2021年10月31日日曜日

月とゴルフボール

 
「昼間に月が出ているときに、ゴルフボールを持ってきて月と並べて見ると、ボールは月と同じ満ち欠け状態(位相)になります。これは、月−地球−太陽とボール−目−太陽の位置関係が同じだからです」:
 
 

M6.5 地震後に大量の火山ガス噴出 — 台湾

 
10月24日付「台湾北東部で M6.5」の続報です。
 
台湾では北東部で 10月24日に M6.5、震源の深さ 66.8km の地震が発生しましたが、北東部沖の亀山島(地図)の周辺海域で大量の火山ガスが噴出していることが 28日に確認されました。 

「亀山島ではかつて頻繁に火山ガスが噴出し、立ち上がる白煙は名物として知られていたが、近年は今年3月に噴出が確認されるまで目立った動きは見られていなかった」:

今年 3月に噴出が確認されていたようですが、M6.5 地震の前兆だったのでしょうか。亀山島は沖縄トラフの西端部に位置しています。


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太陽面爆発 (続報-2)

 
アメリカ海洋大気庁(NOAA)傘下国立気象局(NWS)の宇宙天気予報センター(Space Weather Prediction Center)が公開している太陽風予報です。今回の太陽面爆発による CME(コロナ質量放出)が地球に到達する様子を動画で見ることができます:
 
動画では、黄色の小円が太陽、その右の緑色の小円が地球、地球の上下の赤色と青色の小円が太陽観測衛星の位置を表しています。 上段は太陽風密度の予測値、下段は太陽風速度の予測値の変化を描いています。 左側の図は地球の公転面を上(北極星の方向)から見下ろした俯瞰図、中央の図は横から見た断面図です。
 
 
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2021年10月30日土曜日

小惑星 2021 UW1 が地球と月に接近

 
10月31日、小惑星〝2021 UW1〟が地球と月に接近します。
 
2021 UW1 (2021年10月29日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)10月31日 05:28
 (月)10月31日 10:56
接近日時 誤差
(地球)±1 分未満
(月)±1 分
接近距離 (地球)0.995 LD
(月)1.662 LD
推定直径
16 ~ 35 m
対地球相対速度
13.8 km/s ≅ 5万 km/h
発見から地球接近まで3 日
次の地球接近2028年10月1日ごろ
公転周期825 日 ≅ 2.26 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 2LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

転がる溶岩玉 — カナリア諸島

 
赤熱した溶岩が落石となって火山灰に覆われた斜面を転がってきます。土煙(灰煙?)を巻き上げながら高速で迫ってくる様子は、ルーニー・テューンズのロード・ランナー(動画)を連想させます:
 
 
 
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埼玉県上空に謎の渦巻き雲

 
10月30日昼すぎ、埼玉県上空に渦巻き状の雲が出現しました。特殊な形状の巻雲のようです。
 
「どうしてこのような形になったのか要因は断定できませんが、上空を吹く風がこのような不思議な形の雲を作り出したと考えられます」:
 
 

太陽面爆発 (続報)

 
10月29日付「太陽面爆発」の続報です。
 
「30日以降、数日にわたって通信衛星などの人工衛星や、GPSの位置情報、それに短波の無線通信などに影響がでるおそれがある」とのことです:
 
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2021年10月29日金曜日

太陽面爆発

 
10月29日00時35分(日本時間)、太陽面の AR2887 と名付けられた黒点で X1級の太陽面爆発(太陽フレア)が発生しました(GIF動画)。この爆発によって CME(コロナ質量放出、Coronal mass ejection)が発生し、プラズマの塊が地球の方向に向かっています(塊の中心部は逸れる見込み)。地球到達は 30日〜31日。すでに、先行して光速で飛来する X線や極紫外線によって地球大気上層部がイオン化され、南米を中心とした地域(太陽面爆発発生時に昼だった)で短波通信に障害が発生しています。

2021年10月28日木曜日

小惑星 2021 UA1 が地球と月に接近・通過

 
小惑星〝2021 UA1〟が 10月25日に地球と月のそばを通過して行ったことが、10月26日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2021 UA1 (2021年10月26日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)10月25日 12:07
 (月)10月25日 16:23
接近日時 誤差
(地球)±1 分未満
(月)±1 分未満
接近距離 (地球)0.025 LD
(月)0.902 LD
推定直径
1 ~ 3 m
対地球相対速度
15.8 km/s ≅ 5万7000 km/h
発見から地球接近まで0 日
次の地球接近2028年3月31日ごろ
公転周期356 日 ≅ 0.97 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2021年10月27日水曜日

