7月24日付「聖地への巡礼で地震予知 (その1)」からの続きです。
人間も、地震の前に影響を受けることがある。そのような事例は、1988年12月におきたアルメニアのスピタク地震[地図、USGSによるとM6.8、死者2万5千人]で初めて報告された。出産数と外来患者が急増したのである。1993年のインドのラトゥール地震[地図、USGSによるとM6.2、死者9748人]では、ラトゥール市民病院の医療記録が、地震前日の出産数と外来患者数が通常の6倍から7倍になったことを示している。ポートブレアとムザファラバードの病院のデータも同様の傾向を示している。
上に述べたような事例は、聖地巡礼がおこなわれるアマルナート・ヤトラの期間に人間や動物の行動を用いて地震を予知するために活用できる。
今年のアマルナート・ヤトラの巡礼や他の聖地巡りでは、敬虔な信者たちがグワーハーティー郊外のアンブバチ・メラに加えて、ギャンゴットリ、ジャムノットリ、ケダルナート、バドリナート、バイシュノ・デビの険しい山岳地帯を通り抜ける。それらすべての地域はゾーン〝IV〟に分類される地震多発地帯で、ほとんどがゾーン〝V〟に隣接しており、マグニチュード6かそれ以上の地震がおきる可能性がある。
カングラ、アンダマン諸島、タイでの事例を勘案するならば、巡礼で使われるたくさんの馬を地震の前兆センサーとして使うのが得策だ。もし、すべての馬が巡礼を乗せるのをいやがったり、ふだんとは違うそぶりを見せたなら、それは地震の前兆であるかも知れない。
同様に、何人かの巡礼者がとつぜん体調を崩し、胸の痛み、頭痛、吐き気を訴えたり、急に興奮したり怒り出したりしたならば、それは地震の前兆である。人間に見られる異常な前兆は、通常、地震発生の数時間前におおよそ4人に1人の割合で現れる。さらに、だれもが持つようになった携帯電話も、巡礼者たちが地震の前触れを察知するのに効果的である。地震の前には、携帯電話は通じにくくなり始めたり、まったく通じなくなったりする。この様な現象は、中規模地震や大規模地震の100分から150分前に発生する。
上に述べたことは、2001年のブージ地震[地図、USGSによるとM7.6、死者2万23人]、2004年のスマトラ沖地震[USGSによるとM9.1、死者22万7,898人]、2005年のカシミール地震[地図、USGSによるとM7.6、死者8万6000人]の前に見られた。また、中国、日本、イラン、ニュージーランドでも報告がある。
馬やその他の動物(は虫類、鳥類、ヤスデ、ムカデ)、そして巡礼者のかなりの割合に異常が現れ、時を同じくしてすべての携帯電話が通じにくくなり最終的にはまったく通じなくなったとしたら、短時間のうちに地震がおきる可能性がある。現場の責任者は、関連当局に連絡するのがよいだろう。
この記事は、地震について注意を喚起するのが目的であり、巡礼者の心を不安にさせることを意図したものではありません。巡礼者の安全に資するため、中央政府や州政府ができる限りの予防措置を講じていることを巡礼者はご理解ください。
(完)
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