台湾のNSPO(National Space Organization、國家實驗研究院國家太空中心)は、来年第1四半期に地震予知衛星 FORMOSAT-5(福衛五號)を打ち上げるとのことです:
以前打ち上げられた FORMOSAT-1(福衛一號)は、2002年に台湾東北部の宜蘭県で発生したN6.8の地震の5日前に、台湾上空の電離層のイオン密度が異常に低下する現象を検知し、多くの科学者はこの現象を観測することが地震予知の最良の方法だと考えているとのことです。
FORMOSAT-5には國立中央大學が開発した電離層観測装置が搭載されますが、これは初号機に積まれた装置の8倍のサンプリング・レートを持ちながらもはるかに軽量小型化(14kg→4kg)されており、費用も安いとのことです。
フランス、ロシアを筆頭に、各国で宇宙から電離層の変化を観測して地震を予知する取り組みが進められていますが、日本はこの分野で完全に取り残されています。日本はフランスから共同研究を持ちかけられたことがありますが、予算が無いことを理由に断っています。先日のフジテレビの報道番組(安藤優子キャスター)によると、地震予知の研究予算が活断層探索や長期確率の算定(30年以内云々)などの「既得権益」に貪られてしまって、本当の意味での地震予知(短期予知)に使われるのは予算の0.08%に過ぎないとのことです。
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