2020年7月15日水曜日

昆布の遺伝子で過去と未来の大地震を知る


オタゴ大学(ニュージーランド)の教授を中心とする研究チームの論文(The genomic footprint of coastal earthquake uplift)を紹介する記事と、教授との Q&A です。昆布の遺伝子を調べることによって、これまで知られていなかった過去の大地震を見出すことができる; また、今後大地震が起こりやすい場所を予測するための手段になり得るとのことです:

誤解を怖れずに単純化すると、大地震によって海岸が急激に隆起する → 海岸沿いに生えていた昆布は乾燥して死滅する → 新しい海岸沿いには異なる遺伝子グループに属する昆布が「植民」してくる → 周辺の昆布の遺伝子と比較することによって遺伝子グループの交代が起きたことがわかる → その場所でかつて急激な隆起(大地震)があったことがわかる、という流れのようです。

2020年7月14日火曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-102)


米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、7月13日20時04分(日本時間14日11時04分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年26回目の噴出です。

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月9日 14
2 1月23日 14
3 2月1日 9
4 2月12日 11
5 2月21日 9
6 2月28日 7
7 3月6日 7
8 3月15日 9
9 3月24日 9
10 4月2日 9
11 4月10日 8
12 4月27日 17
13 5月8日 11
14 5月14日 6
15 5月19日 5
16 5月23日 4
17 5月31日 8
18 6月3日 3
19 6月8日 5
20 6月12日 4
21 6月18日 6
22 6月23日 5
23 6月29日 6
24 7月3日 4
25 7月9日 6
26 7月13日 4


以下は、最寄りの地震計と、噴出した熱水が流れ込む川の流量の記録です:

昨年(2019年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は48回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした(昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。


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地震予測の方程式


イギリスの研究者のチームが、岩石の動きを数学的な方程式に変換し、予測式を作成したとのことです:
  1. Using math formulas to predict earthquakes
  2. New equation helps predict earthquakes better

以下は、上掲の2つの記事の一部を機械翻訳したものです(私のテキトー訳よりも自然な日本語になっています)。文中にある「フィロケイ酸塩」とは、雲母類や粘土鉱物などで、SiO4正四面体が二次元的につながり、平面的網状型の結晶構造を持っています:

[1]計算式を使って地震を予測する
(前略)

大地震がいつ発生するかを予測する方法を見つけようと、過去数十年にわたって多くの時間と労力が費やされてきましたが、これまでのところ、そのような努力は足りていませんでした。今回の新しい取り組みでは、研究者たちはこの問題に数学を使った別のアプローチを取りました。

研究者たちは、ある種の岩石が地震に重要な役割を果たしているという証拠から研究を始めました。これらの岩石はフィロケイ酸塩と呼ばれるグループを構成しており、シート状またはプレート状に形成されています。地震は、このような岩石が互いに滑り合うことで起こると理論的には示唆されています。研究者らは、このような滑りには摩擦力が重要な要素であることを指摘しています。摩擦力とは、シートやプレートの一方を別のシートやプレートに押し付けるのに必要な力と定義されています。そして、摩擦強度は計算できるものです。研究者たちは、有用な計算を行うために、多くのフィロケイ酸塩のサンプルと、さまざまな条件下でのフィロケイ酸塩同士の相互作用を研究しました。研究者たちは、直接試験できない地下深くでのフィロケイ酸塩の挙動を説明する式を作成するために、学んだことを利用しました。次に、湿度レベル、断層の動き、断層帯での地盤の移動速度など、他の変数を考慮に入れました。この式を使って多くの作業を行った後、研究者たちは、与えられた場所でいつ地震が発生するかを予測するために、現実の状況で使用できると信じている式を開発しました。

(後略)

[2]新しい方程式が地震の予知に役立つ
(前略)

地震は、地殻の最も弱い部分の断層に沿って移動している間に発生します。地殻には通常、フィロケイ酸塩という鉱物が含まれています。

(中略)

断層帯は通常、フィロケイ酸塩の濃度が高い場所に形成されます。そこで科学者たちは、実験室では不可能な条件でフィロケイ酸塩の摩擦力を予測できるようにモデルを作成しました。

