カリブ海東部の海底火山 Kick 'em Jenny(地図)で地震が増加し、グレナダ政府は同火山から半径5kmの範囲を立ち入り禁止区域に指定しました:
以下は、上掲BBCの記事のまとめです:
- Kick 'em Jenny は、小アンティル諸島最南端の島国・グレナダの沖合8kmにある。
- グレナダ政府は警戒レベルをオレンジに上げ、同火山から5km以内を立ち入り禁止区域とした。
- 地震学者は、地域に差し迫った危険があるわけではない、としている。
- トリニダードにある西インド諸島地震研究センター(SRC)のリチャード・ロバートソン教授は次のように語っている ―― 増加した地震が津波を発生させる兆候はない。噴火が起きる可能性はあるが、起きたとしてもおそらく大量の海水を押しのけるだけの噴出はないだろう。増加した火山ガスによって船舶の浮力が失われるおそれがあるので、海運関係者は立ち入り禁止区域に入らないようにすべきだ。
- Kick 'em Jenny は、セント・ビンセントからグレナダに向かう航路上にある。
- Kick 'em Jenny は小アンティル海嶺の急斜面にあり、1300mの高さがある。カリブ海東部ではもっとも活発な火山である。
- 1939年に最初の噴火が記録されて以降、十数回噴火しているが、死者が報告されたことはない。
- 1939年の噴火では、海面上270mまで火山灰が噴出した。
2月には、トリニダード・トバゴで泥火山が噴出しています:
- 泥火山の噴出相次ぐ ― トリニダード・トバゴ、アゼルバイジャン (18年3月11日)
Kick 'em Jenny は、西のグレナダ海盆と東のトバゴ前弧海盆に挟まれたところにあります。さらに東には、大西洋の海底堆積物が海洋底の沈み込みにともなって集積したバルバドス・リッジという巨大な付加体が発達しています。
関連記事
- 同名異国 (09年10月2日)
- スフリエヒルズ山の噴煙が定期航空便に影響 (09年12月30日)
- ハイチで M7.0 (10年1月13日)
- スーフリエールヒルズ山の大噴煙 (10年3月25日)
- 泥火山が14年ぶりに活発化 ― トリニダード・トバゴ (11年12月7日)
- バルバドス島沖でM6.5 (15年7月18日)
- 泥火山の噴出相次ぐ ― トリニダード・トバゴ、アゼルバイジャン (18年3月11日)