2010年2月3日水曜日

奇妙な「彗星」

先月、尾はあるけれども核がない奇妙な「彗星」が見つかったとの報道がありました:
分析の結果、これは彗星ではなく 2つの小惑星が衝突した結果だとの結論が出されています。彗星ではなく小惑星であると判断された最大の理由は、その軌道です。彗星と小惑星では軌道が大きく異なります。発見された奇妙な「彗星」の軌道は、フローラ族と呼ばれる一群の小惑星のものと一致していました。

このほど、この奇妙な「彗星」をハッブル宇宙望遠鏡で撮影した高解像度の画像が公開されました:
衝突によって飛び散った小惑星の残骸が彗星のような尾を形成しています。中心部には X字状のパターンが見られます。その左に見える小さな白い点は、衝突を生き延びた小惑星で、直径 140m と推定されています。衝突前にはもっと大きかったと思います。衝突したもう一方の小惑星は粉々に粉砕されてしまったようです。

現在、この奇妙な「彗星」は太陽から 3億 km、地球から 1億 4000万 km 離れたところにあり、画像にある残存小惑星や破片が地球に降り注ぐようなことはないそうです。

本件と直接の関係はありませんが、太陽に近づきすぎた彗星が蒸発してしまったところを捉えた動画が以下の記事にあります: