2017年8月16日水曜日

グリーンランド炎上


ESA(欧州宇宙機関)の Sentinel(歩哨、見張り)衛星が8月8日に撮影したグリーンランドの大規模な原野火災です:

以下は画像に付けられた説明の要旨です:
  • 7月末から、グリーンランドが大規模な原野火災に襲われている。

  • グリーンランド西部で発生しているこの火災は、ピートランド火災(peatland fire)とみられる。

  • グリーンランドはほぼ完全に厚い氷床に覆われているが、海岸沿いには炭素成分に富むピートランド(泥炭地)が分布している。

  • 永久凍土層が(温暖化によって)溶け、ピート(泥炭)が(露出して)着火しやすくなっているために火災が発生したと懸念されている。

  • ピート(泥炭)は燃料としても使われるほど燃えやすいため、今回の火災はしばらく鎮火しないとみられている。

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2017年8月14日月曜日

小型飛行機墜落と Hi-net 連続波形


8月14日昼過ぎ、奈良県山添村助命(ぜみょう、地図)付近の山中に小型飛行機が墜落し、2人が死亡しました。この事故についてNHKは、「午後0時15分ごろ、ブーンというエンジンのような音がして、直後にドスンという音が聞こえました。いままでに経験したことのないような揺れを感じました」という近隣住民の証言を伝えています:

山添村には Hi-net の観測点があります。近隣住民が揺れを感じたと話していることから、Hi-net の連続波形を調べてみたところ、0時16分48秒付近に小さな揺れが記録されていました。墜落したのはこの時刻だと思われます:

2017年8月13日日曜日

イエローストーンの地殻変動


米国地質調査所(USGS)の火山部門が、過去約2年間のイエローストーンの地殻変動を示す図(拡大図)を8月8日付でフェースブックで公開しています:

以下は図に添えられた文章の要旨です:
  • InSAR(Interferometric Synthetic Aperture Radar、干渉合成開口レーダー)画像に現れている色の付いたリングは、レーダー衛星に対する地面の高度の変化を示している。

  • 画像は、2015年6月と2017年7月のレーダー衛星のデータを比較することによって作成。

  • 射撃の標的のように見える隆起(7cm)の中心はノリス間欠泉盆地(Norris Geyser Basin)にある。

  • イエローストーン・カルデラの内部には3cmの沈降領域が広がっている。

  • 現在進行中の「2017年夏の群発地震」はノリス隆起から西へ20~30kmの場所で起きている。

  • 隆起と沈降の原因は、地表から5~15kmの深さで起きているマグマの増減や、それに関連するガスや水の増減である、と解釈される。

  • 隆起や沈降のサイクルは通常見られる現象で、群発地震とも関係しているとみられる。すなわち、群発地震は隆起によって生じた圧力を解放し、それによって、隆起していた地域は沈降する期間に戻る。

  • 2年間の地殻変動の速度はイエローストーンGPSネットワークのデータを使用した。

  • インターフェログラム(interferogram、干渉合成開口レーダー画像)の作成には、欧州宇宙機関(European Space Agency)のセンティネル 1a(Sentinel 1a)衛星のデータを使用した。

  • 図中で、道路は黄色、断層は黒の細線で示されている。

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2017年8月11日金曜日

焼岳で空振をともなう地震6回 (続報-2)


本日(8月11日)実施された焼岳(地図)の現地調査の結果が発表されています。「昨日(10日)噴気が確認された火口及びその周辺で、噴気は確認されませんでした。また、火口及びその周辺では、明瞭な地熱域、地形の変化や噴出物も確認されませんでした」、「これまで明瞭な噴気活動のなかった場所で噴気が観測されたことから、引き続き火山活動の推移を注視しています」:

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リュウグウノツカイ2匹漂着 ― フィリピン・レイテ島


8月9日、フィリピンのレイテ島南部 Saint Bernard(地図)の海岸に2匹のリュウグウノツカイが漂着しているのが見つかりました。体長4.4m、重さ50kgの個体と、体長3.7m、重さ20kgの個体です:

以下は記事の要旨です:
  • リュウグウノツカイは通常、水深1000m付近で見つかる。水深200mよりも浅いところで見つかるのは稀である。

  • 2011年の東北地震と津波の前には、およそ20匹の深海魚の漂着が見つかっている。

  • 魚類が地震活動に敏感であるという考えを支持する直接的な科学的証拠はないが、科学それ自身が地震を予知する手段を持っていないことを思い起こすべきである。

  • 深海魚の生息する場所が海底の断層に近いという事実は、古くからの日本の伝説に合理的根拠を示唆する。

  • 英国ケンブリッジにある Anglia Ruskin University の動物学講師 Rachel Grant 氏は、深海魚と地震の関係について検証する研究を始めている。

