2014年11月30日日曜日

住宅地にトド ― 北海道・斜里町 (続報)


11月24日に北海道・斜里町で起きたトド騒動ですが、以下は知床自然センターのブログ記事です:

以下は、トドが海に帰って行くまでを収めた動画です。4分25秒目付近から、泳ぎ去るトドに大きく手を振る一人の警察官。何となく和む映像です。こういう警察官が近所の交番にいたら、警察がぐっと身近に感じられそうです。彼は何を思って手を振っていたのでしょうか。立場上、「また、来いよ~」はないでしょうから、「もう戻ってくるなよ~」か。ひょっとして、「困ったことあったら、おまわりさん、いつでも相談に乗るからな~」だったりして:

このブログには記載していませんでしたが、11月3日には千葉県山武市(地図)の海岸にトドが現れています。斜里町の件も合わせて、トドの生息地に何か異変があったのでしょうか:

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小惑星 2014 WC201 が地球接近


12月2日午後1時51分(日本時間)、小惑星〝2014 WC201〟が地球に 1.43LD*まで接近します。

この小惑星は11月22日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は比較的大きく、16~37m と推定されています(NASA/JPLは 21m と推定)。

最接近時の地球との相対速度は、秒速11.42km(時速約4万1000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2014 WC201 16~37 12月2日 13:51 1.43

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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2014年11月28日金曜日

ザトウクジラ漂着 ― 茨城県鹿嶋市


11月27日、茨城県鹿嶋市下津の海水浴場(地図)に、ザトウクジラの死骸が漂着しているのが見つかりました。腐乱のないほぼ完全な(つまり死んで間もない)個体で、体長約12m。「体長1、2メートルのゴンドウクジラは年に数回打ち上げられることがあるが、大型のザトウクジラは極めて珍しい」(鹿嶋市環境課):

茨城県鹿嶋市の海岸では、東北地方太平洋沖地震の1週間前に、52頭のイルカが集団座礁しています:

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白いハナゴンドウ捕獲 ― 和歌山県太地町


11月23日、和歌山県太地町(地図)で、白いハナゴンドウ(ハクジラ亜目マイルカ科)が捕獲されていたことが分かりました。「同町では10か月前にもアルビノのイルカが捕獲されていた」:

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2014年11月27日木曜日

阿蘇山の噴火は「マグマ噴火」


11月21日付「阿蘇山で地殻変動」の続報です。

福岡管区気象台が27日16時30分に発表した「阿蘇山の火山活動解説資料」(PDF形式)によると、現在継続中の阿蘇山(地図)の噴火はマグマ噴火であるとのことです。以下は、上記資料からの抜粋です:
本日実施した現地調査では、中岳第一火口周辺にスコリアが飛散していたことから、この噴火はマグマ噴火であると考えられます。

今後も噴火が繰り返し発生する可能性があります。

GNSS連続観測では、古坊中-長陽の基線にわずかな伸びの傾向が認められます。また、傾斜計では引き続き火口上がりの変動を観測しています。

スコリアは「マグマ由来の多孔質の黒い噴出物」です。


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住宅地にトド ― 北海道・斜里町


11月24日、北海道・斜里町の住宅街に体重約150kgのトドが現れました。現場は、JR知床斜里駅(地図)から約400m、海岸から約300m。捕獲され、海に戻されました。

「夜明けごろに漁港のそばで釣り人が見かけていて、街の中をうろうろしていたようだ」、「この時期はトドが北海道に南下してくるが、日本海側が中心。オホーツク海に面した斜里町では2009年1月に海岸で目撃されたぐらい」:

このトドは、好奇心が旺盛で人間の町を探検してみたかったのか、何らかの理由で方向感覚が狂ったのか、それとも、もともと方向音痴だった?


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ダイオウイカ捕獲 ― 福井県若狭町


11月24日、福井県若狭町常神半島沖の御神島(地図)近くで、深海に棲息するダイオウイカが捕獲されました。全長約7.6mで、捕獲時には生きていました。「常神で捕れたのは初めて聞いた。海の気象が異常なのか心配」、「地元の80歳の漁師も初めて見たと話していた」:

読売新聞は「定置網にかかっていた」としているのに対して、中日新聞は「定置網漁から常神漁港へ船で帰る途中、生きたダイオウイカが海面を漂うのを見つけた」と伝えています。


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2014年11月26日水曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-40)


10月22日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-39)」の続報です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が更新情報を11月25日付で出しています:

「近畿圏中心領域大型地震」についての要旨は以下のとおりです:
  • 現在も2台の観測装置で前兆が継続している(最盛期には30台以上の観測装置に前兆が現れていた)。しかし、前兆レベルはかなり小さくなっている。

  • 現時点で前兆が終息していないことから、2015年4月初旬以前に対応地震が発生する可能性は否定できる

今回の更新情報には、長野県北部地震の情報も「参考」として記載されています。要旨は以下のとおり:
八ヶ岳南麓天文台
「No.1778 長期継続特殊前兆」
続報 N0.076 より
  • 11月2日から7日に前兆が出現。極大は11月3日。前兆レベルはM5地震の約10倍。

  • 11月19日±3日に「相当顕著な規模の極浅地殻地震」が発生すると予測していた。

  • 推定震央領域は図の楕円の範囲(黒丸は実際の震央)。

  • 火山帯近傍での極めて震源が浅い地震特有の前兆波形で、以下の前兆と同じタイプ:

    • 14年7月8日 北海道胆振東部 M5.6 震度5強 (樽前山の西南西10数km)
    • 14年9月3日 栃木県北部 M5.1 震度5強 (日光白根山の北東20km弱)

  • 今回の震源近傍にも、飯綱山、黒姫山、妙高山、新潟焼山などの火山がある。

一方、東京大学のゲラー教授は今朝のTBSの番組に対してお怒りです:

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2014年11月25日火曜日

残るは大阪・京都 ― ひずみ集中帯の地震


新潟-神戸ひずみ集中帯 (Wikipedia より)

11月22日に長野県北部で発生した地震は「新潟-神戸ひずみ集中帯」で発生したとされています:

ウィキペディアには、この「新潟-神戸ひずみ集中帯」で16世紀以降に発生した主な地震が、今回の長野県北部の地震も含めて表にまとめられています。「この集中帯域では、M6.0 - M7 以上の歴史的な地震が多く発生している」:

そして、表の最後に「この表からは、大阪・京都付近では長期間被害地震が発生していない事が読み取れる」と書かれています。八ヶ岳南麓天文台の串田氏が予報している「近畿圏中心領域大型地震」との関連が大いに気になるところです:

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断層が蛇行 ― 長野県北部地震


11月22日に長野県北部で発生した地震は最大震度6弱を記録しましたが、この地震によって現れた地表のズレが複雑に蛇行していることが分かりました()。

「地表のずれがこれほど現れたのも、蛇行しているのが確認できたのも国内では珍しい」、「活断層は地下深くでは直線でも、地表付近では軟らかい地盤の影響を受け、地表のずれが今回のように蛇行して現れることがある」(信州大学教授):

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2014年11月22日土曜日

御嶽山で火山性微動が再発


御嶽山(地図)では10月6日を最後に火山性微動の発生が途絶えていましたが、11月21日から22日にかけて3回の火山性微動が発生しました。発生時刻は、21日03:07ごろ、同16:12ごろ、22日14:55ごろです:

気象庁長官は20日(火山性微動が再発する前)の定例記者会見で、御嶽山の噴火警戒レベルを年内に引き下げるのは困難との見解を示しています。「活動はまだ収まっていないというのが大方の見方」、「(静穏な状態が)どれくらい続けば大丈夫なのかの根拠はない。慎重に長期間、様子を見ていかざるを得ない」:

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ダイオウイカ捕獲 ― 島根県・隠岐島


島根県・隠岐島(地図)の東の海域で旋網(まきあみ)にダイオウイカが入り、11月20日に鳥取県境港市(地図)の漁港に持ち込まれました。全長3.6m超、胴回り1.3m。「西日本有数の漁業基地境港でも珍しいダイオウイカの水揚げ」:

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2014年11月21日金曜日

阿蘇山で地殻変動


阿蘇山は(地図)小規模な噴火をおこすなど、活発な状態が続き、火映現象や火炎も観測されています。その一方で、地殻変動については、これまで「GNSS連続観測や傾斜計では、特段の変化は認められません」という状態が続いていました。

しかし、気象庁が11月21日に発表した「平成26年 No.47 週間火山概況 (平成26年11月14日~11月20日)」では一転して、「GNSS連続観測では一部の基線にわずかな伸びの傾向が認められます。傾斜計では、特段の変化は認め られません」という記述に変わりました。

伸びの傾向が現れたのは「古坊中-長陽」間の基線です。以下の地図で、赤色の線で示されています:

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彗星に触れた音


ロゼッタ探査機から67P/チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星に舞い降りたフィラエ着陸機が、最初に彗星に着地したときの音をESA(欧州宇宙機関)が公開しています。フィラエの脚に取り付けたセンサーが記録したものだそうです。一瞬のあっけない音です:

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蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-19)


10月17日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-18)」の続報です。

11月18日から19日にかけて、蔵王山(地図)で火山性微動が4回発生しました。その内の1つは規模が大きく、同時に地殻変動も観測されました:
  1. 火山名 蔵王山 火山の状況に関する解説情報 第2号(平成26年11月20日10時00分  仙台管区気象台)
  2. 蔵王山の火山活動解説資料(平成26年11月20日17時30分) (PDF形式)

以下は、上の(2)からの抜粋です:
11月18日から19日にかけて、火山性微動が4回発生しました。このうち、19日21時49分頃に発生した微動(継続時間約7分30秒、最大振幅4.3μm/s[坊平観測点])は、2013年1月以降発生している微動と比較して、規模が大きなものでした。また、18日15時13分頃に発生した微動は、周期の長い波形が含まれていました。

坊平観測点(山頂の南西約5km)の傾斜計では、19日21時49分頃の火山性微動の直前にわずかな南東(山頂の南側)上がりに変化し、発生直後に南東下がりの変化がみられました。

以下の表は、昨年1月22日に蔵王山で観測開始以来初めてとなる火山性微動が発生してからの推移をまとめたものです。じわじわと火山活動のレベルが上がってきているようです。最初の兆候が現れてから噴火に至るまでの時間が長いほど、ひとたび噴火が始まったときには大噴火となるケースが多いように思います。蔵王山は、2011年に起きた東北地方太平洋沖地震の震源域に最も近い火山の1つですので、その面からも大噴火の可能性が懸念されます:

月日 事象
2013年
1月22日
火山性微動、観測開始(2010年9月1日)以来はじめて
1月27日 火山性微動
4月5日 低周波地震が一時的に連続して発生
4月5日
~11日
東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化
4月7日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 3分20秒)
4月9日 火山性微動(継続時間 4分20秒)
4月21日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 5分40秒)、低周波地震が一時的に連続して発生
6月4日 火山性微動(継続時間 2分20秒)
7月17日 火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月18日 坊平観測点と東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月31日 火山性微動(継続時間 5分40秒)
10月19日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 16分57秒)
10月23日 火山性微動(継続時間 1分30秒)、直後に計測基準未満の火山性微動も。その後、23日05時ごろから24日08時ごろにかけて火山性地震がやや多い状況
11月1日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 2分30秒)。火山性微動の発生後に微小な火山性地震。10月下旬以降、火山性地震がやや多い状況。
12月4日 火山性微動(継続時間 3分40秒)。微動発生前後に低周波地震が4回発生。火山性地震もやや増加。
12月8日 坊平観測点および蔵王観測点で傾斜変動、直後に火山性微動(継続時間 8分)。火山性地震はやや増加した状態で推移。
2014年
1月3日
火山性微動(継続時間 1分)。微動発生後に火山性地震が4回発生。
8月6日 火山性微動(継続時間 8分)。微動発生後、御釜直下付近の浅いところを推定震源とする火山性地震がやや多い状況。全て低周波地震。7日にかけて55回発生、8日になって減少傾向。火山性微動発生の前から傾斜計に南東(山頂の南側)上がりの変化、9日13時ごろに終息。
8月8日 火山性微動(継続時間 短い)
8月10日 火山性微動(継続時間 短い)
9月4日 火山性微動(継続時間 短い)
9月30日 火山性微動(継続時間 4分)。微動発生に先行して南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動。微動発生後の30日19時ごろから10月1日17時ごろにかけても、南東上がりの傾斜変動。10月1日6時ごろから2日14時ごろにかけて火山性地震が9回発生し、一時的にやや多い状況。
10月5日 火山性微動(継続時間 短い)
10月8日 火口湖「御釜」が一時的に白濁
10月9日 火山性微動(継続時間 短い)
10月10日 火山性微動が2回発生(いずれも継続時間短い)
10月19日 火口湖「御釜」が一時的に白濁
11月18日 火山性微動(継続時間4分超、周期の長い成分を含む)
11月19日 火山性微動が3回発生(継続時間約7分30秒、1分30秒超、1分超)、1番目の微動は、これまでと比べて規模が大きく、南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動が先行、微動発生直後に南東下がりの変動。