彼らは、人工亀裂のゾーンをミクロのスケールで分析した。これは、実験中に発生したプロセスを特定するために必要だった。白金フィロケイ酸塩鉱物の分裂についてです。

科学者たちは、このデータに基づいて、フィロケイ酸塩の摩擦力が湿度であろうと断層の速度であろうと、さまざまな条件でどのように変化するかを予測するために、一連の方程式を定式化しました。これにより、実験室にはない条件での予測が可能となり、地震を含む自然条件での断層運動のモデル化が大幅に簡素化されました。

2020年7月12日日曜日

有感地震の最長空白期間


気象庁が公開している1919年以降の全有感地震データでは26日間、高感度地震観測網が整備された1996年以降に限ると約98時間。2018年は約52時間、2019年は約50時間:

ストーンヘンジと夜光雲とNEOWISE彗星


ストーンヘンジ上空の夜光雲とNEIWISE彗星:



初めてイギリスに出張したときのことを思い出します。イギリス南部のウィンチェスター市に宿泊していたのですが、ストーンヘンジ(地図)が意外に近く(直線距離で約40km)にあることに気づき、休日に一人で車を運転して見に行きました。時折小雨の降る寒い日でしたが、迷うことなく目的地に到着。

天候のせいもあってか他の観光客が少なく、寂しい雰囲気の中でゆっくりと遺跡を見学できました。感心したのは、観光案内所や土産物販売所が窪地のような所に設けられていて周囲からは見えず、ソールズベリー平原の中に立つストーンヘンジの景観を壊さないように配慮されていることでした。

イギリスは日本と同じで自動車は左側通行ですので、ラウンドアバウト(環状交差点)への進入のタイミングにさえ慣れてしまえば、アメリカの場合よりもストレスが少なく運転できます。ただ、街中は道幅が狭いので気をつかいますが。


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初動の押し・引き分布


高密度で配置した地震計が捉えた地震初動の押し・引き分布:


『平成12年鳥取県西部地震』の余震の初動分布であろうと思われます。同地震は2000年10月6日発生。M7.3、最大震度6強。『理科年表』には、「M7級の地殻内地震にもかかわらず活断層が事前に指摘されておらず、明瞭な地表地震断層も現れなかった」とあります。

リンク先の論文 "Non‐Double‐Couple Microearthquakes in the Focal Area of the 2000 Western Tottori Earthquake (M 7.3) via Hyperdense Seismic Observations" の "Plain Language Summary"(平易な言葉によるまとめ)をテキトー訳すると次のようになります:
地震は、2つの岩盤の間の相対的な滑りによって、周囲の岩石が壊れることで発生します。発生過程の特徴から、岩石がどのように変形したかを知ることができ、地震発生の理解を深める上で重要です。私たちは、2000年に発生した鳥取県西部地震という大地震が発生した地域での小規模な地震を、超高密度地震観測データを用いて調査しました。観測では、1km間隔で1,000個のセンサーを設置しました。その結果、小さな地震が、断層面に沿う滑りだけでなく、引張応力による亀裂の形成を誘発することがわかりました。このような亀裂の形成は、局所的な高圧流体か、その地域の亀裂の開きやすさ、あるいはその両者によって説明できます。これまでの研究によれば、どちらの可能性も今回の大地震の発生に関係している可能性があります。したがって、私たちは、岩盤は流体の浸透と強い揺れによって破壊したとの結論に至りました。

2020年7月11日土曜日

湧水の池が9年ぶりに満水 ― 静岡県三島市


7月10日、静岡県三島市の市立公園「楽寿園」(地図)内にある小浜池が、2011年以来9年ぶりに満水となりました。小浜池の水源は富士山からの湧水ですが、最近は涸渇傾向が続いています。

「湧水は富士山からポンプのように押し出される地下水が数年程度かけて小浜池に到達するとの説がある。かつては絶えず湧水が池をたたえ、源兵衛川など周辺の川に注いでいたが、最近は減少傾向が続いている」(静岡県地学会東部支部):

以下は、楽寿園の小浜池を取り上げた過去の記事です:

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双頭のハスが開花 ― 和歌山県みなべ町


和歌山県みなべ町にある鎌田池公園(地図)の池で、1本の茎に2つの花が付いた「双頭蓮」が見つかりました。7月10日に散ってしまったとのことです。

「ハスは一本の茎の先に花芽のようなものが4つでき、通常は3番目だけ咲くが、まれに4番目も咲くことがあるという。養分が関係するといわれているが、詳しいことは解明されていない」「非常に珍しいといえます」(和歌山大賀ハス保存会):

以下は、これまでにこのブログで取り上げた双頭連の事例です:

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宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-41)


高知県庁のウェブサイトに掲載されている宏観異常現象の報告受付件数の表が 7月10日付で更新されています。

今回の更新では6月分が記入されていますが、宏観異常報告の受付数はすべての項目で「0」でした。


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2020年7月10日金曜日

豪雨で地震数減少


特に九州地方で顕著だったようです。

「九州地方では2019年に1日当たりの平均地震発生数が73.4回であったが、07月03日から08日までの平均地震数は43.0回と平均の半分近くにまで落ち込んでいた」、「岐阜県と長野県を含む中部地方では、04月下旬からの群発地震により地震数が際立って多い状態が続いていたが、07月08日の大雨特別警報前日の07月07日から地震数が急減していた」:

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東京群発地震 Tokyo seismic swarm (補足)


7月6日付「東京群発地震 Tokyo seismic swarm」の続報です。

以下は、ツイートのリンク先にある記事 "Magnitude-5.9 quake is the latest and largest in Tokyo seismic swarm" の主要部分のテキトー訳です。非常に日本語に直しにくいところがあり、誤訳しているかも知れません:
ここまでの発生状況

首都圏近郊で最近頻発しているマグニチュード5.0以上の地震は、壊滅的な地震発生のリスクの高さを際立たせている。2020年4月1日から6月28日までの間に、東京都心から100kmの範囲内でマグニチュード5.0以上の地震が6回発生しており、これは1950年以降のマグニチュード5.0以上の地震の年間平均発生率の2倍に相当する。この発生ペースが続くと、2020年末までに同様の規模の地震が14回も東京を襲うことになる。

上の地図の群発地震(赤い点)は、過去の地震(青い点)とほぼ同じ場所で発生しており、過去に滑ったのと同じ断層が昨今の群発地震の間も滑っていることを示している。過去と違っているのは、現在では、これらの断層がもっと高い頻度で活動していることである。現在の高い頻度での地震発生は、通常の発生頻度の変動範囲を超えているので、私たちは「緩やかな群発地震(mild swarm)」と呼んでいる。これに匹敵するのは2011年に発生したマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震の翌年だけであり、それは関東地方に大きく急激な歪みのパルスをもたらすものであった。

良いニュース、悪いニュース

マグニチュード5.0以上の地震の発生率がなぜ上昇しているのか、また、現在進行中の「穏やかな群発地震」がより大きな大災害の前兆である可能性があるのか否かはわからない。しかし、最も単純で、おそらく最も慎重な解釈は、中程度の規模の地震の発生率が高いほど、より大きな規模の地震の発生確率が高くなるということである。これは、小さな地震と大きな地震の比率が変わっていないことを前提としているが、私たちが知る限りにおいて、この前提は成立している。

私たちの解釈に対する反論は、より高い危険性(大規模地震発生の可能性増大)は、「緩やかな群発地震」が房総半島沖で記録されているような‘非地震性’のクリープが発生していることを示していることにある、と示唆している。もしマグニチュード5.0以上の地震が断層のクリープの加速を伴っているとすれば、そのクリープは断層の歪みを減少させる可能性がある。これは、Sommerville (2014) が提唱しているように、大規模地震の発生確率を低下させる可能性がある。

しかし,上記の解釈には問題がある。「穏やかな群発地震」のうちのいくつかは、1855年に江戸を破壊したマグニチュード7.2の安政江戸地震と同じような場所と深さで起きている。これが意味するのは、東京の地下の断層は、マグニチュード5.0の無害な地震を伴ってクリープするだけではなく、破断して強い地震を起こすのに十分な歪みを蓄積するので、再び強い地震を起こす可能性があるということである。太平洋プレートに対するスラブ片の推定スリップ率1.7インチ/年(~40ミリ/年)の半分が地震性であったとしても、1855年以降、9.8フィート(3メートル)のスリップに相当する十分な歪みが蓄積されており、マグニチュード7.2の深い地震がもう1回発生するのに十分な量である。

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イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-101)


米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、7月9日10時47分(日本時間10日01時47分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年25回目の噴出です。

