中国地震学会のウェブサイトがハッカーによって改竄され、中国共産党を非難するメッセージが表示されるようになりました。背景には、4月20日に四川省で発生した M7.0 の地震に関する隠蔽・陰謀説があると考えられています:
- China's Seismological Society targeted by hackers (画像あり)
- Hackers Deface Website of China's Earthquake Society (画像あり)
「反共黑客」(反共産党ハッカー)を名乗るハッカーが残したメッセージを翻訳すると次のようになります:
お前たち、人でなしの中国共産党! 人民の生命を顧みることなく、地震があることを明らかに知っていたにもかかわらず、ただ救助訓練をするだけでお茶を濁し、人民に真実を告げなかった!
4月18日と19日、四川省では軍・警察・消防を動員して、マグニチュード7以上の地震を想定した模擬救助訓練がおこなわれていました。その翌日の20日に M7.0 の大地震が発生したため、政府は大地震が起きることを知っていたが国民には知らせなかった、との陰謀説が広まりました。ハッカーの残したメッセージは、このような政府=中国共産党に対する不満を代弁しているようです。
国営メディアは、中国地震局の会議で、四川省には地震に危険な傾向が見られるとの判断が下されたため、訓練が実施されることになったと伝えています。
中国地震学会の会長を2度務めたことがある Chen Yuntai 氏が、地震の発生場所と規模を正確に予知し、その情報が内部ブリーフィング資料として中国共産党のトップにまであげられたが、無視され具体的な対策が取られることはなかったとのことです。
なお、上の翻訳で「人でなし」と訳した「狗日的」という言葉には「日」という字が入っていますが、日本とは関係ないようです。犬(狗)が生んだヤツ(中国では犬は侮蔑の対象とされる)という意味で、最大級の侮辱の言葉だそうです。日本で言えば放送禁止用語、英語圏では〝four-letter word〟という部類に入るので、英文記事では伏せ字〝****〟にしているものもあります。
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