2022年12月19日月曜日

小惑星 2022 YJ が地球と月に接近・通過

 
12月18日、小惑星〝2022 YJ〟が地球と月の近くを通過して行きました。地球との相対速度は平均的な小惑星の2倍以上で、非常に高速な小惑星でした。
 
2022 YJ (2022年12月17日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月18日 20:54
 (月)12月18日 22:36
接近日時 誤差
(地球)±1 分未満
(月)±1 分未満
接近距離 (地球)0.73 LD
(月)1.59 LD
推定直径
4 ~ 10 m
対地球相対速度
24.8 km/s ≅ 8万9000 km/h
初観測から地球接近まで1 日
次の地球接近
公転周期1254 日 ≅ 3.43 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2022年12月16日金曜日

静止火球 現る

 
ふたご座流星群が12月14日22時ごろに極大を迎えましたが、同日20時30分ごろ、静岡県富士市(地図)で静止火球が動画で記録されました。火球が流れることなく空の一点で輝く現象です。動画に撮影されるのは非常に珍しいと思います:

私も一度だけ静止流星を見たことがあります。自分の方向にまっすぐ飛んでくるわけですから、もし大気中で燃え尽きなかったらと考えるとちょっと怖い?
 
 
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2022年12月13日火曜日

殺生石に近づいたイノシシ 8頭が死ぬ — 栃木県那須町

 
12月7日、栃木県那須町湯本の殺生石(地図)のそばでイノシシ 8頭が死んでいるのが見つかりました。硫化水素などの火山ガスが原因とみられています。
 
「一度に 8頭もの死骸が見つかるのは極めて珍しい」(環境省日光国立公園管理事務所那須管理官事務所)、「これだけの数は聞いたことがない」(関係者):

殺生石は今年3月に真っ二つに割れています:
 
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小惑星 2022 XX が月と地球に接近

 
小惑星〝2022 XX〟が 12月14日に月と地球に接近します。
 
2022 XX (2022年12月12日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)12月14日 16:19
 (地球)12月14日 19:43
接近日時 誤差
(月)±10 分
(地球)±9 分
接近距離 (月)1.42 LD
(地球)0.54 LD
推定直径
5 ~ 11 m
対地球相対速度
6.7 km/s ≅ 2万4000 km/h
初観測から地球接近まで3 日
次の地球接近2023年6月8日ごろ
公転周期466 日 ≅ 1.28 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2022年12月11日日曜日

直線状の雲の縁


12月9日、中国地方西部から九州北部にかけて、縁(ふち)が直線状の雲が現れました。衛星画像では、山口県長門市(地図)付近を頂点として東方向と南南西方向に延びる雲の縁がナイフで切ったようにまっすぐになっています:

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マウナ・ロア山が噴火 — ハワイ (続報-3)

 
マウナ・ロア山(地図)の噴火活動が低下しています。警戒レベルも 1段階引き下げられました。以下は、現地時間12月10日14時35分(日本時間11日09時48分)付の "HVO/USGS Volcanic Activity Notice" からの抜粋です ——

マウナ・ロア山の北東リフトゾーン(Northeast Rift Zone)にある第3亀裂(F3)からの溶岩噴出は続いているが、溶岩の流出と火山ガスの放出は大幅に減少している。 ほとんどの溶岩は、小さな溶岩池の中にある噴出口内に留まっている。 昨日、噴出口から 2.4km ほど離れた場所で活発だった短い溶岩流は停止している。

フムウラ・サドル地域の溶岩流の先端は、ダニエル・K・イノウエ・ハイウェイ(サドル・ロード)から 3km の地点で停滞し、もはや脅威とはなっていない。

過去の噴火のパターンから、活発な噴火が再開されることはなく、現状は噴火が間もなく終息する可能性を示していると考えられる。ただし、噴火活動の低下にともなってマウナ・ロア山頂の膨張傾向が見られ、非常に低い活動度で噴火が継続する可能性もわずかながらある。