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月9日 14
2 1月23日 14
3 2月1日 9
4 2月12日 11
5 2月21日 9
6 2月28日 7
7 3月6日 7
8 3月15日 9
9 3月24日 9
10 4月2日 9
11 4月10日 8
12 4月27日 17
13 5月8日 11
14 5月14日 6
15 5月19日 5
16 5月23日 4
17 5月31日 8
18 6月3日 3
19 6月8日 5
20 6月12日 4
21 6月18日 6
22 6月23日 5
23 6月29日 6
24 7月3日 4
25 7月9日 6


以下は、最寄りの地震計の記録です。青空の下、観光客にとって最も都合の良い時間帯に発生した噴出でした:

昨年(2019年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は48回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした(昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。


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名水「青龍水」涸れる — 岩手県盛岡市 (続報-2)


6月23日付「名水「青龍水」涸れる — 岩手県盛岡市 (続報)」の続報です。

岩手県盛岡市にある青龍水(地図)は、6月10日に突然涸れて以来1ヶ月が経過しましたが、依然として回復していないとのことです。

「冬の降雪不足や最近の降雨量の少なさなどが原因とみられるが、はっきりした理由は分かっていない」:

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2020年7月8日水曜日

動物の地震前兆行動をバイオ・ロギング・タグで収集


学術誌『ethology』(動物行動学)に7月3日付で掲載された論文です。筆頭著者はドイツの マックス・プランク動物行動研究所(Max Planck Institute of Animal Behavior)の Martin Wikelski 氏です。同氏は下の関連記事にあるイカルス計画の中心人物です:

論文の "One Sentence Summary" には次のように書かれています —— 地震の前、家畜の集団で異常に高い活動レベルが見られ、その先行時間(1〜20時間)は震央からの距離(5〜28km)と負の相関関係を示した。

以下は論文の要旨(Abstract)のテキトー訳です:
動物の行動の変化が短期的な地震予知に使えるか否か、長い間議論されてきた。

私たちは、2016と2017年にイタリアで発生した一連の地震の前・中・後にバイオ・ロギング・タグを利用して、壊滅的なマグニチュードM6.6のノルシア地震の震源地近くの農場の家畜(牛、犬、羊)の行動を継続的に観察した。観察期間は 2016年10月~11月と、2017年1月~4月である。

観察期間中に発生した地震は 2016年に 5,304回、2017年に 12,948回で、マグニチュードは広範囲に及んだ(0.4 ≤ M ≤ 6.6)。これらの地震と継続的に計測された動物の活動を関連付けることで、動物が地震に対してどのように集団的に反応するかが判明した。

また、動物たちが安定した建物の中にいる時には地震前に一貫した予知行動が見られたが、放牧地にいる時には見られなかった。

このような予知パターンは、地震活動が活発な時期だけでなく、地震活動が低調な時期にも見られた。

予知の先行時間(1~20時間)は、牧草地から震源までの距離と負の相関がある。

動物集団の継続的なバイオ・ロギングは、統計的に信頼性の高い動物の活動パターンを提供し、それによって短期的な地震予測のための貴重な知見が得られる可能性があることを本研究は示している。

当論文では、先験的なモデルのパラメータに基づいて、リアルタイム観測ステーションで使用することができる地震前の動物の活動を判別するための経験的な閾値を提供している。

人間も動物の一種ですから、人間の集団にも地震前に何か普段と違う活動が見られるかも知れません。最近、新型コロナ・ウィルス対策としての外出自粛がどの程度行われているかを調べるために、携帯電話の位置情報を使って新宿駅や渋谷駅などの人出を推定することが行われました。この手法を常時使って人間集団の活動をモニターすれば、地震の前兆が捉えられる可能性があるのではないでしょうか。


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2020年7月6日月曜日

東京群発地震 Tokyo seismic swarm


「4月1日以降、首都圏ではマグニチュード5以上の地震が6回発生した。これは通常の発生頻度の約3倍である。これは何を意味しているのか?」


リンク先の記事 "Magnitude-5.9 quake is the latest and largest in Tokyo seismic swarm" は2人の連名で書かれていますが、"Shinji Toda" とあるのは東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授と思われます。記事では5枚目の図に注目です。

