こんな実験をしていたとは。時は1957年7月19日、所は米国・ネバダ州の核実験場。5人の男性の頭上で空対空核ミサイルが炸裂します。以下の動画では、59秒目に核爆発の閃光、1分12秒目に爆風と轟音が5人を襲います:
- Five men at atomic ground zero (核爆心地の5人)
核爆発の規模は2キロトン。爆発の高度は、上記YouTube動画の記述では1万フィート(3048m)となっていますが、他の資料によれば1万8500フィート(約5600m)です。上記動画では、閃光から爆音まで約13秒間です。途中の映像がカットされていないとすれば、音速を毎秒340mとして約4500mのところで爆発がおきたことになります。
5人の男性は自ら志願して爆心地(グラウンド・ゼロ)に立ったのだそうです。5人のうち、4人は佐官級(大佐・中佐・少佐)の将校です。5人の前には〝Ground Zero. Population 5〟(爆心地、人口5人)と手書きされた看板が立てられています。アメリカ人的なユーモアでしょう。
それにしても、中継しているアナウンサーの楽しげな調子は何なのでしょうか。私の聞き間違いでなければ、中継の最後は〝just beautiful!〟という言葉で締めくくられています(核爆発で生じた閃光や火の玉のことを言っていると思われます)。
以下の記事には、5人のその後を含むさらに詳しい情報が書かれています:
- Five Men Agree To Stand Directly Under An Exploding Nuclear Bomb (5人の男が爆発する核爆弾の直下に立つことに同意)
上記記事には、5人のその後を調査した結果が書かれています。偉い人ほど長生きしているようです:
- Sidney C. Bruce 大佐 ― 2005年に86歳で死亡
- Frank P. Ball 中佐 ― 2003年に83歳で死亡
- John Hughes 少佐 ― 1990年に71歳で死亡(不確実)
- Norman Bodinger 少佐 ― 不明
- Don Lutrel 伍長 ― 1987年に63歳で死亡(不確実)
動画には映っていませんが、この5人の様子を撮影したのは、カメラマンの George Yoshitake 氏です。同氏は志願ではなく、上官の命令で撮影にあたったようです。同氏は、2010年に〝ニューヨーク・タイムズ〟紙のインタビューに答えて、核実験の撮影にあたった同僚カメラマンのかなりの数がガンで死亡した、核実験が彼らの死に関係していることは間違いない、と語っています。同氏は現在84歳になっているとのことです。