2015年4月30日木曜日

水星探査機がまもなく水星に衝突


2004年8月に打ち上げられ、79億kmの長旅の末に2011年3月から水星の周回軌道に入って観測を続けていた NASA の水星探査機〝メッセンジャー〟が、燃料を使い切ったため、間もなく水星表面に落下・衝突します。精確な衝突時刻は、日本時間5月1日午前4時26分02秒です:

メッセンジャーのツイートは以下です。メッセンジャー自身が自分の運命についてツイートしています ― 〝Did you know when I make my final impact, I will be traveling 8,750 miles/hour (3.91 km/s), creating a crater ~52 feet (16 m) wide?〟、〝Well my lithobraking will occur tomorrow @ 3:26pm EDT〟:

衝突地点には、直径16mほどの新たなクレーターが誕生すると予測されています。

メッセンジャーが撮影した画像の中でも、とりわけ印象的なのは〝ハロー〟(凹み)と名づけられた謎の地形です:

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虹が昇る


虹は太陽の反対側に見えるという知識は、小学生のころに教え込まれたように思います。もう少し詳しく言うと、虹の中心(円弧の中心)と太陽は、自分(観測者)を中心にして点対称の位置関係にあるのです。ということは、太陽の位置が高ければ虹は低いところに、太陽の位置が低ければ虹は高いところに現れることになります。

以下の連続写真は最後の1枚を除いて、同じ日(2015年4月6日)の午後3時ごろから6時ごろにかけて、トルコで撮影されたものです(最後の1枚は3月28日午後7時前に撮影)。太陽が西に傾いて行くにしたがって、虹の位置が徐々に高くなっていることがよくわかります:

虹について教える際の教材にも使える写真です。

以下も参照してください:

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2015年4月29日水曜日

ついに東京に異変 ― MEGA地震予測 (続報)


4月27日付「ついに東京に異変 ― MEGA地震予測」の続報です。

東京に現れた異変というのは、まだ警戒領域に含めるレベルではないが、足立区で4cm程度の上下変動が観測されているということのようです。

例によって、「地震予知できない」派のロバート・ゲラー教授(東京大学大学院)はお怒りのツイートです。「某名誉教授の地震予言 (中略) 地球物理学のド素人の個人ビジネス」:

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朝鮮半島の地震が増加傾向


朝鮮半島での地震発生回数の年平均が、1980年代は16、90年代は26、00年代は44、10~14年は58、と増加しているのだそうです:

地震観測網の拡充や観測機器の精度向上で、検知される地震の数が増えているということはないのでしょうか。


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ギリシャ登山隊、シェルパに逃げられ命拾い ― ネパール


以前、このブログで紹介したネパールの『耳泣き(カン・ルヌ)』現象ですが:

逃げたシェルパも、この『耳泣き』で今回の大地震を察知していたのでしょうか。逃げるに際して、受け取っていたお金を置いていくわけにも行かず、結果的に持ち逃げになってしまった?:

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小惑星 2015 HD10 が地球と月に接近


小惑星〝2015 HD10〟が、4月29日午前6時46分(日本時間)に、月に 1.23LD(約47万2000km) まで接近しました。同日午後1時55分(日本時間)には、地球に 1.63LD(約62万7000km)まで接近します。

この小惑星は4月21日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は 12~27m と推定されています。

最接近時の地球との相対速度は秒速13.0km(時速約4万7000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2015 HD10 12~27 4月29日 13:55 1.63

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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2015年4月27日月曜日

小惑星 2015 HO116 が地球と月に接近


4月25日に発見された小惑星〝2015 HO116〟が、4月27日午後4時56分(日本時間)に、地球に 1.73LD(約66万3000km)まで接近します。その約2時間後の午後6時40分には、月に1.67LD(64万km)まで接近します。

この小惑星はアポロ群に属し、直径は比較的大きく 21~48m と推定されています。

最接近時の地球との相対速度は速く、秒速18.2km(時速約6万5000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2015 HO116 21~48 4月27日 16:56 1.73

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-44)


2月27日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-43)」の続報です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が更新情報を4月25日付で出しています:

以下に、今回の更新情報をまとめます:
  • 2つの長期継続前兆群 No.1778 と No.2443 は同一地震の前兆であると認識 (前回の更新では、「可能性が高い」とされていました)

  • 前兆は減少し、4台の観測装置に現れるのみ。顕著前兆ではなく、時々正常状態を示すなど、明らかに前兆レベルが弱まっている

  • 対応地震の発生時期は 8月1日±2日 (前回の更新では 7月31日±3日となっており、矛盾はない)

  • 予想される震央は、上記PDF文書右下の地図参照

  • 前兆は6月13日前後まで終息する見込み。これによって、現在の地震発生時期の推定が正しいか判断できる

串田氏は「あくまでも参考」として、以下のような事実も開示しています:
  • 近畿圏では昨年から有感地震が増えている

  • 特に、大阪府・京都府・滋賀県にまたがる領域 (上記PDF文書下部に掲載の地図参照) では、これまで有感地震の発生頻度は月に1~2回であったが、14年4月には7回、15年1月には10回発生しており、震度3も含まれている

  • この領域の有感地震の多い時期と、前兆群の極大時期がほぼ一致しているように見える (上記PDF文書中段のグラフ参照)。偶然の一致の可能性もあるが。

  • 地震発生前の断層で、微小な破壊が起きる時に前兆が観測されるとする仮説が正しいとすれば、このような先行的な破壊が有感地震になっている可能性がある

7月31日は満月、8月1日には金星と月が見かけ上の接近(地球-金星-木星がほぼ直線状に並ぶ)、8月2日には月が地球に 36万2139km(平均距離は 38万4400km)まで接近します (『天文年鑑 2015年版』、誠文堂新光社)。


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ついに東京に異変 ― MEGA地震予測


測量学の世界的権威で、地震予知に取り組んでいる村井俊治・東大名誉教授に関する記事が、最新の『週刊ポスト』(5月8日・15日合併号)に載っています(目次):
<MEGA地震予測>最新データでついに東京に異変アリ!
◆ 村井俊治・東京大学名誉教授、MEGA地震予測
週刊ポスト(2015/05/15), 頁:50

まだ雑誌を入手していないので、どんな内容かわかりません。しばらく待てばネット上にも記事が公開されるはずですので、わざわざ買う必要はないかも知れません。


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2015年4月25日土曜日

海岸が急激に隆起 ― 北海道・羅臼町 (続報)


4月25日付「海岸が急激に隆起 ― 北海道・羅臼町」の続報です。

『北海道新聞』の記事に、現場を上空から写した写真が掲載されています。陸地側が地滑りを起こし、滑った地塊が海に向かって押し出した結果、海底が盛りあがったようにみえます:

掲載されている写真に写っている野球場など周辺の様子から、現場の位置は以下だと考えられます:

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小惑星 2015 HQ11 が地球と月に接近


4月23日に発見された小惑星〝2015 HQ11〟が、4月25日午後3時19分(日本時間)に、地球に 1.28LD(約49万km)まで接近します。この小惑星は、それに先だって同日午後1時01分に、月にも1.24LD(約47万7000km)まで接近します。

この小惑星はアポロ群に属し、直径は10~22mと推定されています。

最接近時の地球との相対速度は秒速10.2km(時速約3万7000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2015 HQ11 10~22 4月25日 15:19 1.28

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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海岸が急激に隆起 ― 北海道・羅臼町 (補足)


4月25日付「海岸が急激に隆起 ― 北海道・羅臼町」の補足です。

測量学の世界的権威で、地震予知に取り組んでいる村井俊治・東大名誉教授に関する今年1月の記事に、以下がありました。「(警戒)ゾーンからは少し北に外れますが、知床半島の羅臼では5cm以上の上下動がありました。要注意です」:

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海岸が急激に隆起 ― 北海道・羅臼町


4月24日朝、北海道・根室管内羅臼町幌萌町(地図)の海岸が隆起しているのが見つかりました。「23日に同じ場所を見た際には異変はなかった」、「24日朝、海岸で昆布拾いをしていた女性が、海岸が若干高いことに気づいた。昆布拾いを終えて帰宅しようとしたところ、隆起は自分の背丈を超えていた」:

隆起の規模は、報道によって違っています ―― 「幅300メートル、高さ10メートルほど」(NHK)、「長さ500メートル以上、幅は広いところで30~40メートルで高さは海面から10~20メートルほど」(朝日新聞)、「約800メートルにわたり、高さ約10~15メートル、幅約30メートル」(北海道新聞)。

札幌管区気象台や釧路地方気象台は、羅臼町周辺で24日に地震や火山活動は確認されていない、としています。羅臼漁業協同組合の組合長は「音も揺れもなかったと聞いている。こんなことは初めて」と語っています。

専門家は、「石に土砂がかぶっておらず、どう考えても、土砂崩れではない」、「海岸線が隆起したのは間違いないが原因はわからない」としています。今後おこなわれる調査の結果を待ちたいと思います。


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2015年4月24日金曜日

有珠山で地震急増


4月19日から21日にかけて、有珠山(地図)で地震が急増しました。現在は収まっています。「その他のデータには特段の異常は認められず、直ちに噴火に至る兆候はみられません」とのことです:

ちなみに、4月19日は新月でした。


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凄まじい火山雷と噴煙 ― チリ・カルブコ山


4月22日(現地時間)、チリのカルブコ山(地図)がほぼ半世紀ぶりに噴火を始めました。以下の記事には、激しい噴火の様子を捉えた写真や動画が掲載されています:

カルブコ山は1962年に大噴火、1972年に小噴火を起こしています。「×年ぶりに噴火」の数字が報道によって異なっているのは、どちらを起点に計算したかの違いだと思われます。

今回の噴火は不意打ちだったようです。カルブコ山の噴火警戒レベルは最低のグリーンからいきなり最高レベルのレッドに引きあげられました。火山性地震が多発し始めてから15分後には噴火が始まったとのことです。マグマの上昇が非常に急速であったと推定されています。


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蔵王山に噴火警報 (続報-3)


4月23日、また火山性微動が発生しました。4月に入って4度目です。火山性微動が1ヶ月に4回発生するのは、昨年11月以来です。火山性地震は21日から少なくなっています:

4月に入ってからの火山性地震と火山性微動の発生数は以下のとおりです:

蔵王山の火山性地震と火山性微動
(23日は15:00までの観測数)

以下の表は、2013年1月22日に蔵王山で観測開始以来初めてとなる火山性微動が発生してからの推移をまとめたものです。じわじわと火山活動のレベルが上がってきているようです:

月日 事象
2013年
1月22日
火山性微動、観測開始(2010年9月1日)以来はじめて
1月27日 火山性微動
4月5日 低周波地震が一時的に連続して発生
4月5日
~11日
東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化
4月7日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 3分20秒)
4月9日 火山性微動(継続時間 4分20秒)
4月21日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 5分40秒)、低周波地震が一時的に連続して発生
6月4日 火山性微動(継続時間 2分20秒)
7月17日 火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月18日 坊平観測点と東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月31日 火山性微動(継続時間 5分40秒)
10月19日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 16分57秒)
10月23日 火山性微動(継続時間 1分30秒)、直後に計測基準未満の火山性微動も。その後、23日05時ごろから24日08時ごろにかけて火山性地震がやや多い状況
11月1日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 2分30秒)。火山性微動の発生後に微小な火山性地震。10月下旬以降、火山性地震がやや多い状況。
12月4日 火山性微動(継続時間 3分40秒)。微動発生前後に低周波地震が4回発生。火山性地震もやや増加。
12月8日 坊平観測点および蔵王観測点で傾斜変動、直後に火山性微動(継続時間 8分)。火山性地震はやや増加した状態で推移。
2014年
1月3日
火山性微動(継続時間 1分)。微動発生後に火山性地震が4回発生。
8月6日 火山性微動(継続時間 8分)。微動発生後、御釜直下付近の浅いところを推定震源とする火山性地震がやや多い状況。全て低周波地震。7日にかけて55回発生、8日になって減少傾向。火山性微動発生の前から傾斜計に南東(山頂の南側)上がりの変化、9日13時ごろに終息。
8月8日 火山性微動(継続時間 短い)
8月10日 火山性微動(継続時間 短い)
9月4日 火山性微動(継続時間 短い)
9月30日 火山性微動(継続時間 4分)。微動発生に先行して南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動。微動発生後の30日19時ごろから10月1日17時ごろにかけても、南東上がりの傾斜変動。10月1日6時ごろから2日14時ごろにかけて火山性地震が9回発生し、一時的にやや多い状況。
10月5日 火山性微動(継続時間 短い)
10月8日 火口湖「御釜」が一時的に白濁
10月9日 火山性微動(継続時間 短い)
10月10日 火山性微動が2回発生(いずれも継続時間短い)
10月19日 火口湖「御釜」が一時的に白濁
11月18日 火山性微動(継続時間4分超、周期の長い成分を含む)
11月19日 火山性微動が3回発生(継続時間約7分30秒、1分30秒超、1分超)、1番目の微動は、これまでと比べて規模が大きく、南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動が先行、微動発生直後に南東下がりの変動。
12月19日 火山性微動(振幅大きい、継続時間約1分20秒)。微動発生に先行して南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動。
12月29日 火山性微動(継続時間約1分40秒)、微動発生に先行して南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動。
2015年
1月19日
火山性微動(継続時間約3分40秒)
2月11日 火山性微動(継続時間約2分20秒)
4月9日 火山性微動(継続時間約1分20秒)
4月19日 火山性微動(継続時間約1分30秒)
4月20日 火山性微動(継続時間 短い)
4月23日 火山性微動(継続時間 短い)


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2015年4月21日火曜日

準惑星ケレスに謎の輝点 (続報)


ようやく、準惑星ケレスの詳細な画像が探査機ドーンから入って来始めました。

以下には、ケレスの北極上空2万2000kmから撮影した北半球の動画があります。撮影は4月14日から15日にかけてです。例の2つ並んだ「謎の輝点」は、ケレスの自転にともなって画面右下の明暗界線から姿を現します:

ケレスの本格的な科学観測は4月23日から始まる予定です。


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蔵王山に噴火警報 (続報-2)


蔵王山(地図)では、4月19日に続いて20日にも火山性微動が発生しました。火山性地震は多い状態が続いていましたが、21日は15時まで発生がありません:

4月に入ってからの火山性地震と火山性微動の数は以下のとおりです:

蔵王山の火山性地震と火山性微動


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小惑星 2012 TC4 が地球衝突コースに


2017年10月12日に小惑星〝2012 TC4〟が地球に衝突するのではないか、と取りざたされています。同小惑星はアポロ群に属し、直径 12~40m と推定されています:

観測データが十分ではないため、〝2012 TC4〟の軌道計算には不確実性が伴います。現在、NASA/JPL の小天体データベースに載っている予報では、最接近の時刻は2017年10月12日午後12時29分(日本時間)ですが、前後に数時間の幅があります。接近距離は最小 0.0343LD(1万3191km)、最大 1.12LD(43万3271km)の範囲で、最も可能性が高い値が 0.0375LD(1万4399km)。最接近時の地球との相対速度は 秒速 9.90km(時速約3万5000km)となっています。(1LD=地球から月までの平均距離)

2013年2月にロシアのチェリャビンスクに落下して約1500人の負傷者を出し、7000棟を越える建物に損害を与えた小惑星は、大気圏突入前の直径が 10~20m であったと推定されています。

衝突の可能性について、専門家の見解には微妙な違いがあります:
  • NASA Asteroid Watch: "there is no chance this asteroid will hit our planet"

  • JAXA Makoto Yoshikawa氏: "The distance is very small. But this distance does not mean the collision"

  • ESA head of the Near-Earth Object (NEO) Segment: "There is one in a million chance that it could hit us"

  • University of Texas' McDonald Observatory Judit Gyorgyey-Ries氏: "It has a 0.00055% cumulative chance that it will hit"

〝2012 TC4〟は2012年10月12日(奇しくも2017年の接近と同じ日付)にも地球に 0.247LD(約9万5000km)まで近づいています:

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2015年4月20日月曜日

白頭山の噴火迫る?


韓国・プサン大学のユン・ソンヒョ教授が政府に対して、活火山である白頭山(長白山、地図)に注意を払うように促した、という記事です:

記事をまとめます:
  • 白頭山のカルデラは、昨年7月以来 1cm 隆起している。
  • 白頭山は2002年から2005年にかけて 10cm 隆起し、2009年からは沈降に転じていた。
  • カルデラの間欠泉付近の温度が、70℃から83℃に上昇している。また、ヘリウムガスの濃度が通常の6.5倍から7倍に上昇している。
  • これらの事実は、山体内部のマグマが上昇していることを示しており、我々は白頭山を注意深く監視しなければならない。
  • 東北大学のタニグチ・ヒロミツ教授は、白頭山は2032年までに99%の確率で噴火するだろうと考えている。
  • 一方、火山学者の Erik Klemetti 氏は、タニグチ教授が確率計算に用いたデータは不完全であり、「相関関係は必ずしも因果関係を意味しない」と注意を喚起している。

白頭山では地震の増加や山頂の隆起・温度上昇などがたびたび観測されており、同山の噴火が迫っているという話はこれまで何度も持ち上がっています。詳しくは、以下をご覧ください:

白頭山はプレートの沈み込み帯から遠く離れています。なぜ、このような場所に活火山があるのでしょうか。Wikipedia には以下のような記述があります:
2009年9月から3年間かけた地球深部の三次元構造調査・研究の結果、中国北東部(白頭山)の地下に沈み込んでいる太平洋プレートのマントル遷移層スタグナントスラブに、大きな穴が空いていることが発見され、穴と白頭山の成因に関連性があると考えられている。

余談ですが、4月18日、北朝鮮の金正恩第1書記が白頭山に登りました。登山には不向きな長い厚手のコートを着用しています:

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小惑星 2015 HD1 が地球接近


4月21日午後5時11分(日本時間)、小惑星〝2015 HD1〟が地球に 0.15LD(約5万9000km)まで接近します。

この小惑星は4月18日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は9~21mと推定されています。

最接近時の地球との相対速度は比較的速く、秒速16.0km(時速58000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2015 HD1 9~21 4月21日 17:11 0.15

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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蔵王山に噴火警報 (続報)


4月19日、蔵王山(地図)で火山性微動が発生しました。継続時間は約1分30秒でした。火山性地震が多い状態が続いています:

4月に入ってからの火山性地震と火山性微動の数は以下のとおりです:

蔵王山の火山性地震と火山性微動
(19日は15:00までの数値)


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2015年4月18日土曜日

頭内爆発音症候群、ほか


脳科学や神経科学の話題を4つ。

私は経験がありませんが、「睡眠中などに突然、頭の中で爆発音が響いたり、電気的なノイズを聞いたり、眩しい光に照らされたりする」のだそうです:

臨死体験は 〈 死後も魂が残る証拠だとする「魂存在説」や、全ては脳の働きで説明できるとする「脳内現象説」が主張され、議論が重ねられてきた。しかし最近の研究によって、どうやら後者に軍配が上がりそうだ 〉:

ガラスや黒板に爪をたてて引っ掻くときに出る不快な音。人類の遠い遠い祖先の動物が聞いていた捕食者の出す声がこれに近い音だったのではないか、その記憶が私たちの脳の奥深くに受け継がれていて、ゾッとしたり鳥肌が立ったりする反応が起きるのではないか、と私は想像しています:

「パソコンに向かってネットゲームやネットサーフィンに興じるちょっと不良の老人は、実は認知症を発症するリスクが低い」。でも、芸術や工芸に携わる方がもっと発症リスク低減の効果があるとのことです:

中国・甘粛省で被害地震、土煙上がる


4月15日、中国・甘粛省臨洮県(地図)で M4.5、深さ 9km の地震があり、死傷者8人、建物の倒壊526件、損傷4万1978件の被害が出ました。以下の記事には、地震によって山から立ち昇ったとみられる土煙の写真が2葉掲載されています:

地震の後に山などから立ち昇る土煙が撮影されたケースは、過去にもメキシコや台湾などでありました。下の関連記事を参照してください。

土煙を撮影した動画を以下に再掲します:

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2015年4月17日金曜日

小惑星 2015 GL13 が地球と月に接近


4月15日に発見された小惑星〝2015 GL13〟が、翌16日午後4時53分(日本時間)に、地球に 0.48LD(約18万5000km)まで接近しました。この小惑星は、同日午後11時38分に、月にも 0.44LD まで接近しました。

この小惑星はアポロ群に属し、直径は 5~10m と推定されています。

最接近時の地球との相対速度は秒速14.0km(時速約5万km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2015 GL13 5~10 4月16日 16:53 0.48

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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2015年4月16日木曜日

雌阿寒岳で地震増加、火口地下の温度上昇か


雌阿寒岳(地図)では、4月15日18時ごろから、ポンマチネシリ火口付近の浅い所を震源とする地震が増加しています。しかし、過去の噴火の際の増加に比べると少ない状況で、他のデータにも異常が見られないことから、噴火が切迫している状況ではないとのことです:

雌阿寒岳では、今年3月9日に、2013年以来となる火山性微動が発生し、それにともなってポンマチネシリ火口南側で観測している全磁力値が減少に転じています。火口の南側で全磁力値が減少するのは、火口直下の温度が上昇し、岩石の熱消磁が起きていることを示しており、今後の推移に注意を払う必要があります:

雌阿寒岳 全磁力連続観測点「ポンマチ南東」の全磁力値変化
Credit: 札幌管区気象台 火山監視・情報センター

全磁力観測の原理については以下の資料をご覧ください:

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2015年4月15日水曜日

ハッブスオウギハクジラ漂着 ― 北海道様似町


4月14日、北海道・様似町平宇(地図)の海岸に、希少種のハッブスオウギハクジラが漂着しているのが見つかりました。体長は5.2mで、発見時にはまだ生きていました:

記事によると、「道内の海岸にハッブスオウギハクジラが漂着するのは、過去数例しかない」とのことです。

過去の事例としては、2012年に大分県豊後高田市(地図)の干潟で、ハッブスオウギハクジラ(またはコブハクジラ)と見られるクジラが動けなくなっているのが見つかっています:

やはり希少種のクジラですが、先月、オーストラリア西部の海岸にツノシマクジラが漂着しています:

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2015年4月13日月曜日

蔵王山に噴火警報


4月13日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-24)」の続報です。

本日午後1時30分、蔵王山(地図)に「噴火警報(火口周辺)」が発表されました。水蒸気噴火を念頭に、「想定火口域(馬の背カルデラ)から概ね1.2kmの範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒」が必要とのことです:

蔵王山の詳しい状況は、仙台管区気象台 火山監視・情報センターが本日午後3時に発表した以下の文書に書かれています。「蔵王山では4月7日以降、御釜付近が震源と推定される規模の小さな火山性地震が増加し、本日(13日)も多い状態が継続しています。今月(4月)の地震回数が182回(13日14 時まで)と多い状態となっており、2010 年9月の観測開始以降、最多の月別の地震回数となっています。」:

過去の蔵王山の火山活動については以下の資料をご覧ください。最後に噴火したのは1940(昭和15)年ですが、その後も噴気や温泉の異常などが記録されています:

気象庁は、御嶽山という羹に懲りて膾を吹いているきらい無きにしも非ず。


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蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-24)


4月9日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-23)」の続報です。

蔵王山(地図)では、4月7日から火山性地震が多い状態が続いていますが、11日からさらに増加しています。今のところ、「地殻変動観測では特段の変化はみられません」とのことで、噴火警戒レベルは「平常」に据え置かれています:

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2015年4月12日日曜日

阪神大震災前のイルカの異変


4月10日付「130頭以上のイルカが漂着 ― 茨城県鉾田市」の記事では、東日本大震災や関東大震災の前にもイルカの集団座礁があったと書きました。阪神大震災(1995年1月17日)の前には集団座礁はなかったようですが、『前兆証言 1519!』(弘原海清東京出版、1995)には、震災の前日や前々日に、震源に近い神戸市立須磨海浜水族園地図)のイルカにいつもと違う行動が見られたという証言が載っています:
  • [1月15日午後2時ごろ] 通常と異なり、イルカが非常に神経質に、また乱暴にふるまっているように見えた。例えば、演技中に水面下で2頭ぶつかり合ったり、軽くかみ合ったり通常以上に水が広い範囲に飛び散り、多くの観客が通常以上の水にぬれた。これまで7~8回イルカショーを見たことがある程度ですが、どうも普段よりも神経質で、また乱暴に演技をしているように見えました。

  • [1月16日午後] イルカのようすが変だった。ショーが終わってからいつもはすぐひっこんでしまうのに、なかなかひっこまずに、長いことショー用の水槽を泳いでいた。

  • [1月16日] 最終のイルカショーを見たが、いつもは4頭のイルカが3頭しかいなかった。しかも、いつもはショーが終わるとサッサと引っ込んでしまうイルカが、3頭共なかなかショーの水槽から引っ込まず、いつまでもショーの水槽を泳いでおり、係員にせかされてようやく引っ込んで行った。

  • [?] 先日のテレビでは、須磨水族館のイルカが1匹だけショーが出来ないくらいに乱れていて困ったと飼育係が話していました。

  • [?] 1週間ほどたった時、新聞に3千羽の鳥がいなくなったとか、須磨水族館のイルカが芸をしないで台に乗ったとかの話が紹介されましたので、ご報告するものです。

証言中に「須磨水族館」、「須磨海浜水族館」などの名称が使われているケースがありますが、神戸市立須磨海浜水族園を指していると考えられます。


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小惑星 2015 GU が地球接近


4月12日午後2時36分(日本時間)、小惑星〝2015 GU〟が地球に0.29LD(約11万km)まで接近します。

この小惑星は4月11日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は6~12mと推定されています。

最接近時の地球との相対速度は秒速11.7km(時速約4万2000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2015 GU 6~12 4月12日 14:36 0.29

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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2015年4月11日土曜日

アスペラトゥス雲 ― 新種の雲? (補足-2)


09年6月5日付「アスペラトゥス雲 ― 新種の雲?」と14年7月23日付「アスペラトゥス雲 ― 新種の雲? (補足)」の続報です。

アスペラトゥス雲の目撃事例や画像が増えているように感じます。知名度があがったからなのか、それとも、出現頻度が実際に上昇しているからなのか ・・・

このような雲が日本の空に現れたら、きっと地震の前兆ということにされてしまうでしょう。


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小惑星マララ


パキスタンのノーベル平和賞受賞者 マララ・ユスフザイさんの名前が小惑星につけられることになりました。提案したのはNASAのジェット推進研究所の天文学者で、この小惑星の発見者であるエイミー・マインツァー博士です:

小惑星の正式の名前は〝316201 Malala〟(2010 ML48)で、火星と木星の間の軌道を5.5年かけて公転しています。直径はおおよそ4kmで、表面は、コピー機のトナーで覆われたように黒っぽいということです。

マララさんについては、ノーベル平和賞を受賞したとはいえ、敵対者や批判者が大勢いるという現実があります。小惑星の命名権は発見者にあるとはいえ、このような人物の名前を天体や天体の地形につけることは、天文学や将来の探査に政治的、宗教的な「問題」を持ち込むことになり、好ましいことではないと私は思います。


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2015年4月10日金曜日

130頭以上のイルカが漂着 ― 茨城県鉾田市


4月10日朝、茨城県鉾田市台濁沢(地図)や上沢(地図)の海岸に、多数のイルカが打ち上げられているのが見つかりました。イルカは体長2~3mのカズハゴンドウで、130頭以上。約10kmの範囲に漂着しており、数は今後増える可能性があるとのことです。「カズハゴンドウは、小型のクジラに分類されることもある、浅いところにはいない種類で、こんなに多くの数が打ち上がるのは珍しい」(大洗水族館):

東日本大震災の1週間前には、鉾田市の南に隣接する鹿嶋市の海岸に52頭のカズハゴンドウが漂着しています:

関東大震災の前には、千葉県の九十九里浜にゴンドウクジラが集団座礁したとの記録があります:

イルカやクジラの集団座礁が起きたからといって、必ず大きな地震が起きるというわけではありません。むしろ、地震が起きなかった場合の方が圧倒的に多いのです。以下の記事リストで、このブログの過去記事をご覧になればおわかりいただけると思います。


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2015年4月9日木曜日

蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-23)


蔵王山(地図)では、4月7日以降、火山性地震が増加しています。震源は御釜付近と推定されています。また、4月9日午後3時49分ごろに火山性微動が発生しました:

以下の表は、2013年1月22日に蔵王山で観測開始以来初めてとなる火山性微動が発生してからの推移をまとめたものです。じわじわと火山活動のレベルが上がってきているようです:

月日 事象
2013年
1月22日
火山性微動、観測開始(2010年9月1日)以来はじめて
1月27日 火山性微動
4月5日 低周波地震が一時的に連続して発生
4月5日
~11日
東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化
4月7日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 3分20秒)
4月9日 火山性微動(継続時間 4分20秒)
4月21日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 5分40秒)、低周波地震が一時的に連続して発生
6月4日 火山性微動(継続時間 2分20秒)
7月17日 火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月18日 坊平観測点と東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月31日 火山性微動(継続時間 5分40秒)
10月19日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 16分57秒)
10月23日 火山性微動(継続時間 1分30秒)、直後に計測基準未満の火山性微動も。その後、23日05時ごろから24日08時ごろにかけて火山性地震がやや多い状況
11月1日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 2分30秒)。火山性微動の発生後に微小な火山性地震。10月下旬以降、火山性地震がやや多い状況。
12月4日 火山性微動(継続時間 3分40秒)。微動発生前後に低周波地震が4回発生。火山性地震もやや増加。
12月8日 坊平観測点および蔵王観測点で傾斜変動、直後に火山性微動(継続時間 8分)。火山性地震はやや増加した状態で推移。
2014年
1月3日
火山性微動(継続時間 1分)。微動発生後に火山性地震が4回発生。
8月6日 火山性微動(継続時間 8分)。微動発生後、御釜直下付近の浅いところを推定震源とする火山性地震がやや多い状況。全て低周波地震。7日にかけて55回発生、8日になって減少傾向。火山性微動発生の前から傾斜計に南東(山頂の南側)上がりの変化、9日13時ごろに終息。
8月8日 火山性微動(継続時間 短い)
8月10日 火山性微動(継続時間 短い)
9月4日 火山性微動(継続時間 短い)
9月30日 火山性微動(継続時間 4分)。微動発生に先行して南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動。微動発生後の30日19時ごろから10月1日17時ごろにかけても、南東上がりの傾斜変動。10月1日6時ごろから2日14時ごろにかけて火山性地震が9回発生し、一時的にやや多い状況。
10月5日 火山性微動(継続時間 短い)
10月8日 火口湖「御釜」が一時的に白濁
10月9日 火山性微動(継続時間 短い)
10月10日 火山性微動が2回発生(いずれも継続時間短い)
10月19日 火口湖「御釜」が一時的に白濁
11月18日 火山性微動(継続時間4分超、周期の長い成分を含む)
11月19日 火山性微動が3回発生(継続時間約7分30秒、1分30秒超、1分超)、1番目の微動は、これまでと比べて規模が大きく、南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動が先行、微動発生直後に南東下がりの変動。
12月19日 火山性微動(振幅大きい、継続時間約1分20秒)。微動発生に先行して南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動。
12月29日 火山性微動(継続時間約1分40秒)、微動発生に先行して南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動。
2015年
1月19日
火山性微動(継続時間約3分40秒)
2月11日 火山性微動(継続時間約2分20秒)
4月9日 火山性微動(継続時間約1分20秒)


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