日余りです。


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十和田火山が活発化


8月25日、原子力規制委員会の火山に関する専門家チームの初会合で出た話です。「活火山『十和田』(地図)など複数のカルデラ火山の活動が活発化している」、「十和田火山などで震源が地下10キロ未満の地震が頻発している」(石原和弘京大名誉教授):

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2014年8月25日月曜日

火星の大腿骨


火星探査車キュリオシティが8月14日に撮影した画像に、大型動物の骨(の化石)が写っていると話題になっています。以下がその写真です。画面中央やや上に大腿骨のようなもの、左下には肩胛骨か「ひれ」のような形状をしたものが写っています。また大腿骨のすぐ下には色つやから判断して折れた骨の一部のようなものも見えます:

石が割れているのは、キュリオシティの車輪が通過したためです。

(蛇足: 画像1画像2画像3


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巨大亀裂出現 ― メキシコ北西部


メキシコ北西部の荒れ地に長さ約1kmの巨大な亀裂が出現し、ソノラ州の州都エルモシージョ市(地図)と海岸を結ぶ国道を切断しました。亀裂が出現したのは8月10日の週。亀裂の幅は最大5m、深さは最大8m。亀裂の両側で高低差も生じているようです。以下の記事に掲載されている動画は、無線操縦の飛行機から撮影されたものです:

亀裂ができた原因については2つの説が取りざたされています。1つ目は、8月10日にカリフォルニア湾で発生した地震(M5.0、深さ10km、USGS資料)です。この地震の揺れによって亀裂が発生したのではないかというわけです。2つ目は、農業用の雨水を貯めるために築かれた堤から水が漏れ、地下を流れたためにその上の地面が陥没したのではないか、というものです。

私は、カリフォルニア湾の海底を走るトランスフォーム断層(北上してサンアンドレアス断層に接続)と亀裂の走向が並行している点が気になっています。何らかの地殻変動が起きているのではないでしょうか。


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2014年8月24日日曜日

バゥルザルブンガ山で群発地震 ― アイスランド (続報-3)


8月22日付「バゥルザルブンガ山で群発地震 ― アイスランド (続報-2)」の続報です。

8月23日、ヴァトナヨークトル氷河(地図)北縁部の Dyngjujökull(読み方不明、地図)氷河の下で小規模な噴火が検知されました。溶岩が流れ出して氷河に接触しているかは、はっきりしていません。現場付近の氷河の厚さは 150~400m で、氷河の表面には変化が現れていません。

バゥルザルブンガ山の航空警戒レベルは最高の「赤」に引きあげられ、同山周辺は飛行禁止となりました。

8月24日 00:09にバゥルザルブンガ・カルデラ(地図)の北縁で M5.3、05:33にカルデラ南縁で M5 の地震が発生。8月16日に今回の群発地震が始まって以降で最大の規模です。バゥルザルブンガ・カルデラから枝分かれして北東方向に貫入して行ったマグマが、25km 以上離れた Dyngjujökull 氷河の下で地表に到達し、山体内の圧力が変化したために発生した地震とみられています:

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漂流者を銃撃・殺害



木造船の破片につかまっている漂流者や、その周囲に浮かんでいる漂流者など、計5人が次々に銃撃されて海面を赤く染めました。どの海域でいつ発生した事件なのかは明らかになっていません。フィジーの漁師がタクシーの中に置き忘れた携帯電話に入っていた動画と言われていますが、確認されていません。銃撃した側の船には「安全第一」の文字と、「丸に十の字」のマークが刻まれています:

銃撃した側の船員たちは標準中国語、広東語、ベトナム語、タイ語などを話しているとのこと。動画の冒頭に写っている最も大きな船は、セイシェル籍で台湾・高雄の Tching Ye Fishery が所有する "Chun 1 No. 217" で、高雄を母港としていると VOA(Voice of America)は伝えています。また、銃撃されたのは襲撃に失敗して船を破壊されたソマリア海賊とも言われています。