    • 「理論的にはありうることです。なぜなら、地震が起こる前には岩石中に圧力が蓄積され(build-up of pressure in the rocks)、それによって静電荷が発生、帯電したイオンが水中に放出されるからです。」

    • 「水中に放出されたイオンによって毒性のある化合物である過酸化水素が形成されます。また、帯電したイオンは有機物を酸化するので、魚を死に至らしめたり、深海の生息場所から逃れて海面まで浮上させることにもなります。」

    • もう一つの可能性として Grant 氏が指摘するのは、地震の前に大量の一酸化炭素ガスが放出され、リュウグウノツカイに影響を与えている可能性だ。

  • Grant 氏は、過去2年半の間に起きた数百件のリュウグウノツカイの目撃についてデータベースを構築した。これによって、リュウグウノツカイの目撃と、目撃場所から半径500マイル(約800km)の範囲内で米国地質調査所(USGS)によって報告されている地震との間に関係があるかを検証することができる。

    • 「リュウグウノツカイの目撃後に必ず地震が発生しているわけではないことは明らかです。そうではなく、地震の前にリュウグウノツカイを目撃する確率が上昇しているかどうかを確かめようとしているのです。」

    • 「(リュウグウノツカイの目撃は)地震活動が原因であるかもしれないし、地震とは関係のない要因、たとえば軍の潜水艦などによる水中活動によって生じたインフラサウンド(可聴下音、人間の耳には聞こえない約20Hz以下の周波数の音)や海水の汚染などが原因であるかもしれません。」

記事中では、リュウグウノツカイ(英語名  oarfish)が日本語ではどう呼ばれているか説明しています ―― "The Messenger from the Sea God’s Palace"。英語名の方は、船を漕ぐオール(oar)に体形が似ていることに由来しています。


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大形の小惑星 Florence が地球接近


NASAの地球近傍天体研究センター(CNEOS)の発表です。推定直径4.0~9.0kmの小惑星〝3122 Florence〟が、9月1日に地球に700万kmまで接近します:

小惑星 推定直径
km
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
3122 Florence
(1981 ET3)
4.0~9.0 9月1日 21:06
±00:01
18.38
(1LD=地球から月までの平均距離) 

以下は上記発表の要旨です:
  • 小惑星 Florence が8月末に地球に近づき、9月1日に地球のそばを通過する。

  • 最接近時の地球との距離は700万km、地球から月までの距離の約18倍。

  • 多くの小惑星がこの距離よりも地球に近いところを通過するが、それら全ては小さな小惑星である。

  • 1世紀以上前に最初の地球近傍小惑星が見つかって以来、 この距離まで近づく小惑星としては Florence が最大である。

  • Florence の直径はおおよそ4.3kmと推定されている(CNEOS のデータベースには 4.0~9.0km と記載)。

  • 明るさの変化の観測から、2時間20分ほどの周期で自転しているとみられる。

  • 8月末から9月初めにかけて、9等級の光度に達すると予測されており、小口径の望遠鏡でも容易に観測できるとみられる。

  • 小惑星 Florence は1981年に発見され、近代看護の基礎を築いた Florence Nightingale(1820-1910)に敬意を表して名づけられた。

  • Florence の追跡観測は40年近くにわたって続けられており、その軌道は精確に知られている。軌道計算によれば、今後多くの世紀にわたって Florence が地球に衝突するリスクはない。

Florence はアモール群に属する小惑星です。同群で有名な小惑星としては〝433 Eros〟があります。探査機が周回・着陸した最初の小惑星です。


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2017年8月10日木曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-172)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が 8月10日16:30 付けで更新情報を出しています ―― これまで観測されていた火山活動前兆と、8月9日から10日にかけて焼岳で発生した空振をともなう地震や噴気との関連について述べています:

▼ 火山前兆と焼岳の火山活動について
  • 7月、全観測点(八ヶ岳、秋田、高知)にN型火山前兆が同期して出現(N型火山前兆の波形については更新情報の右上の図を参照してください)。7月11日は顕著、7月12日と13日は微小、7月14日は再び顕著。(7月12日に「地震前兆検知公開実験」参加者限定の観測情報で配信)

    • N型火山前兆が複数日にわたって顕著に出現した場合は、微小噴火、水蒸気噴火も含めて火山活動が噴火に至る過去例がある。

    • 7月に観測されたN型火山前兆は、過去の噴火に至ったN型火山前兆と比べると変動値が弱いが、複数日にわたって出現していることから噴火に至る可能性も否定できないことを配信。

