2013年10月7日月曜日

日本地震学会秋季大会


日本地震学会の2013年度秋季大会が10月7日から9日まで、横浜で開かれています。さまざまな研究分野の発表がおこなわれますが、地震予知に関係する発表からいくつか興味を引かれるものを選んでみました。今後、新聞や週刊誌などで取り上げられるものがあるかも知れません:

番号 タイトル 発表者の所属
D32-01 逆断層型地震の予知 剥離・圧縮・破壊理論による解析 スリエステクノ
D32-03 地震活動の静穏化現象の時間的・空間的安定性(3) 気象研
気象庁
D32-04 長期地下水温観測からさぐる最近の地殻歪・応力異常変化 日本女子大
D32-05 1946 年南海地震前の須崎湾の海水位変化について 産総研活断層セ
D32-06 2005 年以降の油壺験潮場の上下変動と1923 年関東地震前の変動との類似性 北大理
D32-07 3.11 地震直前の異常現象について 海里マリン病院
D32-08 大気イオン濃度変化に見られる地震前兆現象 神奈川工大
D31-01 電磁波の観測網で捕らえた地震直前の伝搬異常とその理論的根拠となる3 種類の記録グラフ JYAN 研究会
D31-02 地震により励起された電磁波パルスの検出 -波形同時観測による確認- 京産大
コン理工
D31-04 間隙水圧観測から検出された東北地震に伴う透水性変化 京大防災研
D31-05 再び地震直前の電離圏電子数上昇について 北大院理自然史
富山工業技術セ
D31-06 海溝型巨大地震の震源核形成過程における電磁気・摩擦現象 富山県工業技術セン
北大院理自然史
P2-52 大地震の前兆観測と予測情報の一般公開 JYAN 研究会
P2-53 首都圏の地震発生予測モデルの構築に向けて -震源の深さに注目した地震カタログの評価- 東大地震研
P3-45 静止衛星からの地震雲の観測による地震予知 所属なし
P3-46 東北太平洋沖地震の前後での「規則微動」「家鳴り」の動向および新たな長大な微動と加速度センサーが捕捉した微動波形 無所属:地震くるみる
P3-47 東北地方太平洋沖地震の宏観異常現象に関する調査.「三陸海岸大津波」との比較 東海大予知セ
東学大教育物理
日本学士院
P3-48 1946 年南海地震直前の潮位変化証言の検討 気象研究所
P3-49 山陰地域で発生した主な地震の月の位相 所属なし


「D32-04 長期地下水温観測からさぐる最近の地殻歪・応力異常変化」は、雑誌などの地震がらみの記事にしばしば登場する佃為成氏の発表です。

「D32-05 1946年南海地震前の須崎湾の海水位変化について」と「P3-48 1946年南海地震直前の潮位変化証言の検討」は、今後発生が予想されている南海地震に関係するので、内容が気になります。

「D32-06 2005年以降の油壺験潮場の上下変動と1923年関東地震前の変動との類似性」は、タイトル通りの内容であるとすれば不気味です。

「D32-07 3.11 地震直前の異常現象について」と「P3-47 東北地方太平洋沖地震の宏観異常現象に関する調査.『三陸海岸大津波』との比較」は宏観異常を収集したもののようです。前者の発表者は高知県の病院に勤務している方のようです。被災地の支援に行かれた際に耳にしたことを報告されるのかも知れません。

「P3-45 静止衛星からの地震雲の観測による地震予知」や「P3-49 山陰地域で発生した主な地震の月の位相」などは在野の「研究者」によるものでしょう。地震学会の大会では、毎回、このような〝勇敢な〟発表がいくつかあります。さすがに、講演に挑む方は少なく、ほとんどがポスター・セッションですが。