現在、インターポール(国際刑事警察機構)と関係国が捜査をしているとのことです。

2014年8月22日金曜日

韓国岳で火山性微動、火山性地震、傾斜変動


霧島連山の新燃岳(地図)の噴火は、東北地方太平洋沖地震の半年後の2011年8月31日から9月6日にかけての小噴火を最後に沈静化しました。噴煙は、2014年2月11日に白色の噴煙が火口縁上50mに達したのが最後で、最近では「火口縁を越える噴煙は認められません」という状態が続いています。

その一方で、新燃岳の北西約4kmにある韓国岳(地図)周辺では、2014年2月ごろから地震回数がわずかに増加していましたが、8月20日、火山性微動、火山性地震、傾斜変動が観測されました。以下は、気象庁が8月22日に発表した「平成26年 No.34 週間火山概況 (平成26年8月15日~8月21日)」からの引用です:
新燃岳に隣接する韓国岳周辺で、20日01時36分頃に継続時間が約7分の火山性微動を観測しました。この微動に伴いわずかな傾斜変動を観測しました。また、火山性地震が時々発生しました。

今後の火山活動の推移に注意する必要があります。

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東日本大震災の発生直後に水道使用量が大幅増


東日本大震災の発生直後に、東京都の水道使用量が大幅に増加しました。その理由は、水道管の破損による漏水か、断水に備えて風呂などへの汲み置きかと思いきや、「マンション、アパートなどの集合集宅によく設置されている貯水槽が地震による揺れで給水用のバルブが作動し、使用量が増えたため」(東京都水道局水運用センター)なのだそうです:

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前兆をとらえたイヌや人


下記の記事、広島市の土砂災害で前兆をとらえて難を免れた事例が紹介されています。「愛犬のテリア『ジャッキー』が突然前足をピンと伸ばし、窓の外を向いた。大型犬と出くわしたときにだけ見せる警戒のしぐさだった」、「普段感じたことのない空気の変化に気づいた」:

地震の前兆と共通点があるようにも思われます。


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バゥルザルブンガ山で群発地震 ― アイスランド (続報-2)


8月20日付「バゥルザルブンガ山で群発地震 ― アイスランド (続報)」の続報です。

バゥルザルブンガ山(地図)とその周辺で発生している群発地震は収まる気配がありません(グラフ参照)。

下の図は群発地震の震源の移動を示しています。各震源の色分けは、地図の右側にある縦棒に示されています。濃い青色が群発地震が始まった8月16日当日、最も濃いオレンジ色が群発開始から6日目の8月21日を表しています:

Credit:  Icelandic Meteorological Office

バゥルザルブンガ・カルデラ内で始まった群発地震は、北と北東に向かう地震群に分かれました。北に向かった地震群はヴァトナヨークトル氷河(地図)の北縁付近に到達しましたが、18日午前2時37分に今回の群発で最大となる M4.5 の地震が発生した後、発生が急減しています。一方、北東に移動する地震群は現在も非常に活発です。北東に伸びる直線状に地震が多発しているのは、マグマがこの方向に岩盤を押し広げながら、水平に陥入していることを示していると思われます。また、カルデラ内の地震は群発発生当初以降は収まっていたのですが、21日には再び活発化しています。

これまでのところ、震源はほとんどが深さ5~12kmの範囲にとどまっており、上昇する傾向は見られないとのことです。

以下は、アイスランド気象庁の発表資料です:

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2014年8月21日木曜日

今夜、エクストリーム・スーパームーン (補足)


8月10日付「今夜、エクストリーム・スーパームーン」の補足です。

8月10日から11日にかけての夜間に見られるはずだったエクストリーム・スーパームーン。日本では空模様が良くありませんでしたが、boston.com の〝The Big Picture〟が世界各地で撮影されたスーパームーンの画像を集めています。私の好みは15番目です:

