6月23日、欧州宇宙機関(ESA)の水星表面探査機(MPO: Mercury Planetary Orbiter)と日本(JAXA)の水星磁気圏探査機(「みお」、MMO: Mercury Magnetospheric Orbiter)が、スイングバイのために水星表面から約200kmのところを通過しました(国際宇宙ステーションの高度は地表から約400kmです):
Who's up for some second helpings of #Mercury?! 🤩
— Bepi (@ESA_Bepi) June 24, 2022
Here are our top picks from yesterday's #MercuryFlyby - one from each of @ESA_MTM's three #selfie cameras - enjoy!
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今回は2回目のスイングバイでしたが、あと4回のスイングバイを経て、2025年12月5日に水星の周回軌道に入る予定です。MPOとMMOは結合された状態で飛行していますが、水星の周回軌道に入った後に分離されることになっています。
以下は最接近の約5分後に水星表面から約920kmの距離から撮影された画像です。主要なクレーターの名前が書き込まれています:
BepiColombo は国際水星探査計画の名称です。JAXAのウェブサイトには次のような説明が載っています:
水星は、太陽に近い灼熱環境と軌道投入に要する多大な燃料から周回探査は困難で、これまで水星へ行ったことがある探査機はマリナー10号とメッセンジャーの2機のみで、水星周回軌道への投入成功は探査機メッセンジャーだけとなります。
マリナー10号の探査の際、金星を通過してその重力でスイングバイを行うことによって何回か水星に接近できることを示唆したのが、イタリアの著名な天体力学者ジウゼッペ・コロンボ(Giuseppe Colombo)博士です。ジウゼッペ博士は、水星の自転周期と公転周期が2:3の共鳴関係にあることを提唱したり、スイングバイを惑星探査機の航行に利用した先駆者でもあります。
その功績をたたえ、新しい水星探査ミッションの名前には博士の愛称である「BepiColombo」が使われています。
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