2015年5月30日に小笠原諸島西方沖で発生したM7.9(当初発表はM8.1)の地震は、震源の深さが680kmという超深発地震で、太平洋プレートに沿って地震波が伝播する異常震域現象によって日本の広い範囲で有感となりました(東京都小笠原村と神奈川県で最大震度5強)。
JAMSTECのプレスリリースより |
国立研究開発法人海洋研究開発機(JAMSTEC)が12月8日に発表したプレスリリースによると、この地震は深さ660km付近の上部マントル-下部マントル境界に滞留している太平洋プレートのスラブが下部マントルへ突き抜ける「号砲」と考えられ、「今後、小笠原付近では、沈み込むスラブから小笠原超深発地震を結ぶほぼ垂直な深発地震面が発達していくことが予想され」、「震源が深い深発地震が起きるエリアが広がる可能性がある」とのことです:
- M7.9小笠原地震「プレートがマントルへ突き抜け開始!」 (ハザードラボの記事)
- 上部マントルの底付近で横たわるスラブが下部マントルへ突き抜ける前兆 ―2015年5月30日小笠原諸島西方沖深発地震が示唆すること― (JAMSTECのプレスリリース)
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