  • 顕著なN型火山前兆のほかに、火山活動と相関のある弱いL型前兆が6月9日から断続的に出現。

    • L型、N型を総合して、6月9日初現・7月11日極大として火山関連活動によく見られる経験則 [初現~極大]:[極大~活動開始]=1:1 を適用すると 8月12日±4日が算出される。

  • 本日(8月10日)気象庁から、8月10日の午前00時少し前(8月9日23時50分)から午前2時ごろにかけ、推定領域内火山である長野県と岐阜県境界の焼岳で、空振をともなう地震が6回観測され、山頂から西側約400mの山腹から噴気が約100m程まで上がる状態が観測された、との発表があった。

  • センターチューニング法によるFM電波の観測では、火山前兆についてはある程度の広がりを持った領域を推定することが可能だが、火山を個別に識別できるわけではない。

  • 7月に観測された火山前兆は、推定火山領域がNo.1778前兆の推定領域内であることから、(1)No.1778前兆に対応する地震が火山近傍で発生する可能性や、(2)地震活動に関連して火山活動が活発化する、などの可能性を検討した。しかし、(3)たまたまNo.1778前兆の第24ステージ中に火山前兆が出現しただけの可能性もあり、No.1778前兆に対応する地震に関連した火山前兆であるとは断定できない。

  • 観測された火山前兆からはもう少し大きな火山活動の可能性も考えられるが、火山前兆については地震前兆のような経験則が未だ明確ではないので、なんとも言えない。

  • 今回の空振をともなう地震と噴気だけが火山前兆に対応する活動である可能性もあるが、8月16日± または 8月23日± に噴火活動に至る可能性も完全には否定できない。8月7日にL型前兆が出現していることから、本格的な火山活動はまだ先である可能性も否定困難。8月26日ごろまでにさらに活発な活動がない場合には、今回の活動が火山前兆に対応する活動と認識できる。

  • 火山前兆が焼岳火山活動の活発化に対応しているものであるならば、No.1778前兆に対応する地震の推定領域について、御嶽山・乗鞍岳・焼岳領域周辺が考えやすいという可能性は低くなる。その一方で、No.1778前兆には火山近傍を示す前兆も含まれているので、御嶽山・乗鞍岳・焼岳領域と白山領域での可能性はまだ否定できない。

  • 8月7日の弱いL型前兆以降、火山前兆は出現していない。

▼ No.1778前兆の現状
  • 前回の更新情報で述べた可能性のうち、9月22日± に地震発生となる可能性が考えやすい状況で推移中。

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焼岳で空振をともなう地震6回 (続報)


監視カメラが捉えた噴気の画像が掲載されています。「普段では噴気がみられない、山頂西側 400 メートル付近の山腹において白色の噴気を観測しました」:

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焼岳で空振をともなう地震6回


長野県と岐阜県にまたがる北アルプスの焼岳地図)で、8月9日23時50分ごろから10日2時ごろにかけて、空振を伴う地震を6回観測。同時間帯に山頂の西側約400m付近の山腹から噴気が約100mまで上がっているのが確認されました:

この時期、観光客で賑わう上高地は、焼岳火山群の噴火によって梓川がせき止められて形成された堆積平野です。

焼岳の最後の噴火は1962年から63年にかけて発生した中規模水蒸気噴火で、泥流が発生しています。また、1995年には焼岳山頂の南東約3kmの道路工事現場で水蒸気爆発が発生し、火山ガスを含む水蒸気と泥流が噴出して4人が死亡しています。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏は、「近畿圏中心領域大型地震」の予測の中で、火山噴火の前兆も観測されていることから、震源は御嶽山・乗鞍岳・焼岳領域に近い可能性があると指摘しています:

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2017年8月9日水曜日

えびの高原硫黄山で植物が枯死・変色


気象庁が8月8日に発表した「霧島山の火山活動解説資料(平成29年7月)」(PDF形式)によると、えびの高原硫黄山(地図)火口の北東側で植物の枯死や草木が変色していることが7月27日の現地調査によって確認されました。地熱によるものではなく、硫黄山から流下した火山ガスによる影響と考えられています。

また、噴気の高さはこれまで概ね稜線上 100m以下で経過していものが、7月中旬以降は稜線上 300m以上に上がるようになっているとのこと。

4月25日に始まった硫黄山付近が隆起する傾斜変動は継続中で、地下の局所的な膨張によって生じていると考えられています。


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