以上の理由から、ハワイ火山観測所(HVO)は、現在の火山活動に伴う危険性が限定的であることを反映して、火山警戒レベルを「警告」(WARNING)から「注意」(WATCH)に引き下げる。航空カラーコードは、噴火活動の継続と火山灰の放出の可能性の不確実性を反映し、オレンジ色のままとなる。
 
 
 

2022年12月10日土曜日

東京・新宿区直下で稍深発地震

 
Credit: 防災科学技術研究所
12月10日06時37分ごろ、東京都23区を震源とする最大震度2の稍深発地震が発生しました。速報値によると、M4.0 で、震源の深さは 120km でした(震央地図)。
 
[12月12日追記: 速報値から更新された暫定値によると、M4.1、深さ 119km。震央は南南東にずれて北緯 35°39.4'、東経 139°43.2'。港区西麻布のあたりです(震央地図)]

震央付近では、フィリピン海プレートの上面は深さ 30km 前後、太平洋プレートの上面は 50〜100km 程度なので、震源は太平洋プレート(スラブ)の内部ということでしょうか。発震機構解は横ずれ断層的です。
 
 
 

2022年12月9日金曜日

垂直に立つ雲

 
カナダのブリティッシュ・コロンビア州にある放送局・メディア制作会社の動画から。
 
「12月7日、ブリティッシュ・コロンビア州アボッツフォード(地図)在住の女性は、空にかかった奇妙な雲を見て驚いた。気象学者は、それが何であるかについて一つの推測をしている」: 
 
気象学者は飛行機雲だと推測しています。
 
 
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マウナ・ロア山が噴火 — ハワイ (続報-2)

 
マウナ・ロア山の溶岩流に変化がありました。以下は、現地時間12月8日午前8時48分(日本時間9日午前3時48分)付の "HAWAIIAN VOLCANO OBSERVATORY DAILY UPDATE" からの抜粋です ——
 
マウナ・ロア山の北東地溝帯(Northeast Rift Zone)での噴火は、一晩で大きな変化を見せながら続いている。第3亀裂(F3)は噴火を続けているが、今朝は溶岩の供給がかなり減少している。溶岩は噴出口付近の流路の外壁を越えて外に流れ出しており、その流れは噴出口から約4 km以内の範囲に広がっている。溶岩がこれまでの流路の外に流れ出したことによって、この地点から下の流路では溶岩が減少し、おそらくメインの溶岩流に溶岩を供給していないように見える。
 
本日12月8日午前5時30分現在、溶岩流の先端はダニエル・K・イノウエ・ハイウェイ(サドル・ロード)から約2.8kmの地点で停止している。 現在、溶岩流は下部の大部分で活動を停止している。
 
二酸化硫黄(SO2)の放出量は、2022年12月4日に約12万トン/日を計測し、現時点でも高止まりしている。火山ガスは大気中に高く垂直に上昇した後、高高度で西に流され、風下の地域にヴォグ(火山性大気汚染)を発生させている。
 
地下の流体の動きに関連した震動は、現在活動中の亀裂の地下で続いている。これは、マグマがまだ亀裂に供給されていることを示しており、この震動が見られる限り、活動が継続する可能性がある。
 
 
最新の溶岩流マップ:
 
 

2022年12月8日木曜日

リュウグウノツカイ捕獲 — 宮城県石巻市

 
12月7日朝、宮城県石巻市の金華山(地図)沖に設けられた定置網にリュウグウノツカイが入っているのが見つかりました。体長 4.43m、重さ 44kg。自切のために尾の部分は失われていました。水族館に搬入後 30分ほどで死んだとのことです。
 
「20年近く飼育員をしているが、宮城県内で水揚げされたのは聞いたことなく、すごくめずらしい」(仙台うみの杜水族館):
 
このブログでこれまでに扱ったリュウグウノツカイの漂着や捕獲の記事を県別にまとめると以下のとおりです。能登半島周辺の県が突出して多いことがわかります。また、太平洋側は少なく、宮城県は今回が初めてです:
 
記事件数
16 富山
14 福井
12 石川
7
新潟、山口
6 兵庫、島根
5
福岡、長崎
4
秋田、神奈川、京都
3
静岡、佐賀、鹿児島、沖縄
2
青森、鳥取、大分、長崎
1 北海道、宮城、和歌山、宮崎
 
 

2022年12月7日水曜日

ネッシーの幼体? 漂着

 
イギリスのタブロイド紙の記事です。同国の海岸に打ち上げられたなぞの生物。姿形はネッシーの子供のように見えます:
 
この生物の正体については、「翼」の部分を切り取って投棄されたエイではないか、との説があるようです。
 
 
 

2022年12月6日火曜日

最悪のタイミングの地震

 
最も地震が起きてほしくないタイミングは? トイレの中、レーザーを使用中、歯の治療中、実験室で酸を扱っているとき ・・・ 

 

小惑星 2022 XL が地球と月に接近・通過

 
小惑星〝2022 XL〟が 12月1日に地球と月の近くを通過していたことが、12月5日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2022 XL (2022年12月5日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月1日 14:26
 (月)12月1日 16:07
接近日時 誤差
(地球)±1 分
(月)±1 分
接近距離 (地球)0.39 LD
(月)0.61 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
9.8 km/s ≅ 3万5000 km/h
初観測から地球接近まで0 日
次の地球接近2027年6月14日ごろ
公転周期445 日 ≅ 1.22 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2022年12月5日月曜日

九州地方南東沖で M4.4、九州‐パラオ海嶺の衝突

 
12月5日05時27分ごろ、九州地方南東沖(北緯31.3°、東経132.6°)で M4.4、震源の深さ約 10km、最大震度 1 の地震がありました(いずれも速報値、震央地図)。
 
[12月10日追記: 6日に気象庁が発表した暫定値では、M4.4、震源の深さ 53km、北緯 31°23.8' 東経 132°27.9' に更新されています(震央地図)]
 
「九州地方南東沖」はあまり目にすることがない震央地名です。前回、この領域で有感地震が発生したのは 2018年5月のことです。

九州地方南東沖では、南海トラフが琉球海溝に接続しています。震央の近くでは、北上してきた九州‐パラオ海嶺の海山列が沈み込んでおり、陸側斜面が U字形にえぐられたような形状をしています(上掲震央地図参照)。
 
以下に、この付近の地形についての記述を『プレート収束帯のテクトニクス学』(木村学、東京大学出版会、2002)から引用します ——

また、南海トラフが九州の沖合で方向を東北東から北北東に変えて琉球海溝になるところでは、九州・パラオ海嶺がぶつかっている。その海溝で大変奇妙な地形が、やはり日仏海溝計画の調査で見つかった。海溝斜面にぽっかりと穴があいたような海溝底からつながったくぼみがあり、その陸側斜面が異様に盛り上がった様子が観察された。重力や地磁気の調査から、その盛り上がった地形の下には、砂や泥からなる付加体ではなく、もっと密度の大きい海洋地殻からなる岩石の存在が推定された。それはくぼみ地形と組み合わせて、すでにある付加体の下に沈み込んでしまった海山であると考えられたのである。
 
 
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2022年12月2日金曜日

マウナ・ロア山が噴火 — ハワイ (続報)

 
現地時間11月27日の深夜に始まったマウナ・ロア山(地図)の噴火は現在も続いています。山頂カルデラから北東に伸びる北東地溝帯(Northeast Rift Zone)に 4つの亀裂が開き、そのうちの第3、第4亀裂から溶岩の流出が続いています。 

以下は、日本時間12月1日07時30分時点の溶岩流マップです:
 
以下は、米国地質調査所(USGS)ハワイ火山観測所(HVO)が日本時間12月2日04時09分付で発表した "HAWAIIAN VOLCANO OBSERVATORY DAILY UPDATE" からの抜粋です。上の地図を参照しながらお読みください ——
 
