『日刊ゲンダイDigital』の記事から。「バヌアツ周辺やソロモン諸島で大きな地震があると、数日~2週間後に日本でも大きな地震が起きる傾向がある」のだそうです。記事中の島村英紀・武蔵野学院大特任教授(地震学)の肯定とも否定ともつかないコメントが泣かせます。「バヌアツと日本の地震に関連性があるかは分かりません・・・」。学者としての矜恃と、雑誌記者やライターが望むとおりのコメントをする「都合の良い学者」という立ち位置の狭間で苦吟されているようです:
横浜地球物理学研究所などのツイートから:
「バヌアツの法則」はデマです。例えば2009年、南太平洋ではM7以上が4回(うちM8が1回)ありましたが、日本でM7以上はゼロでした。記事中でも、福島沖M5.3なんて小さな地震にコジツケてる時点で、無理があり過ぎでしょう。https://t.co/ClGv6wJjCZ— 横浜地球物理学研究所 (@Yokohama_Geo) 2016年8月14日
「バヌアツの法則」を検証してみます。2014年~2015年に、バヌアツ周辺の南太平洋で起きたM7以上(青矢印)と、日本で起きたM6.5以上の地震(赤矢印)を、時系列に並べました。…ほぼ相関がありませんね。 pic.twitter.com/f1T7WBVBaU— 横浜地球物理学研究所 (@Yokohama_Geo) 2016年8月15日
「バヌアツの法則」の検証、2012~2013年版。バヌアツ周辺の南太平洋でのM7以上と、日本でのM6.5以上の地震を、時系列に並べました。全く相関がないですね。なお2013/2/6のソロモン諸島M8.0が規模が大きかったものです。 pic.twitter.com/p9jmLyB3Oq— 横浜地球物理学研究所 (@Yokohama_Geo) 2016年8月15日
バヌアツの法則って笑い飛ばしてよいネタですよ。申し訳ないけど島村センセが専門家としてコメントしている地震の記事は全部信用しないほうが賢明だってことになっているかも。— Mamoru Kato (@mkatolithos) 2016年8月14日
ネットで噂のバヌアツの法則でも同じで、地震が続いた事例だけを取り出してくるとバヌアツの地震が日本の地震の前兆のように見える。特に地震の発生間隔や2つの地震の大きさを無視するといくらでも例は出せる。でもそれって不公正な事例集めをして「結論」しているにすぎない。— Mamoru Kato (@mkatolithos) 2016年8月14日
その他の「バヌアツの法則」関連ツイートです。「マリアナの法則」というのもあるようです:
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