8月5日付「異形の彗星 ― ロゼッタ探査機が撮影 (続報-3)」の続報です。
8月6日、ロゼッタ探査機は67P/チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星の軌道に到達しました。打ち上げ以来、10年5ヶ月。飛行距離は約64億km。この間、故障らしい故障は発生していません。日本の小惑星探査機「はやぶさ」は地球帰還まで7年1ヶ月。総飛行距離は約60億km。故障続きで満身創痍の状態でした。日本の宇宙技術は欧米に比べると、自慢できるようなものではないのかも知れません。
ロゼッタが撮影した67P/チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星の画像が続々と公開されています:
- 8月3日撮影、距離285km、5.3m/画素
- 8月5日撮影、距離145km
- 8月6日撮影、距離130km、2.4m/画素; 彗星表面のクローズアップ
- 8月6日撮影、距離120km、2.2m/画素
- 8月6日撮影、距離96km; 左側の塊の表面を走る何本もの平行な亀裂(?)に注目
- 8月7日撮影、距離83km
- 8月8日撮影、距離81km
- 8月9日撮影、距離99km; くびれの部分に見える亀裂(?)に注目
上の写真を見て、少しも彗星らしくないと思われるかも知れません。カメラの露出時間を長めにし適切なフィルターを使用すると、彗星の核から噴出したガスや塵が見えてきます。下の写真をご覧ください。特にくびれの部分からガスや塵が噴出しているようです。67P/チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星は、これから徐々に太陽に近づきますので、彗星がどのように変化するのか興味津々です。くびれの部分から彗星核が分裂するようすや、尾の断裂を間近で見ることができるかも知れません:
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