マウナ・ロア山の北東地溝帯での噴火は続いており、2つの活発な亀裂から溶岩流が流れ下っている。亀裂 3 は依然として最大の溶岩流の供給源である。亀裂 3 の溶岩流はダニエル・K・イノウエ・ハイウェイ(サドル・ロード)に向かって北上しているが、比較的平坦な場所に到達したため、進行速度が大幅に低下している。最も大きい溶岩流の進行速度は、過去 24 時間で時速 40m まで低下している。ハワイ時間 12月1日午前7時(日本時間2日午前2時)現在、溶岩流の先端はダニエル・K・イノウエ・ハイウェイ(サドル・ロード)から約 5.4km の地点にある。過去24時間の観測からは、溶岩流がダニエル・K・イノウエ・ハイウェイ(サドル・ロード)に到達するのは早くて 1週間後と予想される。

亀裂 4 もまだ活動しており、溶岩流は時速 60m の速度で北東に向かって進んでいる。亀裂 4 からの溶岩流は、夜間にマウナ・ロア気象観測所に通じる道路を横切った。亀裂 4 から流れ出た小さな分流が、主要な流れよりも遅い速度で東に移動している。
 
火山ガスのプルームは、大気中を垂直に高く立ちのぼっている。ペレの毛(火山毛)がフムウラ・サドル地区に降っている。

地震観測では、現在活動中の亀裂の位置で揺れが検知されている。これはマグマがまだ供給されていることを示しており、この信号が続くかぎり、亀裂の活動は継続すると思われる。
 
 

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-144)

 
米国イエローストーン国立公園内にあるスティームボート間欠泉(地図)の 11月の噴出は 1回でした。
 
日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月23日 38
2 2月14日 22
3 3月4日 18
4 3月30日 26
5
5月4日 35
6
5月23日 19
7
6月10日 18
8
6月20日 10
9
9月18日 90
10
11月5日 48
 
 
米国地質調査所(USGS)が12月1日に発表した "YELLOWSTONE VOLCANO OBSERVATORY MONTHLY UPDATE" には、以下のような記載があります:
  • スティームボート間欠泉は、11月5日に大規模な噴出があり、2022 年の噴出の総数は 10 回になった。その後、小康状態を経て 11月20日に小規模噴出が再開しているので、12月には大規模噴出がもう 1回あるかも知れない。

  • 11月中、イエローストーンでは 174件の地震が記録された。最大規模は 11月14日の M2.6 であった。イエローストーンの地震活動は、現在、バックグラウンド・レベル(通常の活動レベル)を上回っている。

  • イエローストーンでは過去数ヶ月間、正味の地殻変動はほとんど記録されていない。これは大雪や、夏から秋にかけての季節的な地下水の蓄積の影響で、2015年から続いている沈下が相殺されているためである。
 
 
 

小惑星 2022 XB が月と地球に接近

 
小惑星〝2022 XB〟が 12月2日から3日にかけて月と地球に接近します。
 
2022 XB (2022年12月1日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)12月2日 21:10
 (地球)12月3日 06:31
接近日時 誤差
(月)±1 分
(地球)±1 分
接近距離 (月)1.00 LD
(地球)0.98 LD
推定直径
5 ~ 11 m
対地球相対速度
9.1 km/s ≅ 3万3000 km/h
初観測から地球接近まで1 日
次の地球接近
公転周期1005 日 ≅ 2.75 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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小惑星 2022 WE11 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2022 WE11〟が 11月29日に月と地球の近くを通過していたことが、12月1日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2022 WE11 (2022年12月1日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)11月29日 09:30
 (地球)11月29日 11:34
接近日時 誤差
(月)±1 分未満
(地球)±1 分未満
接近距離 (月)1.14 LD
(地球)0.77 LD
推定直径
3 ~ 6 m
対地球相対速度
9.9 km/s ≅ 3万6000 km/h
初観測から地球接近まで1 日
次の地球接近
公転周期1007 日 ≅ 2.76 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2022年12月1日木曜日

M5.6、タウポ湖で津波 — ニュージーランド

 
11月30日23時47分(日本時間同日19時47分)、ニュージーランド北島中央部のタウポ湖で M5.6、深さ 9km の地震(GeoNet資料震央地図)が発生し、 棚から物が落下したり、ボイラーのパイプが破断するなどの影響がありました。朝までに M4.5 を含む余震が 150回発生しています。この地震の影響で、タウポ湖では津波が発生して湖水が岸から 20〜30m 遡上し、ボートが流されたり、係留施設が破壊されるなどの被害がでました:

タウポ湖は約2000年前の巨大噴火でできたカルデラ湖です。
 
 

小惑星 2022 WN9 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2022 WN9〟が 11月28日に月と地球の近くを通過していたことが、11月30日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2022 WN9 (2022年11月30日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)11月28日 02:31
 (地球)11月28日 07:32
接近日時 誤差
(月)±1 分未満
(地球)±1 分未満
接近距離 (月)0.63 LD
(地球)0.13 LD
推定直径
3 ~ 7 m
対地球相対速度
16.9 km/s ≅ 6万1000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2029年6月18日ごろ
公転周期1238 日 ≅ 3.39 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2022年11月30日水曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-280)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 11月29日13:00 付けで更新情報を出しています。
 
特異変動とPBF変動はともに継続中。完全終息が認められない現状では、極大と終息の関係から推定発生時期は計算できないので、CH34観測装置(八ヶ岳)のBT変動の周期にもとづいて発生時期(1月6日±3日)を算出しています。
 
特異変動 11/29 継続のため → 12/15±3 発生の可能性は否定
BT 周期的変化 経験則からは → 01/06±3 発生の可能性を示す
 
 [注] PBF変動(Periodic Baseline Fluctuation anomaly)= 周期的な基線のうねり変動で、典型的な地震前兆波形。BT変動(Baseline Thickness anomaly)= 基線の振幅が増大する変動で、M5.0 以上の地震の前兆として出現。
 
 
推定日2023年1月6日 ±3日
(PBFと特異変動の終息時期を確認して修正予定)
推定時間帯 09:00±3時間 または 18:00±3時間
推定震央領域 続報 No.345」所載の図2太線内
斜線の領域は火山近傍参考推定領域
推定規模 M8.0 ± 0.3
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 
No.1778前兆群は、2008年7月初旬に出現し始めた前兆です。継続期間は14年を越えました。串田氏の観測歴上で最長の継続期間で、ピーク時期には30の観測装置に前兆変動が出現しました。
 
 No.1778前兆については、串田氏が自身の著書にて言及したため、その後の経過を一般公開しているものです。No.1778前兆以外の地震予測については、「地震前兆検知公開実験」の参加者にのみメールまたは Fax で配信されています。
 
串田氏の地震予測手法と実績については以下をご覧下さい:
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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2022年11月29日火曜日

マウナ・ロア山が噴火 — ハワイ

 
(Wikipedia より引用)

現地時間11月27日23時30分(日本時間28日18時30分)ごろ、マウナ・ロア山(地図)の山頂で噴火が始まりました。同山が噴火するのは38年ぶりです。現時点では、主要な人口密集地に脅威はなく、避難命令も出されていません。米国地質調査所(USGS)の火山学者によると、マウナ・ロア山の噴火は、山頂から始まり、すぐに地溝帯に移動、他の場所には移動せず地溝帯にとどまる、というのが典型的なパターンだそうです:

USGSのハワイ火山観測所(HVO)が 28日07時20分(日本時間29日02時20分)に発表した "HVO/USGS Volcanic Activity Notice" には以下のような記述があります ——
 
マウナ・ロアの噴火は、山頂から北東地溝帯(Northeast Rift Zone)に移動し、そこでは複数の亀裂からいくつかの溶岩流が生じている。ハワイ標準時の午前6時30分ごろ、ハワイ火山観測所の職員は上空からの観測で、ハワイ火山国立公園内の高地に生じた亀裂から流れ出した溶岩が、マウナ・ロア気象観測所上部の斜面の溶岩流に流れ込んでいることを確認した。溶岩流は下方の地域社会を脅かしておらず、すべての兆候は噴火が北東地溝帯にとどまることを示している。火山ガスや、場合によっては微細な火山灰や火山毛(ペレの毛)が風下に流れる可能性がある。
 
 
 

海徳海山、変色水の範囲さらに広がる

 
8月20日付「海徳海山付近に変色水域」と、8月24日付「海徳海山に噴火警報」の続報です。

左が西海徳場、右が東海徳場
(海上保安庁「海域火山データベース」より)