小惑星 2021 UH1 が地球と月に接近

 
10月27日、小惑星〝2021 UH1〟が地球と月に接近します。
 
2021 UH1 (2021年10月26日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)10月27日 16:14
 (月)10月27日 23:13
接近日時 誤差
(地球)±1 分未満
(月)±2 分
接近距離 (地球)0.187 LD
(月)0.970 LD
推定直径
1 ~ 3 m
対地球相対速度
6.2 km/s ≅ 2万2000 km/h
発見から地球接近まで1 日
次の地球接近2031年8月18日ごろ
公転周期541 日 ≅ 1.48 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 2LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2021年10月26日火曜日

小惑星 2021 UT が地球と月に接近・通過

 
10月24日から25日にかけて、小惑星〝2021 UT〟が地球と月のそばを通過していたことが、10月25日付のデータベース更新によって明らかになりました。
 
2021 UT (2021年10月25日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)10月24日 19:49
 (月)10月25日 02:18
接近日時 誤差
(地球)±1 分未満
(月)±1 分未満
接近距離 (地球)0.39 LD
(月)0.72 LD
推定直径
4 ~ 9 m
対地球相対速度
11.2 km/s ≅ 4万 km/h
発見から地球接近まで0 日
次の地球接近2028年5月28日ごろ
公転周期425 日 ≅ 1.16 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2021年10月25日月曜日

西之島内部に磁気異常領域を発見

 
海洋研究開発機構(JAMSTEC)や東京大学地震研究所などからなる研究チームが、西之島(地図)上空にドローンを飛ばして空中磁気探査を実施し、島の内部に 2つの顕著な磁気異常を示す領域を発見しました。この磁気異常は火口を取り囲むドーナツ状の領域と島の北東に位置する帯状の領域で、1973〜1974年の噴火の際にマグマが通った痕跡に関連していると考えられるとのことです:
 
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2021年10月24日日曜日

台湾北東部で M6.5

 
日本時間 10月24日14時11分ごろ、台湾北東部で M6.5、震源の深さ 66.8km の地震が発生しました。台湾で今年記録された地震の中では最大の規模ですが、震源が深かったため、最大震度は台湾の震度階(7段階)で 4 でした。M5.4 や M4.2 の余震が発生しています。
 
落石などで数名の負傷者が出ています。また、給水塔が破損、建設現場のクレーンが折損、住宅の軒が剥離するなどの物的被害が出ています:

震源付近は琉球海溝と沖縄トラフの西端部にあたり、今年 1月1日に M4.5 の地震が発生したものの、その後は比較的地震が少ない状態が続いていたとのことです。
 
米国地質調査所(USGS)は M6.2、深さ 64.5km、日本の気象庁は M6.3、深さ 80km、沖縄県石垣市などで最大震度 2 を観測したとしています(震央地図CMT解)。
 
この地震の揺れは日本全国に伝わりました。以下は防災科学技術研究所の「高感度版 100トレース連続波形画像」です。南の観測点ほど早く揺れ始めていることがわかります:

プラスチックの地層

 
秋田県潟上市天王の出戸浜(地図)に見られる「地層」。人類絶滅後の遠い将来、地球にやって来た異星の地質学者は、プラスチックを新生代第四紀人新世(Anthropocene)の示準化石とみなすことになるのでしょうか:
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2021年10月23日土曜日

火山噴火や地震は連鎖する?

 
 巽好幸氏の解説記事です。
 
「火山はそれぞれが独自の活動をしており連鎖することはない」、「それぞれの火山の下には、このような1つの『マグマシステム』が存在していて、決して地下でマグマが繋がっているのではない」、「富士山を始め多くの東日本の火山は、2011年以降マグマが噴出しやすい状況にある」、「火山の噴火が海溝型巨大地震や直下型地震の前兆となることを示す科学的証拠は一切存在しない」:
 
「科学的証拠は一切存在しない」と言われても、「証拠の不在は不在の証拠ならず(証拠が無いことは、無いことの証明にならない)」という言葉もありますから、やはり不安です。
 

溶岩ワニ — カナリア諸島

 
ワニと言うよりはカバかも ・・・
 
「私は、溶岩ワニ(ラバ・クロコダイル)は実在しないと確信しています。でも、もし実在するとしたら(仮定法過去)、ここにあるような姿をしているだろうなとも思います。」:
 
 
 
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2021年10月22日金曜日

アスキャ山が急速な山体膨張 — アイスランド (続報)

 
 
8月初めから続いているアスキャ山(地図)の山体膨張は、その後もほぼ一定の速度で進行しています。累積の隆起量は先月は 7cm でしたが、現在は 15cm に達しているとのことです。アイスランド気象庁の専門家は、噴火するか否かを判断するのは時期尚早としながらも、マグマが地下 2〜3km のところに蓄積されており、噴火の可能性を排除できないとしています:
 
アスキャ山の噴火頻度は、過去 7000年間では 100年に 2~3回程度とされています。 
 
 

近畿圏中心領域大型地震 (続報-252)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が 10月21日15:00 付けで更新情報を出しています:
  
前回(No.316)——
  • 八ヶ岳の CH29 観測装置の変動が継続 → 10月中発生の可能性は考えにくい
  • 10月18日昼以降、静穏が継続 → 11月12日ごろに発生の可能性も考えられる
  • CH29 観測装置の完全静穏化を待ちたい
 
現状 ——
  • CH29 観測装置(八ヶ岳): 3日間静穏状態継続するも再び変動出現
  • K1 観測装置(高知観測点): 10月21日現在、まだ静穏基線電圧値に復帰せず
 
見通し ——
  • 11月16日以降の可能性、ただし発生近い可能性が高い(理由は下記引用を参照)
 
 「まもなく 2008年07月から 13年4ヶ月継続となる過去例のない長期変動ですが、最大値では30 観測装置に出現した前兆変動も、現在は主に上の 2観測装置の変動のみとなりました。両観測装置の変動出現状況を鑑み、発生日を特定推定したいと考えます。」
 
推定日CH29 完全静穏化確認後に計算予定
ただし 11月17日〜22日ごろの可能性あり
推定時刻 午前9:00±2時間 または 午後6:00±2時間
推定震央領域 続報 No.317」所載の図3太線内 火山近傍
斜線域は可能性考えやすい参考推定領域
推定規模 M8.0 ± 0.3
直前に噴火前兆変動が観測されない限り、近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 

2021年10月21日木曜日

地質学を専攻していた

 
コリン・パウエル氏が 10月18日に亡くなりました。米軍制服組のトップ・統合参謀本部議長として 1989年のパナマ侵攻や 1991年の湾岸戦争を指揮し、2003年のイラク戦争の時には国務長官の任にありました。
 
知らなかったのですが、パウエル氏はニューヨーク市立大学シティ・カレッジ(CCNY)で地質学を専攻し、理学士号を取得しています(その後、ジョージ・ワシントン大学大学院経営学修士課程を修了)。

以下は同氏の回顧録からのテキトー訳です:
CCNY の地質学のフィールド・トリップはとても楽しい思い出です。(ニューヨーク州の)北部に行って、シンクライン(向斜)やアンチクライン(背斜)の地層をよじ登りました。それらを図式化して、鏡像を考えなければなりませんでした。ここに背斜があれば、それに対応する向斜が別の場所に露出していることが予測できます。うまく予測できたときには、とても満足感がありました。地質学の知識で、大学外の友人たちに自分の才能を披露することもできました。「知ってるかい、ハドソン川は本当は川じゃないんだよ」「何を言ってるんだ?・・・ ハドソン川が川だってことはみんなが知っていることじゃないか」 私は、ハドソン川はポキプシー(地図)のあたりまで「溺れた」川であることを説明しました。氷河期に(氷河の重みで)川底が沈降し、大西洋が内陸に入り込んで来たのです。その結果として、ハドソン川下流域は実際に塩水の入り江となったのです。 

原文は以下のツイートにあります:
 

東海道南方沖で深発 M5.8、異常震域

 
10月21日17時37分ごろ、東海道南方沖を震源とする M5.8、震源の深さ 380km、最大震度 3 の深発地震が発生しました(震央地図震度分布図CMT解)。防災科学技術研究所では、鳥島近海、M5.6、震源の深さ 440km としています。
 
震度 3 を観測したのは、 栃木県宇都宮市だけです。
 
沈み込んだ太平洋プレートに沿って揺れが遠方に伝わる「異常震域」と呼ばれる震度分布です。また、同じ太平洋側でも、フィリピン海プレートが沈み込んでいる静岡県以西では 1地点(和歌山県岩出市)を除いて無感となっている点にも注目してください(後日取り消されるかも知れません:類似事例)。
 
 
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2021年10月20日水曜日

小惑星 2021 UL が月と地球に接近・通過

 
10月16日に小惑星〝2021 UL〟が月と地球のそばを通過して行ったことがわかりました。
 
2021 UL
(2021年10月18日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月16日 16:31
 (地球)10月16日 21:13
接近日時 誤差
(月)±1 分未満
(地球)±1 分未満
接近距離 (月)0.808 LD
(地球)0.094 LD
推定直径
2 ~ 5 m
対地球相対速度
10.1 km/s ≅ 3万6000 km/h
発見から地球接近まで−2 日
次の地球接近2022年5月28日
公転周期367 日 ≅ 1.00 年
分類
アポロ群
(1LD=地球から月までの平均距離) 
 
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近畿圏中心領域大型地震 (続報-251)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が 10月18日15:00 付けで更新情報を出しています:
  
静穏だった K1 に10月11日から 特異変動出現
→ 直前特異である場合: 10月22日±2日発生を支持
ただし直前特異にしては継続期間が長すぎる
→ まだ前兆期間だった可能性(10月19日か 20日に静穏化?): 11月12日±2日発生の可能性?
CH29 完全静穏化を待ちたい。
 
 「10/20 以降も CH29 に変動が継続した場合は 11/12±2 発生の可能性は考えにくくなりますので、完全終息まで待ちたいと考えます。ちなみに 11/12±2 発生推定が正しい場合は、このあと CH29 も K1 も静穏化し、静穏化基線が継続、その後、CH29 には 10/27± 頃、K1には10/28± 頃に直前特異変動が観測される可能性も示唆されます。」
 
推定日11月12日±2日(10月22日±2日は可能性低下)
CH29 完全静穏化確認まで未決定
推定時刻 午前9:00±2時間 または 午後6:00±2時間
推定震央領域 続報 No.316」所載の図4と図5を参照
推定規模 M8.0 ± 0.3
直前に噴火前兆変動が観測されない限り、近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 

2021年10月19日火曜日

地電流異常: 東北に M7 級地震の前兆?

 
どこまで信憑性のある話なのかわかりませんが、念のため・・・
 
「岩手県沖、宮城県沖を中心とした東北地方北部・南部で、マグニチュード(M)6.3~7.7、最大震度 5強~ 6強の地震の前兆がみられる」、「12日から新たなやや大き目の前兆(地電流異常)が見られた」: 
 

京都府南部で地震続く

 
10月16日から 19日までの 4日間に、京都府南部を震源とする有感地震が 3回発生しています。
  • 16日 21:48ごろ M3.9 深さ 10km 最大震度 3 (資料
  • 18日 10:52ごろ M2.9 深さ 10km 最大震度 1 (資料
  • 19日 12:33ごろ M2.2 深さ 10km 最大震度 1 (資料
 
  「いずれも単発の地震で、関連性は今のところ不明」(京都地方気象台):
 

北朝鮮北部で地震 2回

 
10月19日朝、北朝鮮北部で 2回の地震がありました。6時41分ごろに M2.6(資料)、同45分ごろに M2.8(資料):
 
10月17日には北朝鮮北東部でも M2.4(資料)の地震が発生しています。
 
 

予想外! 溶岩流が立てる音 — カナリア諸島

 
溶岩の成分や温度にもよるのでしょうが、想像していたのと全く違っていました。
 
「SOUND ON: 地質学者は、スペインのラ・パルマ島の溶岩流の音は  "割れたガラスのような音" だと指摘している。9月19日に噴火が始まって以来、島の火山から流れ出た溶岩によって 1,826の建物が破壊されたと当局は発表している。」:
 
 
 
