アラブ首長国連邦北部の都市フジャイラ(Fujairah)などで、31日(火)午前 6時 21分と 9時 35分に有感地震がありました。規模は M2.9 と M3.5 で大したことはなかったのですが、ビルが傾いて一部が地中に沈み込んだり、建設中のビルの天井が崩落して負傷者が出たり、といった「被害」が出ています。
上の段落でカッコ付きで「被害」と書いたのは、地震発生当時、アラブ首長国連邦では悪天候が続いており、建物への被害の原因が地震なのか強い雨なのかは、あるいは建物自体の欠陥なのか、はっきりしていないからです。首都アブ・ダビにある国立気象学・地震学センターの広報担当者は、「建物の崩壊と悪天候とは関係がない。粗悪な建築資材が原因で発生した可能性が高い」と語っています。
原因が大雨にしろ地震にしろ欠陥建築にしろ、簡単に建物が傾いたり崩落したりするのでは住民は安心して生活できません。旅行社もホテルの安全性に不安を覚えるでしょう。アラブ首長国連邦は、アラビア・プレートとユーラシア・プレートの境界近くに位置しており、ペルシャ湾やオマーン湾をはさんだ対岸のイランでは大きな地震が多発しています。アラブ首長国連邦は、ドバイ沖の巨大人工島群や、豪華な高層建築物を多数建設していることで有名(過去の記事「ピサの斜塔も真っ青」を参照してください)ですが、建築基準法に類するきちんとした規制があるのでしょうか。人工島上の低層住宅などはペルシャ湾で津波が発生すればひとたまりもないと思います
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency