トカラ列島で起きている尋常ではない地震活動と、大きく急激な地殻変動 — 私たちは巨大カルデラ噴火の前段階をリアルタイムで目撃しているのかもしれません。以下は、7月10日付で海洋研究開発機構(JAMSTEC)のサイトに掲載された記事です:
概略、以下のような内容です ——
- 新しい火山である諏訪之瀬島と横当島間の距離は約117㎞であり、その間に悪石島、小宝島、宝島がある。トカラ列島の火山フロントにおける異常に長い火山空白域である。
- 火山は地下のマントルにおける高温領域(ホットフィンガー)に対応して生成し、ホットフィンガーの間は火山の空白域となる。東北地方の火山で見てみると火山の空白域は30㎞から広くても80㎞にすぎない。
- 諏訪之瀬島と横当島の間の地下深部(マントル)においてもマグマを生成するホットフィンガーが存在することが十分予想される。
- もし定常的な噴火を起こすことができない場合、ホットフィンガーから一次マグマと熱とガスが供給され続け、地殻の中には膨大な二次マグマとガスが蓄積されていくことになる。
- もし諏訪之瀬島と横当島の間のマントルにホットフィンガーが存在しているならば、数万年、または10万年以上マントルから一次マグマとガスが供給され続けていたことになる。
- 二次マグマが一気に噴出した場合、膨大な量の軽石と火山灰が爆発的に噴出し、大きな陥没地形(カルデラ)を形成するような巨大噴火となることも考えられる。
「あくまで現時点での一つの考察であるため、今後の総合的な調査観測が不可欠である。」
関連記事
- トカラ列島近海地震: 地下の流体が影響している可能性 (25年6月26日)
- トカラ列島近海地震: 沈み込んだ「海台」の先頭部分が原因 (25年6月29日)
- トカラ列島近海地震: 今回は異質だ (25年7月2日)
- トカラ列島近海地震: 政府地震調査委員会が臨時会合 (25年7月5日)
- トカラ列島近海地震: 諏訪之瀬島で火山性地震急増 (25年7月9日)