西之島(地図)の南約125kmにある海徳海山(地図)では、今年8月に海面が変色しているのが確認され、「噴火警報(周辺海域)」が出されていましたが、今月25日におこなわれた海上保安庁の観測では、変色の範囲がさらに広がり、色も濃くなっていることがわかりました。

「当初と比較すると面積は100倍近くになり火山活動が加速度的に高まっているといえる。今後、軽石を噴出した1984年のような噴火活動になるおそれもあり、推移に注意が必要だ」(東京工業大学・野上健治教授):
 
上の記事にある1984年の噴火は、気象庁の資料によると中規模のマグマ噴火またはマグマ水蒸気噴火で、「3月7日~6月。噴火場所は東海徳場。海水変色(幅約10km、長さ約50km以上)、海面の盛り上がり、噴煙、軽石等の噴出」があり、噴火の規模は VEI 2 とされています。
 
気象庁が11月9日に発表した「海徳海山の火山活動解説資料(令和4年10月)」(PDF形式)には、「12日に海上保安庁が実施した上空からの観測では、海徳海山付近で直径約200mの円形の濃厚な黄白色の変色水が認められました。浮遊物は認められませんでした」と書かれています。
 
 
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2022年11月28日月曜日

小惑星 2022 WM7 が月と地球に接近

 
小惑星〝2022 WM7〟が 11月28日に月と地球に接近します。
 
2022 WM7 (2022年11月27日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)11月28日 11:16
 (地球)11月28日 11:24
接近日時 誤差
(月)±1 分未満
(地球)±1 分未満
接近距離 (月)0.75 LD
(地球)0.20 LD
推定直径
3 ~ 6 m
対地球相対速度
11.6 km/s ≅ 4万2000 km/h
初観測から地球接近まで2 日
次の地球接近
公転周期1404 日 ≅ 3.84 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2022年11月27日日曜日

キジが「ひぇぇぇ!!」と鳴く

 
キジ(雉)と地震の関係についての話題です。
 
「『ひぇぇぇ!!ひぇぇぇ!!』という普段の『けーん、けーん!!』という鳴き声とは明らかに違う鳴き声がしました。その数秒後、携帯電話の地震速報が鳴り、やや大きい地震が来ました」: 
 
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小惑星 2022 WO6 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2022 WO6〟が 11月22日から23日にかけて月と地球の近くを通過していたことが、11月26日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2022 WO6 (2022年11月26日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)11月22日 18:55
 (地球)11月23日 09:07
接近日時 誤差
(月)±3 分
(地球)±2 分
接近距離 (月)1.24 LD
(地球)0.83 LD
推定直径
4 ~ 10 m
対地球相対速度
7.4 km/s ≅ 2万7000 km/h
初観測から地球接近まで−2 日
次の地球接近2023年4月9日
公転周期277 日 ≅ 0.76 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2022年11月26日土曜日

遠州灘で深発地震、異常震域

 
11月25日16時05分ごろ、遠州灘(震央地図)で M4.8、震源の深さ 330km、最大震度 1 の深発地震がありました(速報値は M4.2、震源の深さ 320km でした)。
 
この地震では、震源に近い三重県、愛知県、静岡県では無感で、震源から遠く離れた福島県茨城県、栃木県、千葉県で震度 1 の揺れが記録されました(震度分布図)。沈み込んでいる海洋プレートのスラブに沿って揺れが遠方の地域に伝わる「異常震域」と呼ばれる現象です。
 
(図は防災科学技術研究所「AQUAシステム メカニズム解カタログ」より)
 
 
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新たな震源域か — 能登半島群発地震

 
「11月18日以降、これまで地震活動がみられなかった珠洲市南東部の富山湾周辺で一時的に地震が相次ぎ、19日には震度3を観測しました[注]。また震源の深さもこれまで10キロ以下だったのに対し、5キロ前後と浅くなっています」: 
 
 [注]11月19日23時34分ごろ M2.5、深さ 6km、最大震度 3(震央地図、速報値は M2.8、深さ 10km でした)

2022年11月25日金曜日

火星探査車パーシビアランスの着陸地点選定は誤りだった?