夜明けの彗星


7月3日に近日点を通過する際に太陽の熱で分解・消滅してしまうとの予測もあった彗星 C/2020 F3 (NEOWISE) が、なんとか持ちこたえて北半球の夜明け前の空に姿を現しています。観測者によって多少の違いがありますが、現在の光度は 1〜2等級で肉眼でも見えるようです。


以下のページで彗星の位置を知ることができます。時刻の指定は協定世界時(UTC=日本標準時−9)です:

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2020年7月5日日曜日

地震予知を可能にする「電離層前兆予測」


デイリー新潮』の記事です。電離層に現れる変化から地震を予知する研究を紹介しています。京都大学大学院情報学研究科の梅野健教授の研究や日本地震予知学会の初代会長で電気通信大学名誉教授の早川正士氏の研究、「富士防災警備」が運営する「S-CAST」による地震予測が取り上げられています。八ヶ岳南麓天文台の串田嘉男氏の観測事例にも触れています。

▼「震源地付近をある特定の入射角で通る人工衛星のみが電離層の電子数の変化を捉えていたことが分かった」「(太陽)フレアではその影響が広範囲に及ぶため、震源地付近を通る特定の入射角の人工衛星だけではなく、別の人工衛星でも電子数の変化が捉えられているはず」「これにより、震源地上空の電離層の電子数の変化は、他の要因ではなく地震の前兆現象であることが明確になった」「我々の研究はすでに実用可能に近い段階にきています。現在までの研究成果だけでも、マグニチュード(M) 6以上の地震は、1日もしくは数時間前に予測することができます」(京都大学大学院情報学研究科・梅野健教授)、▼「中国やロシアはアプローチが異なっています。中長期予測は地震学者が、短期予測は物理学者が担う、と役割が分かれている」「台湾では電離層の変化と地震予知に関する研究を17年から国家プロジェクトとしてスタートさせている。国からの研究費がびた一文出ない日本とは雲泥の差である」(日本地震予知学会会長・長尾年恭東海大学教授):

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2020年7月4日土曜日

秋咲きのヒマワリが突然見頃に — 群馬県みどり市


群馬県みどり市笠懸町鹿(地図、『産経新聞』の記事では同町吹上地区)で、例年秋に咲くヒマワリが 6月中旬から突然開花し始めたとのことです。

「この時期にこれほど多くの花が咲いたことは過去に例がない」(みどり市観光課)、「昨年咲いた花の種が残ったと思うが、明確な原因はわからない」(むらづくり協議会事務局):

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霧島山(新燃岳)で火山性地震増加 (続報-15)


6月22日付「霧島山(新燃岳)で火山性地震増加 (続報-14) 」の続報です。

霧島山(新燃岳)(地図)では4月20日以降、火口直下を震源とする火山性地震が増減を繰り返しています。

5月29日付の解説情報まではあった「現在のところ規模の大きな噴火に至る可能性は低いと考えられます」との記述は 6月1日以降の解説情報では消えていましたが、6月29日以降の解説情報では復活しています。

「火山ガス(二酸化硫黄)の放出量の増加や、火口西側斜面の割れ目において噴気や地熱域が認められるなど、火山活動がわずかに高まった状態となっています。今後の情報に留意してください」:

これまでのところ、新月や満月の前、あるいは鹿児島港の大潮の時期に地震が増える傾向があるようです(鹿児島港の大潮は下の表で青色の日付):

日付 火山性地震(速報値)
4月19日 1 回
4月20日 31 回
4月21日 301 回
4月22日 188 回
4月23日(新月) 105 回
4月24日 18 回
4月25日 42 回
4月26日 31 回
4月27日 7 回
4月28日 6 回
4月29日 5 回
4月30日 2 回
5月1日 6 回
5月2日 2 回
5月3日 3 回
5月4日 1 回
5月5日 5 回
5月6日 30 回
5月7日(満月) 11 回
5月8日 3 回
5月9日 4 回
5月10日 1 回
5月11日 0 回
5月12日 2 回
5月13日 2 回
5月14日 1 回
5月15日 3 回
5月16日 0 回
5月17日 0 回
5月18日 0 回
5月19日 0 回
5月20日 11 回
5月21日 70 回
5月22日 80 回
5月23日(新月) 1 回
5月24日 0 回
5月25日 3 回
5月26日 38 回
5月27日 181 回
5月28日 47 回
5月29日 5 回
5月30日 0 回
5月31日 0 回
6月1日 0 回
6月2日 3 回
6月3日 0 回
6月4日 5 回
6月5日 14 回
6月6日(満月) 46 回
6月7日 5 回
6月8日 0 回
6月9日 0 回
6月10日 1 回
6月11日 2 回
6月12日 19 回
6月13日 5 回
6月14日 5 回
6月15日 14 回
6月16日 10 回
6月17日 9 回
6月18日 1 回
6月19日 26 回
6月20日 15 回
6月21日(新月) 5 回
6月22日 8 回
6月23日 70 回
6月24日 25 回
6月25日 3 回
6月26日 0 回
6月27日 2 回
6月28日 16 回
6月29日 84 回
6月30日 10 回
7月1日 7 回
7月2日 4 回
7月3日 15時まで 7 回


