今年の発見第1号となった小惑星〝2014 AA〟が早々に地球に命中(大気圏に突入)し、今年は小惑星の「当たり年」になるのではという不吉な予感がしていますが、どうなることやら。
以下はイギリスの保守中道系大衆紙〝デーリー・メール〟の記事です。新たに発見された直径1.2km、重量26億トンの小惑星〝2003 QQ47〟が、3月21日に地球に衝突する可能性があると伝えています。欧米では、この記事に触発されたと思われるうわさがネット上に広まっています:
- Asteroid hurtles towards earth (小惑星が高速で地球に向かっている)
記事を読むとおかしなことに気づきます。〝2003 QQ47〟は小惑星に発見順に付与される仮符合ですが、2003年8月後半に発見されたことを示しています。それにもかかわらず、この小惑星を「新たに発見された小惑星」(newly-discovered asteroid)と書き、さらに「軌道計算は7日間に行われた51回の観測に基づいている」(orbit calculations are currently based on just 51 observations during a seven-day period)とも述べています。データベースで紹介すると、この小惑星については、発見以来現在までに300以上の観測データが蓄積されています。
発見当時に書かれた記事を修正せずにそのまま再掲載したのでしょうか。あるいは、当時の記事が今でも読めるようになっているだけなのかも知れません。
2003 QQ47 の地球最接近は、過去の記事にも書きましたが以下のとおりです。かなり離れたところを通過していきます。接近時の地球に対する相対速度は非常に高速で秒速32.4km(時速約11万7000km)です:
小惑星 | 直径 (km) |
接近日時 (日本時間) |
接近距離 (*) |
---|---|---|---|
2003 QQ47 | 1.4 | 3月26日 21:36 | 49.9 |
(*)地球から月までの平均距離=1
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