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2014年11月19日水曜日

遠い地平線、多様な表面


人類が送り込んだ探査機が着陸した天体の表面画像を集めたポスター〝Distant Horizons - Different Surfaces〟に、ロゼッタ探査機から放たれたフィラエ着陸機が撮影したチュリュモフ-ゲラシメンコ彗星が加えられました:

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2014年11月18日火曜日

ネコのトイレで地震予知?


通信機能を持ったネコのトイレ兼体重計〝Tailio〟。ネコの行動や体調を長期にわたってクラウド・ストレージに保存し、スマートフォンで管理することができるので、ネコが地震の前に異常な行動をするのであれば、地震予知にも使えるかも?と期待されています:

Tailio の開発者は、カリフォルニア州南部の断層沿いの地域でネコの行動を監視することを目的とした助成金を、全米科学財団(National Science Foundation)から与えられているとのことです。

Tailio の値段は100ドルほどで、2015年4月に発売を予定しているとのことです。

知り合いに、前立腺?の病気で医師から排尿の記録(時刻、回数、尿の量など)をつけるように言われている人がいます。すごく面倒だそうです。Tailio の人間用があれば便利かも知れませんね。


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ダケカンバ黄葉せず ― 北海道・知床半島


知床半島(地図)などで、カバノキ科の落葉広葉樹・ダケカンバの葉が黄葉せずに枯れたり落下したりする異変が、昨年から続いているとのことです。「範囲は根室海峡側に限られ、知床から続く山並みに沿って羅臼、標津、中標津の3町などに及ぶ」:

ダケカンバに異変が生じている範囲に共通するのは、北方領土の国後島(地図)に面していることです。同島には、爺爺岳、羅臼山、泊山(地図)などの活火山があります。上記記事にも「大気汚染の視点から原因を突き止めよう」としていると書かれていますが、火山ガスが影響しているのかも知れません。


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港にイルカが迷い込む ― 岡山県倉敷市


11月17日、岡山県倉敷市の水島港(地図)に、体長約1.5mのイルカが迷い込んでいるのが見つかりました。「イルカが港内に迷い込むのは今まで聞いたことがない」(岡山県水島港湾事務所):

9月中旬ごろから兵庫県の姫路市や高砂市などの沿岸に現れていたイルカと同一個体である可能性もありますが、今回のイルカはやや小さいようです。兵庫県のイルカは体長2~3mとされているのに対して、今回は体長約1.5mと伝えられています:

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2014年11月17日月曜日

大形クジラ座礁、地震発生 ― ニカラグア、コスタリカ


11月14日、中米ニカラグアの太平洋に面する ポポヨ・ビーチ(地図)に、体長18mのクジラ1頭が乗り上げました。地元住民や観光客が沖に戻そうとしましたがかなわず、クジラは死亡しました。ザトウクジラ(humpback whale)と伝えている記事がかなりありますが、全体が写っている写真を見る限りではナガスクジラ(blue whale)とする記事の方に軍配が上がります:

2日後の16日早朝、コスタリカ沖の太平洋でM5.2の地震がありました。震央は、クジラが座礁したポポヨ・ビーチからほぼ真南に110kmの地点(地図)で、震源の深さは35kmでした:

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小惑星 2014 WA が地球接近


11月17日午後7時27分(日本時間)、小惑星〝2014 WA〟が地球に 1.89LDまで接近します。

この小惑星は11月16日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は 6~14m と推定されています。

最接近時の地球との相対速度は、秒速9.40km(時速約3万4000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2014 WA 6~14 11月17日 19:27 1.89

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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2014年11月16日日曜日

Holuhraun溶岩原で噴火 ― アイスランド (続報-3)


9月19日付「Holuhraun溶岩原で噴火 ― アイスランド (続報-2)」の続報です。

8月29日に始まったHoluhraun溶岩原(地図)での割れ目噴火は、衰えることなく続いています。溶岩湖が形成され、そこから流れ出した溶岩は約70km2に広がっています。東京の山手線の内側の面積が63km2ですから、すでにそれを上まわっています。ちなみに、日本の西之島は噴火開始から1年が経過しましたが、現在の面積は1.85km2です(資料)。

ヴァトナヨークトル氷河(地図)の下に埋もれたバゥルザルブンガ・カルデラ(地図)では強い地震が続いており、11月10日にはM5.2の地震が発生しました。同カルデラの沈降も依然として続いています(この沈降量と溶岩源での溶岩流出量はほぼバランスしているとのことです):

以下は、ヘリコプターから撮影した噴火の様子です。溶岩湖の中で、大量の溶岩がたぎっている様子が分かります。2分13秒目以降の映像では、雪原に広がった溶岩原の広さを実感できます。時折、他のヘリコプターが画面に入ってくるので、それと比較して溶岩湖の大きさや溶岩源の広さの見当がつきます:

噴火によって放出された亜硫酸ガス(二酸化硫黄ガス、SO2)などによって、アイスランド各地に降る雪や雨が汚染され、酸性(pH3前後)になっています。通常、pH5.6以下を酸性雨と呼ぶのでかなり強い酸性と言えます。アイスランド南東部では、突然死んだように見えるネズミの死骸が大量に見つかっています。火山ガスを吸入したか、汚染された食物を摂取したことが原因とみられていますが、はっきりしたことは分かっていません:

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シャチの当たり年 ― 北海道釧路市沖


北海道釧路市(地図)沖で、2003年から毎年同じ時期に約20日間おこなわれているシャチなどの生態調査で、2012年に延べ25頭、2013年に延べ60頭だったシャチの確認数が、今年は延べ125頭に上ったとのことです:

今年前半には以下のような情報もありました:

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2014年11月15日土曜日

秋田駒ヶ岳で新たな噴気


10月下旬に秋田駒ヶ岳の現地調査がおこなわれましたが、南部カルデラにある女岳(地図)で新たな噴気を2本確認したとのことです。以下は、気象庁が11月11日に発表した「秋田駒ヶ岳の火山活動解説資料(平成26年10月)」(PDF形式)からの引用です:
23~24 日に実施した現地調査で、前回(2014年6月25~27日)確認された女岳南東火口内南側の地熱域には大きな変化は認められませんでしたが、前回はみられなかった高さ1mの噴気を確認しました。山頂付近で前回はみられなかった高さ 0.5~1mの噴気を確認しました。女岳山頂北部、北斜面、北東斜面などでも、前回と比較して、地中温度と噴気及び地熱域に大きな変化は認められませんでした。

秋田駒ヶ岳は、1970年から71年にかけて、中規模のマグマ噴火をおこしています。


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2014年11月14日金曜日

瀬戸内海に迷いクジラ ― 兵庫県赤穂市


11月13日、兵庫県赤穂市坂越(地図)沖の坂越湾にクジラが現れました。体長約10mで、ザトウクジラとみられています。「大型のクジラが目撃されるのは瀬戸内海では珍しい」(須磨海浜水族園):

10月下旬ごろから姫路市沖などで目撃されていたクジラと同一個体である可能性が高いとのことです:

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2014年11月13日木曜日

湾内にイルカの大群 ― 島根県隠岐島


11月10日、島根県隠岐島(地図)の湾内にイルカの大群が入り込んでいるのが見つかりました。約200頭はいたとのことです:

隠岐島にはいくつも湾がありますが、上記報道には「隠岐島の湾内」としか書かれておらず特定できません。


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史上初の彗星着陸に成功 ― ロゼッタ探査機


11月10日付「史上初の彗星着陸へ ― ロゼッタ探査機」の続報です。

すでにTV等で報道されていますが、11月13日午前1時3分(日本時間)、フィラエ着陸機が〝67P/チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星〟の表面に着陸したことを示す信号が地球に届きました。

着陸後の画像はまだ公開されていません。フィラエのカメラに何らかの障害が発生している、着陸時にバウンドして機体を固定する銛の打ち込みに失敗した、などの報道があります:
  • Farewell Philae (さよなら、フィラエ ― 分離後のフィラエをロゼッタが撮影した3枚組の画像)
  • Farewell Rosetta (さよなら、ロゼッタ ― 分離後のフィラエからロゼッタを撮影した画像)
  • ROLIS descent image (彗星に向かって降下中のフィラエから撮影した彗星。表面までの距離は約3km。解像度はピクセルあたり約3m。ROLIS は〝Rosetta Lander Imaging System〟の略)

チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星の表面重力は地球の10万分の1で、着陸時のフィラエの速度は秒速約1mです。

フィラエは着陸と同時に、機体を固定するための銛を彗星表面に打ち込みますが、このときの反動によって機体が彗星から離れてしまう恐れがあります。フィラエには反動を打ち消すための小形の噴射装置が搭載されているのですが、ロゼッタからの分離前の最終チェックで、この噴射装置に問題が見つかったとESA(欧州宇宙機関)は発表しています。現在、この噴射装置が計画どおり作動したかどうかを確認中とのことです。


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2014年11月12日水曜日

九重山で地下の温度が上昇 ― 大分県竹田市


3月14日付「九重山で地殻変動 ― 大分県竹田市」の続報です。

気象庁が11月11日に発表した「九重山の火山活動解説資料(平成26年10月)」(PDF形式)によると、九重山(地図)の地下の温度が上昇に転じたとのことです。以下は上記からの引用です:
2012 年頃までは帯磁傾向が続いていましたが、23 日に実施した全磁力観測では、硫黄山C領域の北側にある MN1 は前回(2013年11月6日)と比較して磁力の増加に、南側にある MN2、MS1、MS2、MS3 は磁力の減少となり、消磁傾向になっていました。このことは、硫黄山C領域の表面では熱異常域の面的分布は縮小していますが、地下の温度が上昇に転じたことを示唆しています。

物質は温度が上昇すると磁気を失う性質があります。火山の地下の岩石も同様です。このことを利用して地下の温度の上昇や下降を推定するのが全磁力観測です。火山の地下で、マグマの上昇などによって温度が上昇し岩石の「消磁」が起こると、地磁気との関係で、山体の北側で全磁力が増加し、反対に南側で減少します。詳しくは、以下の解説をご覧ください:

なお、昨年11月6日に実施された全磁力観測では、「帯磁傾向の鈍化から硫黄山の熱源の温度の低下の変化が少なくなってきている」とされていました。

九重山の地殻変動については、「一部の基線(上野-坊ガツル、坊ガツル-牧ノ戸峠、星生山北山腹-坊ガツル、星生山北山腹-直入A)で、わずかに伸びの傾向が認められます」となっています。九重山について観測している基線は6本です。そのうちの4本で伸びの傾向が現れているわけですから、「一部の基線」という表現は妥当ではないと思います。

前回の記事の時点では、伸びの傾向があるのは2本の基線(坊ガツル-牧ノ戸峠、星生山北山腹-坊ガツル)でしたから、新たに2本の基線(上野-坊ガツル、星生山北山腹-直入A)でも伸びの傾向が認められるようになったようです。山体膨張の範囲が広がってきたということでしょうか。


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ダイオウイカ捕獲 ― 新潟県佐渡市


ダイオウイカのシーズンがやって来たようです。11月8日、新潟県佐渡市和木(地図)沖の定置網に、ダイオウイカがかかっているのが見つかりました。全長2.6m、重さ約25kgで、「巨大深海生物」といわれるダイオウイカとしては小ぶりです。

「佐渡島では、今年1月から3月にかけてダイオウイカが7匹見つかっているが、11月に確認されるのは珍しい」、「主に太平洋の深海に生息するダイオウイカが、なぜ佐渡の海で多く見つかったのか、はっきりとした理由はわかっていない」:

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大量のイワシ漂着相次ぐ ― 北海道 (続報)


11月4日付「大量のイワシ漂着、地震発生 ― 北海道むかわ町」と6日付「大量のイワシ漂着相次ぐ ― 北海道浦河町、新ひだか町」の続報です。

以下の記事によると、むかわ町と新ひだか町の間にある日高町(地図)でも同様の現象があったとのことです。また、「1982年に発生し、浦河町で震度6の揺れを観測したM7・1の浦河沖地震の時も今回と同じような騒ぎがあった。地震の前に普段は揚がらないメヌケという高級魚が大量に水揚げされた」という浦河町の町長の発言も注目されます:

比較的浅いところを回遊するイワシと、深海性のメヌケを同列には扱えませんが、興味深い現象です。

浦河沖地震は M7.1、震源の深さ40km(震央地図)。浦河町で最大震度6(烈震)を記録しました。


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2014年11月11日火曜日

橋が崩落 ― 北海道・洞爺湖町


11月7日、北海道虻田郡洞爺湖町伏見(地図)にある町道の橋(長さ約50m、幅約8m)が崩落しているのが見つかりました。原因は不明。「2年前の点検では問題なかった。さらに橋が架けられて16年しか経っておらず ・・・」、「雨で土砂が流れるなどの現象はなく『危険箇所とはみていなかった』」(洞爺湖町):

橋の崩落が起きた場所の近くには、羊蹄山有珠山昭和新山洞爺湖(カルデラ湖)など、火山に関係する観光地があります。

ここのところ、北海道南部では、樽前山(地図)の地殻変動や樽前ガローの崩落など、「異変」が目立ちます。以下は、過去1年間にこのブログで取り上げた北海道南部に関連する記事です:

2014年11月10日月曜日

史上初の彗星着陸へ ― ロゼッタ探査機


10月14日付「異形の彗星 ― ロゼッタ探査機が撮影 (続報-7)」の続報です。

11月12日午後5時35分(日本時間)、〝67P/チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星〟を周回中のロゼッタ探査機から彗星着陸機フィラエが切り離され、13日午前0時30分ごろに同彗星の表面に着陸する予定です。ロゼッタがフィラエを切り離すのは、彗星の中心から測って約22.5kmの高度で、フィラエは約7時間かけて彗星の表面まで降下します。

当日、彗星から地球への電波の到達には28分20秒ほどかかるので、切り離しや着陸の成否を伝える信号が地球に届くのは、それぞれ12日午後6時過ぎ、13日午前1時過ぎになります。

以下は、ロゼッタがフィラエを切り離すまでの様子を描いた「カワイイ」動画です:

フィラエ着陸機が軟着陸する場所は、これまで暫定的に「サイト-J」と呼ばれていましたが、公募の結果、「アギルキア」という名前がつけられました。古代エジプトのフィラエ神殿がアスワン・ハイ・ダムの建設によって水没することになったとき、同神殿をフィラエ島からアギルキア島に移築したことに因んだ命名です。

チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星は、大小2つの塊が接合したような形をしており、ある方向から見ると子どもが水遊びで使うアヒルのおもちゃのように見えます。アギルキアは、小さい方の塊、つまりアヒルの頭のてっぺんに位置しています(写真)。

