記事によると ―― 行方不明になっていた男性の遺体は、水蒸気の噴出口から約 100m のところで土砂に埋まっていた、周辺には噴出によって土砂が1メートル程度堆積していた ―― とのことですから、かなり大量の土砂が噴出したようです。
この死傷事故の発生する 3日前の 10月 14日(木)、東北地方整備局鳴子ダム管理所と電源開発株式会社鬼首地熱発電所が連名で次のような資料を出しています:
この資料によると、水蒸気の噴出が始まったのは 10月 8日(金)10時 30分ごろのことで、これを「新たな地獄が発生」と表記しています。この時点では河川の水質の変化に主眼がおかれていて、「9日夕方からの降雨により敷地内を流れる沢水が増水したため、沢水とともに鳴子ダムに流入」、ダム湖流入直前の地点でヒ素の含有量が平年値の約7倍に達する水質の変化があったことを明らかにしています。
このブログの 10月 15日付記事「温湯(ぬるゆ)温泉の源泉復活 ― 宮城県栗原市」で、20年ほど前に枯渇し使われなくなっていた温泉の源泉から再び湯が流れ出し始めたことを取り上げましたが、この温泉と鬼首地熱発電所とは、鬼首カルデラの外輪山をはさんで直線距離で 8.4km しか離れていません。
鬼首カルデラと栗駒山は別々の火山です。理科年表などを調べても、鬼首カルデラの噴火記録はありませんが、隣接する鳴子火山群には 837年(平安時代初期、仁明天皇の治世)に不確実ながら噴火の記録があるようです。
鬼首カルデラ周辺の地震については、以下の資料があります(説明図はクリックすると拡大します):
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