ハッブル宇宙望遠鏡は、6月13日にペイロード・コンピューターに障害が発生してセーフ・モードに入ってしまい、観測が行えない状態が続いていました。NASA は原因の究明と予備のコンピューター・システムへの切り替えを極めて慎重に進めてきましたが、7月15日に切り替えを実施。その後、科学観測機器をセーフ・モードから復帰させる作業を開始し、17日に観測を再開する運びとなりました:
ハッブル宇宙望遠鏡は 1990年に打ち上げられました。以来 31年間にわたって宇宙線に曝されてきたため、電子回路、とりわけコンピューター・システムのメモリーの劣化が心配されています。
今秋には次世代のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が打ち上げられる予定になっています。ハッブルは地表から 600km の低軌道を周回し、口径 2.4m、焦点距離 57.6m ですが、ウェッブは地球から 150万km 離れたラグランジュ点(L2)に投入され、口径 6.5m、焦点距離 131.4m です。
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