 
火星探査車パーシビアランスは、2021年2月にジェゼロ・クレーターに着陸して探査活動を続けています。このクレーターが着陸地点に選ばれたのは、そこにかつて湖があり、その水中に生命が存在した可能性があるからでした。ところが、これまでに調査された地点には、通常、水のある環境では変質してしまう鉱物が残っており、長期間にわたって液体の水を湛えた湖が存在していたことを示す痕跡が見つかっていないようです:

上掲の記事からの抜粋です ——

火星のジェゼロ・クレーターに探査車パーシビアランスが着陸したのは、同クレーターにかつて湖があったという広範な証拠、つまり、かつて火星の生命体が生息していたかもしれない液体の水の存在が主な理由である。そして着陸は成功し、近くの高地からクレーターに流れ込む川の三角州と思われる構造物の端に探査車は到達した。

しかし、本日発表された 3つの論文に掲載された探査車からの最初の 1年間のデータの要約は、パーシビアランスが水の楽園の証拠にまだ遭遇していないことを示唆している。その代わりに、すべての兆候は、探査車が調査したエリアでは浸水の程度が限定的で、水は凍結状態に近い状態であった可能性が高いことを示している。このことは、湖の堆積物が今後発見される可能性を否定するものではないが、「クレーターの中の湖」という言葉が示唆するほどには、生命にとって歓迎すべき環境ではなかったかもしれないのである。

重要な発見は、カンラン石と呼ばれる鉱物を豊富に含むおそらくは火山性の地層からもたらされた。地球上では、カンラン石は液体の水があると溶解したり変質したりするため、地殻の深い部分に限定される傾向がある。そして、それが火星でも起こっているという証拠がいくつかある。 これらの岩石に見られるカンラン石鉱物の約 4分の1 から半分が、水に触れることによって変質したようである。

しかし、それは半分以上がそうではないことを意味する。つまり、この岩石が水にさらされた時間は短いか、あるいは、水が氷点に近いような非常に冷たい環境であった可能性が高いことを意味している。

岩石中の他の堆積物は、その歴史の後半に冷たく高濃度の塩水によって残されたようである。このような塩水はすでに塩分で飽和しているため、カンラン石を溶かすことはできない。しかし、塩水は岩石の隙間に小さな硫酸塩の沈殿物を残した。また、過塩素酸塩のようなものもある。これは、その後の塩水によって残されたか、または風によって堆積し、大気中の水分を十分に吸収して岩石に溶け込んだ可能性がある。

 

サン・アンドレアス断層とハイウェイ25号線の20年

 
サン・アンドレアス断層とハイウェイ25号線が交差する地点(地図)の変化を 20年間にわたって撮り続けた写真集です。この地点では年間数 cm の速度で横ずれが続いています。ずれの速度は一定ではなく、速くなったり遅くなったりしているようです:
 

小惑星 2022 WR4 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2022 WR4〟が 11月22日に月と地球の近くを通過していたことが、11月24日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2022 WR4 (2022年11月24日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)11月22日 09:00
 (地球)11月22日 11:52
接近日時 誤差
(月)±2 分
(地球)±2 分
接近距離 (月)1.62 LD
(地球)0.69 LD
推定直径
3 ~ 6 m
対地球相対速度
8.4 km/s ≅ 3万 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2033年12月31日ごろ
公転周期809 日 ≅ 2.22 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2022年11月24日木曜日

ニュートン力学や暗黒物質を否定する観測結果

 
10月26日に『王立天文学会月報』(Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)に掲載された研究結果が、修正ニュートン力学(Modified Newston dynamics、MOND)を支持し、暗黒物質の存在を否定しています:

いくつかの近隣の星団における星の不均等な分布は、MOND の証拠を提供する可能性がある。MOND は、ニュートンに異議を唱え、暗黒物質の存在を否定する重力理論である。
 