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小惑星 2021 TX14 が月と地球に接近

 
10月19日から 20日にかけて、小惑星〝2021 TX14〟が月と地球に接近します。
 
2021 TX14
(2021年10月18日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月19日 14:07
 (地球)10月20日 00:08
接近日時 誤差
(月)±2 分
(地球)±1 分未満
接近距離 (月)1.19 LD
(地球)1.33 LD
推定直径
13 ~ 28 m
対地球相対速度
10.6 km/s ≅ 3万8000 km/h
発見から地球接近まで12 日
次の地球接近2028年4月3日ごろ
公転周期566 日 ≅ 1.55 年
分類
アポロ群
(1LD=地球から月までの平均距離) 
 
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2021年10月18日月曜日

承和年間の鳥類の異変

 
六国史の第4番『続日本後紀』を見ていると、承和13年から承和15年(嘉祥元年)にかけて(西暦 846年〜848年)、鳥類の異変が多く記録されています。それらも含めて、自然現象の記録を抜き出してみました。現代語訳は『続日本後紀』(全現代語訳・森田悌、講談社学術文庫、2010)から引用しました。
 
ちなみに、この時代は仁明天皇の治世です。仁明天皇は嵯峨天皇の子で、平安京遷都で知名度が高い桓武天皇の孫です。桓武平氏につながっていく高見王や平高棟と同世代です。
 
承和13年
1月4日
烏が漏刻(水時計)の時刻を記した竹札を銜えて飛び去り、春興殿の上に落とした。
2月27日 地震があった。
10月25日 白鷺が建礼門院上に集まり、まもなく大庭(紫宸殿の前庭)の版位のところへ降りて集まった。
承和14年
3月13日
雄雉が東方から飛来して、主殿寮の直廬(内裏内郭の南東の隅)の前に集まった。渠の西から走って閤門中に入り込んだ。右近衛六人が近づいて見ると、体に傷はなく、羽毛が整っていたことが判った。
3月14日 不思議な雉を北野で放った。高く飛び去った。
閏3月4日 天に鳴き声が聞こえた。その余響は大きく、しばらくの間続いた後止んだ。
閏3月13日 群れをなす鳥が何億、何万と太陽のまわりを廻って上下した。日中から夕刻に至るまで空に見えたが、何という鳥か判らなかった。
閏3月 本月 しばしば鳥の群れが出現した。夜明け前に西から東に進み、天を覆うほどで、その間空が全く見えなかった。多くの故老を訪い質問したが、皆、聞いたことがない、と言った。
6月12日 激しい雨となり、滝のようであった。本日夜、月暈の外に白気がたちこめた。
6月21日 長雨が止まった。
10月27日 鷺が春興殿の上に集まった。
11月9日 天の北の方に雷鳴のような音がした。
11月20日 午後八時頃、流れ星のようなものが出現した。西から東に向かって堕ち、その輝きは幅が二町、長さが十丈ほどであった。
承和15年
1月29日
陰明門に𨷻入しようとした狂人がいた。門衛が捕らえて連れ去った。
2月22日 地震で、雷鳴のような音がした。多くの犬が驚いて吠えた。
2月26日 本日、宮城の北東の隅の垣の瓦が自然に頽落し、雷鳴のような響きがした。
3月6日 神泉苑の東垣の瓦が八丈余ほどひとりでに頽落した。雷鳴と同じような響きがした。
3月8日 大地がはなはだ震動した。
3月28日 地震があった。
4月3日 地震があった。
5月1日 日蝕があった。
6月24日 地震があった。
6月25日 地震があった。
7月7日 つむじ風が春興殿の庭に発生し、紫宸殿の東北のあたりまで来て、さらに清涼殿の東を通り、そこから右近衛陣に向かい、炬屋を煽るようにして地上数尺ほど持ち上げ、炬屋は版位の前まで来て、草木がなびくように摧破した。
7月29日 雷と稲光が異常に激しく、東西二京を震動させた。(以下被害の記述が数行にわたって続くが省略。)
8月3日 雨が降り、夜通し止まなかった。
8月4日 雨の勢いは井戸を顚倒させたように激しく、終日止まなかった。
8月5日 あたり一面が洪水となり、人・畜が流され、河陽橋は壊れてわずか六間分が残り、宇治橋は傾き、茨田堤は随所で破潰した。故老は皆、大同元年の洪水に倍し、四、五尺になった、と語った。
9月2日 青鷺が紫宸殿南庭の版位の下に集まった。
10月7日 地震があった。
10月20日 地震があった。
12月2日 地震があった。
 

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硫黄島: 隆起で沈没船が姿を現す

 
小笠原諸島の硫黄島(地図)では長期的に隆起が継続していますが、隆起によって沈没船が陸上に姿を現しています。
 
「かつて太平洋戦争で激戦が繰り広げられました。今海岸沿いに構造物のようなものが見えます。あれが沈められた船ですね。船が沈められた跡が確認できます、アメリカ軍が港を作ろうとして船を沈めた跡ということです」(拡大地図):

硫黄島の状況については以下の気象庁の解説情報を参照してください。
 
「GNSS 連続観測によると、長期的に島全体の隆起を示す地殻変動がみられています」:
 
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マグロが川を遡る — 和歌山県串本町

 
10月14日、和歌山県串本町中湊(地図)の古座川で、クロマグロとみられる魚が泳いでいるのが目撃・撮影されました。体長 1.5m弱。現場は、河口から約 1km 上流の浅瀬。
 
「大きさやひれの特徴から、クロマグロだと考えられる。上げ潮で川に入って来てしまったなど、何らかの理由で迷い込んだのではないか」(県水産試験場):
 
[備考] 10月15日07:57ごろ、和歌山県北部、M3.6、深さ 10km、最大震度 4
 
 

2021年10月17日日曜日

また 国際宇宙ステーションの姿勢乱れる

 
10月15日、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキング中のロシアの宇宙船ソユーズ MS-18 で、スラスター(姿勢制御や軌道の微修正などに使う小型の噴射装置)が異常噴射を起こし、ISS が傾く事故が発生しました:

この日、ロシア人宇宙飛行士と、ISS に短期滞在していたロシアの映画監督と女優が地球に帰還するための準備として、ソユーズ MS-18 のスラスタの噴射テストを行ったところ、噴射が予定時間内に止まらず、ISS が通常の姿勢から 57度傾く事態になりました。30分ほどで ISS の姿勢は回復し、日本人宇宙飛行士(星出彰彦氏)を含む ISS の乗員に危険はなかったとのことです。
 
異常噴射の原因は調査中ですが、噴射が止まった理由もわかっていないとのことです。NASA のフライト・ディレクターであるティモシー・クリーマー氏は、「確証は得られていないが、スラスターが推進剤を使い切ったために噴射を停止したと考えている」と語っています。
 
同じような事故は 7月29日にも発生しています。ロシアのモジュールでスラスターの想定外の噴射が発生し、ISS が 540° も回転してしまいました。ロシア側はソフトウェアの不具合が原因だったと説明しています:
 
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2つの小惑星が月と地球に接近

 
10月17日から18日にかけて、2つの小惑星が月と地球に接近します。
 
2021 TH13 (2021年10月13日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月17日 19:42
 (地球)10月18日 04:20
接近日時 誤差
(月)±2 分
(地球)±2 分
接近距離 (月)0.87 LD
(地球)1.65 LD
推定直径
6 ~ 14 m
対地球相対速度
8.6 km/s ≅ 3万1000 km/h
発見から地球接近まで11 日
次の地球接近2022年10月6日
公転周期342 日 ≅ 0.94 年
分類
アテン群
 
2021 TG14 (2021年10月16日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月18日 02:16
 (地球)10月18日 09:51
接近日時 誤差
(月)±1 分
(地球)±1 分未満
接近距離 (月)0.94 LD
(地球)0.65 LD
推定直径
5 ~ 12 m
対地球相対速度
11.4 km/s ≅ 4万1000 km/h
発見から地球接近まで7 日
次の地球接近2027年4月16日ごろ
公転周期471 日 ≅ 1.29 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離) 
 
このブログでは、原則として地球から 2LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 
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箱根山の山体膨張止まる

 
箱根山(地図)で今年 7月ごろから観測されていた山体膨張が停滞しています。 

「GNSS連続観測では、7月頃から一部の基線でみられていた伸びの変化は 8月頃から停滞し、その後、顕著な地殻変動は観測されていません」:

火山ガスには変化が出ているようです。

「今月5日に大涌谷で火山ガスの定点調査を行った東海大の大場武教授は『ガスの成分の一部に変化が出ている。引き続き注意が必要』との認識を示す」:
 
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