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「宏観異常現象って?」


地震前の宏観異常現象を取り上げた『日刊ゲンダイ』の記事です。変な大学教授の不安をあおるようなコメントを挿むこともなく、淡々と事例を紹介しています。このブログでも取り上げている高知県庁の取り組みも出てきます。

「2011年の東日本大震災を受け、防災対策のひとつとして13年から県民に宏観異常現象の情報を募集しました。宏観異常現象は科学的な根拠はないとされていますが、研究を始めている機関もありますし、予知が難しい中、前兆を知る材料になる“可能性”はあると思っています」(高知県危機管理部南海トラフ地震対策課):

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定置網にリュウグウノツカイ — 長崎県長崎市


7月2日朝、長崎県長崎市野母町(地図)沖約 200m に設けられている定置網にリュウグウノツカイが入っているのが見つかりました。体長約 1.5m。水揚げから約4時間後に死んだとのことです。

「漁師歴35年で自分の網に入ったのは初めて」(網を引き上げた男性)、「前日まで海がしけていたのが関係して掛かったのでは」(長崎ペンギン水族館):

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イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-100)


米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、6月29日01時29分(日本時間29日16時29分)ごろと、7月3日14時16分(日本時間4日05時16分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年23回目と24回目の噴出です。

6月29日の噴出については、最寄りの地震計に記録されている波形の振幅が小さく、さらに噴出した熱水が流れ込む川の流量変化が折からの豪雨による増水のために判別しづらかったため、このブログへの記載を保留していました。このほど、米国地質調査所イエローストーン火山観測所が 7月1日付で出した "YELLOWSTONE VOLCANO OBSERVATORY MONTHLY UPDATE" で噴出があったことが確認できましたので、記載することにしました。

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月9日 14
2 1月23日 14
3 2月1日 9
4 2月12日 11
5 2月21日 9
6 2月28日 7
7 3月6日 7
8 3月15日 9
9 3月24日 9
10 4月2日 9
11 4月10日 8
12 4月27日 17
13 5月8日 11
14 5月14日 6
15 5月19日 5
16 5月23日 4
17 5月31日 8
18 6月3日 3
19 6月8日 5
20 6月12日 4
21 6月18日 6
22 6月23日 5
23 6月29日 6
24 7月3日 4


以下は、最寄りの地震計の記録です:

昨年(2019年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は48回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした(昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。


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2020年7月2日木曜日

住宅地にカモシカ — 静岡県袋井市


6月28日午前、静岡県袋井市久能(地図)の保育園にニホンカモシカがいるのが見つかりました。体長約 120cm、体重約 30kg。捕獲され、山に返されました。

「街中に現れるのはまれで、突然の“珍客”に住民から驚きの声が上がった」、「50年以上住んでいるが、カモシカを見たのは初めて」(地元住民)、「エサを求めて山を下りてきたとみられる」(市猟友会):

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ユウレイイカ捕獲 — 和歌山県すさみ町


6月29日夜、水深 200〜600m の深海に棲息するユウレイイカが和歌山県すさみ町(地図)の沿岸で釣り上げられました。釣り上げられたのは水深 40m の海域。

「夜に餌を求めて浅場に来るのだろうか。高知と徳島で定置網に入ったのを見たことはあったが、県内では初めて」(エビとカニの水族館):

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2020年7月1日水曜日

宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-40)