NASAもウェブサイトに画像を掲載しています:

以下は、HDR(high dynamic range)の技法を使った画像です:

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2014年8月20日水曜日

バゥルザルブンガ山で群発地震 ― アイスランド (続報)


8月19日付「バゥルザルブンガ山で群発地震 ― アイスランド」の続報です。

バゥルザルブンガ山(地図)周辺住民の避難が開始されたとのことです:

アイスランドの地名をカタカナで表記するときはいつも迷います。上の記事では「バゥルザルブンガ山」は「バルダルブンガ山」となっています。さらに、「ヴァトナヨークトル氷河」は「バトナ氷河(Vatnajokull)」になっています。「ヨークトル」(jokull)の部分が「氷河」を意味するからでしょう。その一方で、「エイヤフィヤトラヨークトル氷河(Eyjafjallajokull)」では「ヨークトル」の部分を残していて、不統一感は否めません。


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関東大震災の前にも ・・・


東日本大震災の1週間前、茨城県鹿嶋市の下津(おりつ)海水浴場(地図)で52頭のカズハゴンドウが集団座礁した(参照記事)のは記憶に新しいところですが、1923年(大正12年)の関東大震災の前にも集団座礁事件が記録されています。

以下は、『地震の前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(力武常次、東京大学出版会、1986)からの引用です:
[九十九里浜太東崎(地図)、震央から103km、地震の3ヶ月前] 大正12年5月~6月にかけて、九十九里浜南端の太東崎で体長2~4mのゴンドウクジラが数十頭集団で砂浜に乗り上げ、捕獲された。

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2014年8月19日火曜日

バゥルザルブンガ山で群発地震 ― アイスランド


アイスランド気象庁のウェブサイトによると、8月16日午前3時(現地時間)ごろから、ヴァトナヨークトル氷河(地図)の北西部にあるバゥルザルブンガ火山(地図)周辺で群発地震が発生しています。

アイスランドの地震 2014年8月18日 午前2時35分現在
Credit:  Icelandic Meteorological Office

バゥルザルブンガ山と同山の北にある亀裂群では、過去7年間にわたって地震活動が徐々に高まってきていました。現在、群発地震は2ヶ所で発生しており、18日午前2時37分には、1996年以来同地域で最大となる M4 の地震が発生しています。アイスランド気象庁は、群発地震のレベルは2011年5月に同じ氷河の下のグリムスヴォトン山(地図)が噴火した時と同じレベルに達していると判断しています。

ヴァトナヨークトル氷河には複数のGPS観測点が設けられていますが、いずれの観測点でも隆起傾向が強まり、バゥルザルブンガ山から遠ざかる変位が観測されています。アイスランド気象庁は、地震活動やGPSのデータは10kmより浅い場所でのマグマの動きやマグマの貫入を強く示唆しており、噴火の可能性が高まっていると判断して、18日、バゥルザルブンガ山に対する航空機の警戒レベルを "オレンジ" (5段階の上から2番目)に引きあげました。

現時点で、マグマが地表に達したという明確な兆候はないものの、氷河の下で噴火が始まれば、突発的な洪水や火山灰の噴出が起こりえるとして、アイスランド気象庁は警戒を呼びかけています。

以下は、アイスランド気象庁の発表資料です:

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オキメダイ捕獲 ― 神奈川県小田原市


8月18日、神奈川県小田原市根府川(地図)沿岸の定置網にオキメダイがかかりました。「普通、『マグロ』の延縄に掛かるような沖合の魚が、小田原(根府川)の沿岸定置網にひょっこり入るなんて、これはもうどうかしてる。しかもこの魚、日本でも数例しか水揚げの記録がない」、「どうかしてるぜ相模湾」:

オキメダイは、スズキ目イボダイ亜目エボシダイ科ボウズコンニャク属に属します。Wikipedia の記述には「多くのイボダイ亜目の仲間に共通する特徴として(中略)成魚は深海に移行し、中層あるいは底層で暮らすとみられているが、詳細な生活史はよくわかっていない種類が多い」とあります。

以下の資料は、2005年5月に三重県尾鷲湾の定置網に入ったオキメダイについて述べています。「オキメダイの日本からの41年振りかつ3番目の記録である」、「非常に稀というより沿海域ではどうも初めてのようだ」、「本種は外洋性魚類であり、沿海域からの記録は非常に稀である」と書かれています:

非常に珍しい魚のようですが、その一方でネット上には、オキメダイの料理法や回転寿司の偽装食材として使われているといった情報が見つかります。ボウズコンニャクなどと混同されているのかも知れません。


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2014年8月17日日曜日

蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-14)


8月16日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-13)」の続報です。

蔵王山(地図)の火山活動が活発化しているため、宮城県と山形県は住民避難計画などを策定する準備を始めています。気になるのは、蔵王山の山頂レストハウスに勤務する女性の証言です ― 「数日前にレストハウスの周りで硫黄のにおいがした。ここで40年間働いているけれど、初めてです」:

日本各地でドクガやマイマイガが大量発生していますが(参照参照)、蔵王山ではトウヒツヅリヒメハマキという蛾の幼虫が大量発生して、冬に樹氷となるアオモリトドマツが食害にあっています。「木が枯死する恐れもあるが、有効な手立てはない」、「大量発生の理由は分かっておらず、蔵王では前例が無い」:

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ヘビが原因の停電 ― 山口県下関市


8月13日から14日にかけての夜間、山口県下関市で、ヘビが高圧線に接触したことが原因とみられる停電が複数回発生しました。「(中国電力)下関営業所の職員が14日未明、下関市長府松小田中町(地図)にある高さ約10メートルの電線に、体長約1メートルのヘビの死骸がぶら下がっているのを見つけた」:

ヘビは、地震の前に地面から離れたところに移動することがあるようです。参考までに、1923年9月1日の関東大震災(M7.9)の前に目撃されたヘビの異常行動を 『地震の前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(力武常次、東京大学出版会、1986) から引用します:
[東京・浅草、震央から72km、地震の1~2ヶ月前] 浅草寺べんてん山の樹木にたくさんのヘビがぶら下がっていた。

[千葉県保田海岸、震央から94km、地震の2日前] 7月より保田海岸に行っておりました。そろそろ東京へ引きあげようという8月30日ヘビが大樹めがけて、ぞろぞろ登ってゆくではありませんか。もともとヘビの多い土地ではありましたが、そんな光景にみんなびっくりしました。

[千葉県館山市腰越、震央から58km、地震の数時間前] 朝ヘビが松の木に上がっており、父が不思議なことがあるものだといっていたことをおぼえております。

[千葉県保田、震央から49km、地震の20~30分前] えもん掛けにかけてありました帯をひっぱったとたん、ぼたんと音がしましたので、アレと思って下の畳を見ましたら、1間(約1.8m)もある程のアオダイショウがソロリ、ソロリ動き出しました。(中略) それから20、30分後にあの地震でした。

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2014年8月16日土曜日

蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-13)


8月9日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-12)」の続報です。

蔵王山(地図)で、8月6日(既報)に続いて8日と10日にも火山性微動が発生しました。火山性地震も増加しましたが、次第に減少しました。以下は、気象庁が8月15日に発表した「平成26年 No.33 週間火山概況 (平成26年8月8日~8月14日)」からの引用です:
6日、8日及び10日に、火山性微動が1回ずつ発生しました。火山性微動の継続時間は約1~8分で、振幅は1.3~2.4μm/sと、いずれも2013年以降に発生した火山性微動の中では大きなものではありませんでした。

傾斜計では、6日の火山性微動発生の前から南東(山頂の南側)上がりの変化がみられていましたが、9日13時頃からみられなくなりました。

また、6日の火山性微動発生直後から火山性地震が増加しましたが、12日にかけて次第に減少しました。

(中略)

蔵王山では、8月6日以降、火山活動の高まりがみられますので、今後の活動の推移に注意してください。

蔵王山 日別地震回数・回数積算 (気象庁ウェブサイトより)

昨年1月22日に蔵王山で観測以来初めてとなる火山性微動が発生してからの推移を以下にまとめました:

月日 事象
2013年
1月22日
火山性微動、観測開始(2010年9月1日)以来はじめて
1月27日 火山性微動
4月5日 低周波地震が一時的に連続して発生
4月5日
~11日
東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化
4月7日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 3分20秒)
4月9日 火山性微動(継続時間 4分20秒)
4月21日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 5分40秒)、低周波地震が一時的に連続して発生
6月4日 火山性微動(継続時間 2分20秒)
7月17日 火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月18日 坊平観測点と東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月31日 火山性微動(継続時間 5分40秒)
10月19日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 16分57秒)
10月23日 火山性微動(継続時間 1分30秒)、直後に計測基準未満の火山性微動も。その後、23日05時ごろから24日08時ごろにかけて火山性地震がやや多い状況
11月1日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 2分30秒)。火山性微動の発生後に微小な火山性地震。10月下旬以降、火山性地震がやや多い状況。
12月4日 火山性微動(継続時間 3分40秒)。微動発生前後に低周波地震が4回発生。火山性地震もやや増加。
12月8日 坊平観測点および蔵王観測点で傾斜変動、直後に火山性微動(継続時間 8分)。火山性地震はやや増加した状態で推移。
2014年
1月3日
火山性微動(継続時間 1分)。微動発生後に火山性地震が4回発生。
8月6日 火山性微動(継続時間 8分)。微動発生後、御釜直下付近の浅いところを推定震源とする火山性地震がやや多い状況。全て低周波地震。7日にかけて55回発生、8日になって減少傾向。火山性微動発生の前から傾斜計に南東(山頂の南側)上がりの変化、9日13時ごろに終息。
8月8日 火山性微動
8月10日 火山性微動


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2014年8月14日木曜日

冥王星と第1衛星カロン


冥王星(および太陽系外縁天体)探査機「ニュー・ホライズンズ」は、あと10日ほどで海王星の軌道を横切ります。

ニュー・ホライズンズが撮影した冥王星とその最大の衛星カロンの動画がNASAのウェブサイトで公開されています。7月19日から24日にかけて撮影された12枚の画像をGIF動画にしたものです。撮影時の冥王星までの距離は4億2900万km~4億2200万kmです(地球-太陽の距離は約1億5000万km):

冥王星の直径は2300~2400km、カロンの直径は1200km程度で、カロンは冥王星の表面から1万8000kmのところを周回しています(地球-月の距離は約38万km)。冥王星には5つの衛星が発見されていますが、カロン以外の4衛星は小さく暗すぎて上の動画には写っていません。

冥王星が揺れ動いている点に注目してください。惑星の周りを衛星が回転する場合、惑星も衛星も両者の共通重心の周りを回転します(説明図)。ふつうは、惑星の質量の方が圧倒的に大きいため、共通重心は惑星の内部ににあり惑星自身のふらつきはそれほど顕著ではありません。しかし、冥王星系の場合は、カロンの質量が冥王星の11%ほどもあるため、両者の共通重心が冥王星の表面より外側にあり、冥王星のふらつきが大きくなります。ハンマー投げの選手がハンマーをもって回転している様子を想像するとよいでしょう。選手が惑星、ハンマーが衛星です。

現在、ニュー・ホライズンズは冥王星まで約4億km、地球から44億kmのところを飛行しています。地球からの指令電波が探査機に届き、応答が地球に返ってくるまで往復で8時間8分ほどかかる距離です。


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