2018年1月12日金曜日

木星の衛星エウロパとプレート・テクトニクス


木星の衛星エウロパにもプレート・テクトニクスが作用しているとする証拠が増えています。プレート・テクトニクスは地球や火星のような岩石型惑星にとどまらず、氷で覆われた天体でも生じうる、宇宙ではありふれた普遍的な現象、という認識が一般的になるかも知れません:

上のUPIの記事をまとめます:
  • 木星の衛星エウロパにもプレート・テクトニクスが作用していることを示す追加の証拠が見つかった。エウロパの氷の地殻でもプレートの沈み込みが生じうる。

  • これまでの観測では、地球の中央海嶺で起きている海洋底の拡大と同じように、エウロパの表面でも氷の地殻の拡大が生じていることが明らかになっていた。問題は、拡大して余剰になった氷がどこへ行っているのか、だった。

  • 科学者たちは、エウロパの氷の地殻の下に存在する海洋は、生命をはぐくむ条件を満たしていると考えている。プレートの沈み込みの存在は、海洋中の微生物が必要とする化学成分をエウロパの表面から運び込むことになるので、生命が存在する可能性を高める。

  • 地球のマントルでは、温度と密度の違いが沈み込みの原動力になっている。冷たく密度の高いスラブがマントルの中へと引き込まれていく。

  • 岩石と比べると、氷は非常に溶けやすい。エウロパでは、表面の冷たい氷の層が下にある氷の層に沈み込んで行ってもすぐに暖まってしまう。密度の差はすぐに解消して、沈み込みは止まってしまう。

  • エウロパでは、塩分の密度の勾配が沈み込みが生じる原因となっている。塩分の分子が重りのように振る舞い、氷のスラブをより深く長い沈み込みへと引き込んでいる。

  • これまでの観測は、エウロパの表面の塩分濃度にはばらつきがあることを示唆している。地下の海洋中の湧昇流によって塩分濃度の勾配形成が促進され、氷火山の活動(cryovolcanism)によって塩分を含んだ海水がエウロパの表面に撒き散らされていると考えられる。

  • 研究論文を "Journal of Geophysical Research: Planets" に発表したブラウン大学の Brandon Johnson 氏は次のように語っている ―― 「地球以外の場所でもプレート・テクトニクスが作用しているかも知れないと考えるのはとても魅力的なことです。」

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