今夜は部分月食です。午後5時46分に月が地球の半影に入り始めます。6時59分に月が地球の本影に入り始め、月が欠け始めます(部分月食の始まり)。8時3分に欠けた部分が最大になります。最大食分は0.376で、月の右下が欠けた状態になります。9時7分に月が地球の本影から出て部分月食が終わります。その後も月は地球の半影の中にあり、完全に半影から抜け出すのは10時20分です。
東京の月の出は午後6時45分ですから、月が出たときにはすでに半影月食は始まっていることになります。半影月食にはほとんどの人が気づかないと思いますが、月がいつもより暗いとか、色が変だと感じる人が中にはいるかも知れません。月がかけ始めるのは月の出から十数分後ですから、月が地平線上の低い位置にあるときに月食が始まることになります。月の見える方角はおおよそ南東です。
以下の記事は〝Scientific Computing〟誌のウェブサイトに掲載された記事です:
以下は記事の要約です:
1973年以降に発生したマグニチュード6.5以上の地震をリストアップし、月食や日食の時期と比較した。
日食の前後には地震はわずかしか増加しなかった。日食のときには太陽と月が同じ方向に地球を引っ張る。
月食の前後には大地震の発生確率が2倍に跳ね上がった。月食のときには太陽と月がそれぞれ逆の方向に地球を引っ張る。通常の場合、マグニチュード7.5以上の地震は平均して73.8日に1回の頻度で発生する。ところが、月食の前後1日の期間に限ると、発生頻度は33日に1回に上昇する。より小さな規模の地震でも発生頻度は大幅に上昇する。
月食と地震の関係を示す最近の事例は、2010年12月21日に日本で発生したマグニチュード7.4の地震である。その次の日にはイランでマグニチュード6.5の地震があり、11人の死者が出た。
「月食と地震の関係を示す最近の事例」として挙げられているのは以下の地震です。記事では日本の地震が先で、その後にイランの地震が起きたように書かれていますが、実際は逆です:
- Magnitude 6.5 - SOUTHEASTERN IRAN 2010 December 20 18:41:59 UTC (イラン南東部、12月20日)
- Magnitude 7.4 - BONIN ISLANDS, JAPAN REGION 2010 December 21 17:19:40 UTC (小笠原諸島、12月21日)
12月21日に皆既月食があり、日本時間で午後4時40分から5時53分(UTCでは同日07:40から08:53)まで皆既状態となりました。イランの地震は月食前、日本の地震は月食後ということになります。
月食は満月のときに起きますので、上記の統計は地震と満月の関係を示しているのかも知れません。
ところで、記事では上記の調査をおこなった Robert Bast という人について所属を明示せずに〝Researcher〟(研究者)としか書いていませんが、本人のウェブサイトでは〝2012 Researcher〟となっています。どうも私たちがイメージする普通の「研究者」ではないようです:
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