天の川銀河系の星団を観測している天文学者が、ニュートンの重力法則に異議を唱え、宇宙に対する我々の理解を覆す可能性がある証拠を発見した。この不可解な発見は、暗黒物質の存在を完全に否定するという論争の的となる考えを支持する可能性がある。

研究者たちは、大きな銀河の中にある数百個までの星が緩く結合した星団を観測して、この証拠を発見した。散開星団は、その前後に「潮汐の尾」(tidal tail)と呼ばれる星の流れをともなっている。そのような星団では、宇宙空間を進む方向に存在する星の方が後方の星よりもはるかに多いことが研究者たちの観測から明らかになった。このことは、ニュートンの万有引力の法則に疑問を投げかけるものである。同法則では、前方と後方の「潮汐の尾」には同じ数の星が存在するはずだされる。

ヒアデス星団では、前方の「潮汐の尾」にある星の数が後方にある星より著しく多い。MOND を用いたコンピューター・シミュレーションでも、同様の図式が浮かび上がってくる。
 
MOND は多くの科学者に広く受け入れられていないため、今回の研究結果には賛否両論がある。
 

参考

2022年11月23日水曜日

ソロモン諸島で M7.0

 
11月22日11時03分ごろ、南太平洋のソロモン諸島で M7.0、震源の深さ 14km の地震が発生しました(震央地図)。報道が少ないのですが、現地では建物の損傷や停電が発生した模様です。ニュー・ヘブリデス海溝で発生した正断層型の地震とみられています。
 
以下は米国地質調査所(USGS)の試料にある "Tectonic Summary" からの抜粋です:

2022年11月22日に発生したソロモン諸島の地震は、オーストラリア・プレートと太平洋プレートの収束境界付近の浅いところで正断層が動いたことによって発生した。発震機構解は、走向が西で傾斜角の大きい正断層か、走向が北東で傾斜角の小さい斜交正断層と右横ずれ断層で破壊が起こったことを示している。地震発生地点では、太平洋プレートに対してオーストラリア・プレートが年速約 97mm で東北東に移動し、ソロモン海溝[注]から沈み込んでいる。

一般に、地震は地図上では点として描かれることが多いが、今回の規模のような地震では、より大きな断層面での滑りとして表現するのが適切である。今回の地震のような規模の正断層は、通常、約40km×20km(長さ×幅)である。

[注]ソロモン諸島の南岸沿いに概ね東西に伸びるソロモン海溝は、ウッドラック海嶺との三重会合点より西のニュー・ブリテン海溝と、東のニュー・ヘブリデス海溝に分けられます。
 
 
 

近畿圏中心領域大型地震 (続報-279)

 
 八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 11月22日15:00 付けで更新情報を出しています。前回の更新情報で 11月9日に終息したと報告された PBF変動が再出現、再々出現しています:
 
12/12 以前に発生の可能性は否定 前兆変動出現形態再考 以下の可能性を検討中
  1.  PBF 数日で終息し、11/28± 極大で再出現・特異 11/28± 終息の場合 → 12/15 ±3 発生
  2.  PBF 11/30 まで継続し終息・特異継続し 12/9± 終息の場合 → 12/30 ±3 発生
  3.  他
 
 [注] PBF変動(Periodic Baseline Fluctuation anomaly)= 周期的な基線のうねり変動で、典型的な地震前兆波形。
 
 
推定日12月15日±3日 または 12月30日±3日
(PBFと特異変動の終息時期を確認して修正予定)
推定時間帯 09:00±3時間 または 18:00±3時間
推定震央領域 続報 No.344」所載の図2太線内
斜線の領域は火山近傍参考推定領域
推定規模 M8.0 ± 0.3
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 
No.1778前兆群は、2008年7月初旬に出現し始めた前兆です。継続期間は14年を越えました。串田氏の観測歴上で最長の継続期間で、ピーク時期には30の観測装置に前兆変動が出現しました。
 
 No.1778前兆については、串田氏が自身の著書にて言及したため、その後の経過を一般公開しているものです。No.1778前兆以外の地震予測については、「地震前兆検知公開実験」の参加者にのみメールまたは Fax で配信されています。
 
串田氏の地震予測手法と実績については以下をご覧下さい:
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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