高知県庁のウェブサイトに掲載されている宏観異常現象の報告受付件数の表が 6月30日付で更新されています。

今回の更新では4月分と5月分が記入されていますが、宏観異常報告の受付数はすべての項目で「0」でした。


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2020年6月30日火曜日

小惑星 2020 MK3 が月と地球に接近


7月2日、小惑星〝2020 MK3〟が月と地球に接近します。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 MK318~41  (月)7月2日 03:58
(地球)7月2日 05:27
2.44
1.84
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星はアテン群に分類されています。

直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは6月16日です。

接近時の地球との相対速度は秒速8.4km(時速約3万km)と予報されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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帯状の雲 — 神奈川県、東京都


6月29日午後、神奈川県や東京都の上空に、南北方向に延びる帯状の雲が現れました。写真からは、かなり低いところに形成された雲のように見えます。

「東京湾周辺で、南風と南東風が衝突して発生した雲と考えられます」:

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2020年6月29日月曜日

イエローストーンの隆起と間欠泉


イエローストーン国立公園内のノリス間欠泉盆地(Norris Geyser Basin、地図)にあるスティームボート間欠泉(Steamboat Geyer)は、世界で最も高くまで熱水を吹き上げることで有名ですが、その噴出間隔が不規則なことでも知られています。

このブログでは、2018年3月にスティームボート間欠泉が 1289日(約3年半)ぶりに噴出を再開して以来、その活動を記事にしていますが()、長期間の休止を含む不規則な熱水噴出のメカニズムはよくわかっていません。

以下に紹介するのは、米国地質調査所(USGS)に所属する4人の研究者が連名で今年1月に発表した論文で、2018年3月以降のスティームボート間欠泉の記録的な噴出数は、イエローストーンの地下にマグマが貫入したことと、その結果として生じた隆起現象に関係していると指摘しています。貫入したマグマから放出された流体によってノリス間欠泉盆地付近を中心とした領域が隆起し、それに伴って間欠泉の活動が活発になっている、ということのようです:

以下は論文の要旨(Abstract)のテキトー訳です:
最近の(イエローストーンの)活動は、40 年以上前にカルデラ床の隆起が発見されて以来続いてきたイエローストーン・カルデラ内部およびその周辺の地表変動の原因についての議論に新たな洞察を与えている。

2013年後半にカルデラ北縁のノリス間欠泉盆地付近を中心とした異常に急速な隆起(15cm/年以上)が始まり、2014年3月30日に Mw4.9 の地震が発生するまで続いたが、その後、隆起は急速に沈降に転じた。2016年に年間数センチメートルの隆起が再び始まり、少なくとも2018年末まで続いた。

全地球測位システム(GPS)と干渉合成開口レーダーのデータを用いたモデル化は、1996年から2001年の間に深部へのマグマの貫入が進行し、その後、(マグマに由来する)揮発性物質の上昇と蓄積が浅い場所、おそらく数百メートル程度の浅さ、で続いたことを示唆している。

揮発性物質が蓄積している場所の深さは、2014年から2016年にかけての地殻変動のころから浅くなっているように見え、2018年3月に復活したスティームボート間欠泉(Steamboat Geyer)の頻繁な噴出は、この進行中のプロセスが地表に現れたものである可能性が高い

熱水爆発を起こしうる地物(features)はノリス間欠泉盆地の地域で顕著であり、揮発性物質が明らかに浅い場所に蓄積しているということは熱水爆発のリスクの増大を意味している。

マグマに含まれる「揮発性物質」の代表は水分(水蒸気)です。


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草津白根山で火山性微動


6月29日、草津白根山(地図)で火山性微動が観測されました。

「白根山(湯釜付近)では、本日(29日)11時59分頃、継続時間約1分の振幅の小さな火山性微動が発生しました」「白根山(湯釜付近)では火山活動が高まっていると考えられますので、引き続き湯釜火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります」:

草津白根山で火山性微動が観測されたのは、今年3月28日以来です。

気象庁の「火山性地震・火山性微動に関する用語」によると、火山性微動は「火山体またはその周辺で発生する火山性地震よりも継続時間の長いもの」で「地下のマグマや火山ガス、熱水などの流体の移動や振動が原因と考えられるものや、微小な地震が続けて発生したことによると考えられるものがある」とのことです。


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鶴見岳で地震増加 — 大分県別府市


大分県別府市にある活火山・鶴見岳(地図)で地震が増加しています。

「鶴見岳では、昨日(28日)から鶴見岳山頂の東1km付近で体に感じない程度の地震が増加しています」「鶴見岳の火山活動に活発化の傾向は認められません」「鶴見岳周辺は構造性の地震が多く発生する領域であり、今回の地震も同様の地震活動の一部と考えられます。しかし、震源が鶴見岳に近いことから、火山活動が変化する可能性も考えられます」:

鶴見岳は南北5kmにわたり連なる溶岩ドーム群の最南端にあります。北端には伽藍岳があり、1995年に噴気孔が次第に大きくなり泥火山が形成されました。記録に残る最後の噴火は867年(貞観の大地震の2年前)で、火山灰や噴石の噴出があり、泥流が発生したようです。


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失われた「第8大陸」の詳細地図


海没した8番目の大陸・ジーランディアの詳細な地図が、ニュージーランド政府傘下の研究機関 GNS Science によってネット上に公開されています。ジーランディアは面積 500万平方km で、その 94% は海面下にあるとのことです:

詳細な地図は以下の GNS Science のページからどうぞ:

現行の海洋法条約では「沿岸国の管轄権が及ぶ範囲の一つとして大陸棚が定義され、沿岸国は基本的に200海里までの海底及び海底下を大陸棚とすることができるほか、海底の地形・地質が一定条件を満たせば、200海里の外側に大陸棚の限界を設定することが可能」(Wikipedia)とされています。ジーランディアに関して管轄権の及ぶ範囲で各国がもめる恐れはないのでしょうか。さらに、そもそもジーランディアは大陸棚ではなく大陸であるということになると、海洋法の解釈がややこしくなるかも知れません。

なお、ジーランディアは以前は第7の大陸と呼ばれていたのですが、今回の報道では第8の大陸となっています。ユーラシア大陸をアジアとヨーロッパに分けて数えるか否かの違いであろうと思います。


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2020年6月28日日曜日

小惑星 2020 ME1 が月と地球に接近


6月28日、小惑星〝2020 ME1〟が月と地球に接近します。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 ME115~33  (月)6月28日 10:49
(地球)6月28日 15:14
1.10
1.97
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星はアポロ群に分類されています。

直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは6月21日です。

接近時の地球との相対速度は秒速10.9km(時速約3万9000km)と予報されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2020年6月27日土曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-224)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が 6月25日17:00付で更新情報を出しています:

今回の更新情報では、最近の予測成功事例が多くのスペースを占めています。予測はすべて、日々配信の観測情報で「地震前兆検知公開実験」の参加者に事前に報告されていました。

▼ 6月25日04時47分 千葉県東方沖 M6.1、深さ36km、最大震度5弱
  • 6月19日、K6観測装置(高知観測点)にBF前兆(Baseline Fluctuation anomaly、基線のうねり変動)が出現(図2参照)
  • 変動波形から6月24日±2日に、陸域ならば M5.4±0.5、海域ならば M5.9±0.5、震央は図1の範囲内と推定。
  • 6月21日に「地震前兆検知公開実験」の参加者に予報を配信。

▼ 長野県中部群発地震
  • 5月10日 BF前兆出現+5月11日 火山性特異出現 → 5月13日±2日 長野県中部群発と推定; 5月13日以降、長野県中部乗鞍岳周辺で群発地震発生
  • 5月14日 BF前兆出現と火山性特異出現 → 5月19日±2日 長野県中部群発と推定; 5月19日以降、長野県中部焼岳周辺で群発地震発生

▼ 浅間山の地震活動
  • 6月1日 秋田観測点にステップ状BF前兆出現+6月2日 BF前兆出現+6月5日および17日に火山性特異出現 → 6月16日±3日または7月2日±5日 図3の領域内で火山性地震と推定; 6月20日以降、浅間山で火山性地震と火山性微動発生
  • 発生時期推定の誤差が大きかった。

▼ No.1778長期継続前兆群
  • 前回の更新情報では「最も早い場合、6月29日± に前兆終息、7月23日±3日に地震発生の可能性」としていた(その後、「地震前兆検知公開実験」の参加者向けの配信では、6月末終息、7月25日± に発生、と微調整)
  • あと5日ほどで前兆が終息する兆候は見えない → 9〜10月の発生となる可能性が高い。今後の変化を観測の上、続報で報告する。

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