関東大震災の前に見られたイワシの異変については6月7日付「大量のイワシ打ち上げられる ― 千葉県いすみ市 (続報)」に書きましたので、今度は阪神淡路大震災の前に見られたイワシの異変を『前兆証言 1519!』(弘原海清、東京出版、1995)から抜き出してみました:
▼神戸市須磨区
須磨水族館職員の話ですが、地震1日前に、イワシの群れが普段とは違った泳ぎをしていたそうです。反対の方向に泳ぎだしたり、バラバラになって泳ぎだしたりと、とにかく「なんか変な動きやった」ということです。
▼大阪市
1月16日(注: 大震災の前日)の深夜漁では、普段は海面にまでめったに浮上することのないイワシが、海面スレスレまで浮上していた。
▼西宮市
地震の前兆ではないかと思われる現象をまとめてみました。いずれも聞いた話またはうわさ話ですので他の情報と合わせてご判断下さい。(中略)西宮市浜松原町の川に前日イワシが大量にあがった。
▼西宮市
去年(注: 大震災の前年)の11月19日夙川をイワシがさかのぼりました。この時カメラがなかったので写せませんでしたが、河口から2百メートルくらいの所に百匹以上の魚の大群がいたので、観察すると20センチぐらいのイワシの集団でした。落ちアユの間違いかも知れないとよく見ましたが、背が青で腹が銀色です。しかも側線ははっきりしていません。また、ここには見間違うオイカワの大群はいません。イワシの集団は2つに分かれていました。
▼西宮市
震源からほど遠くない明石市役所裏の釣場は、梅雨空け近くなると豆アジがまず釣れ、小アジに成長するまでの9月の中旬頃まで続き、これと入れ替わるふうにイワシが釣れ始め年末近くまで続くのが例年で、私もここ十数年来毎年繰り返し楽しんでいた。ところが、昨年(注: 大震災の前年)は小アジもイワシも全く釣れなかったのです。釣り仲間で頭をかしげながら明石大橋の工事か、中崎海岸の埋立で海流が変ったのだ等々ささやき合ったものです。
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