フィラエは、着陸直後に本体下から銛を発射して自身を彗星に固定します。さらに、3本の着陸脚にあるネジを彗星表面にねじ込んで固定を確実にします(BBCのサイトが掲載している説明図の「5」が銛、「3」がネジ)。彗星の表面が想定より固かったり、柔らかかったりした場合には問題が生じる可能性があります。

フィラエ自身には推進装置が搭載されていません。したがって、彗星着陸の成否は、切り離し時点でのロゼッタの位置や速度にすべてがかかっています。以下は、BBCのサイトが掲載しているフィラエの着陸ゲームで、今回の着陸の難しさを体験できます。画面下部のバーで切り離しの高度と速度を調節して、〝Launch〟(発射)ボタンをクリックしてください:

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2014年11月9日日曜日

伊豆大島で火山性地震増加 (続報)


10月31日付「伊豆大島で火山性地震増加」の続報です。

伊豆大島(地図)の火山性地震は、10月31日以降は「やや少ない状態」で推移しています(グラフ)。以下は、気象庁が11月7日に発表した「平成26年 No.45 週間火山概況 (平成26年10月31日~11月6日)」からの引用です:
10月29日から30日にかけて島の西部を震源とする火山性地震が一時的に増加しましたが、 31日以降は、やや少ない状態で経過しています。

(中略)

GNSSによる観測では、地下深部のマグマの供給によると考えられる島全体の長期的な膨張傾向が続い ていますので、今後の火山活動に注意してください。

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ミツクリザメ捕獲 ― 静岡県静岡市


11月1日、静岡県静岡市清水区(地図)沖の駿河湾で、体長1.2mのミツクリザメが捕獲されました。「捕獲した水域が浅いうえ、展示を開始して以来、水槽内を活発に泳ぐ様子が観測されている」ので、展示している葛西臨海水族園では長期飼育を目指しているとのことです:

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原因不明の大きな音と振動 ― 新潟県佐渡市


11月7日午後4時47分ごろ、新潟県佐渡市(地図)で、「ドン」という大きな音と振動が感じられ、市役所や警察に通報が相次ぎました。地震計は揺れを記録しておらず、原因不明とのことです:

原因不明の大きな音や振動は、海外の報道でもわりと頻繁に見かけます。報道後しばらくして、軍用航空機の衝撃波であったことが明らかになるケースが多いというのが実感です。


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2014年11月6日木曜日

大量のイワシ漂着相次ぐ ― 北海道浦河町、新ひだか町


11月3日の北海道勇払郡むかわ町に続いて、4日には日高郡新ひだか町(地図)、5日から6日にかけては浦河郡浦河町(地図)に大量のイワシが押し寄せています。「50年近く住んでいますがこんなことは初めてです」(浦河港近くの住民):

報道記事では、3日から5日にかけて北海道を襲った暴風と海水温の低下を原因とする見方が多いようです。つまり、暴風によって「表面の暖かい海水と深いところにある冷たい海水がかき回されて海面の水温が下がった。これによって動きの鈍ったイワシの群れが高い波にあおられて陸の方に寄せられ、イワシが大量に打ち上げられた」(NHK)、あるいは比較的海水温の高い港に逃げ込んで酸欠状態になった(北海道新聞)という説明です。

3日のむかわ町の事案については、以下を参照してください:

なお、11月5日23時01分ごろに、根室半島沖の深さ約50kmでM4.6、最大震度3の地震が発生しています(速報値、震央地図)。


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宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-15)


10月12日付「宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-14)」の続報です。

高知県庁のウェブサイトに掲載されている宏観異常現象の表が11月5日に更新されています。10月分の異常報告件数は0件でした:

ページ右上は、先月から変わらず「公開日 2014年10月08日」のままになっています(11月6日現在)。日付が更新されないことは、これまでにも何度もありました。あえて言いますが、相変わらず杜撰な仕事ぶりですね。これは、高知県の県民性なのでしょうか。


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