- 休火山、400年ぶり噴火 インドネシア、2人死亡
- Normally Docile Mt. Sinabung Erupts, Sending 12,000 Fleeing in Sumatra
- Photo Gallery: Volcano in Indonesia erupts after 400 years (写真 6葉あり)
上掲の 『ジャカルタ・グローブ』紙によると、死亡したのは 65歳と 54歳の男性。直接の死因は心臓発作とされていますが、呼吸器系の疾患を患っていたようです。
同紙はシナブン山近傍の住民の証言を載せています ―― 「日曜日の早朝、噴火と同時に大きな揺れがあった」「地震かと思って目を覚まし外を見ると、シナブンの山頂が明るく赤色に輝いていた」「シナブン山は数日前から火山灰を吹き上げていたが、地元の行政府は何の警告も出していなかった」。
シナブン山が最後に噴火したのは 1600年のことだとされています。一方、スミソニアン・インスティチューションが提供している火山データベースでは、噴火の記録は 1881年の 1回のみで、それも “UNCERTAIN(不確実)” と書かれています。
シナブン山の 410年ぶりの噴火に「刺激」されて、我が日本の富士山が 「俺も」 とばかりに 300年ぶりの噴火を始めることがありませんように。シナブン山は北スマトラ州の州都メダンから約 150km の距離にありますが、富士山は都心から約 100km のところにあります。
『富士山噴火 ハザードマップで読み解く「X デー」』(鎌田浩毅、講談社ブルーバックス、2008)には「300年の不気味な沈黙」という節があり、次のように書かれています:
数字で表すと、3200年以前の噴出率は 1000年あたり約 2立方キロメートルで、それ以後は 1000年あたり約 1立方キロメートルとなっている。
(中略)
富士山は 1707年以来、300年間もマグマを噴出していない。この間も地下ではずっと 1000年あたり約 1立方キロメートルのマグマが生産されているとすると、300年間では 0.3立方キロメートルのマグマが蓄積していることになる。
0.3立方キロメートルとは、雲仙普賢岳が 1991年から 4年半かけて出したマグマの 3倍ほどの量になる。もしこのマグマが一気に噴出すると、宝永噴火のような大噴火になる。逆に少しずつ出れば、小規模な噴火が何十回にも分かれて長く続くことになる。
たとえば、過去の富士山噴火で一回に出たマグマの量を調べてみると、0.3立方キロメートルのマグマを出した噴火は、最近 3000年間に 7回ほど起こっている。
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