小惑星 Bennu からのサンプル持ち帰りを目指す NASA の小惑星探査機 OSIRIS-REx の機体に凹みが生じていることが判明しました。
2016年の打ち上げ直後に機体の状態を確認するために撮影した写真では見られなかった黒い点が、2017年3月2日に撮影した写真に出現。凹んだのは、小惑星で採取したサンプルを格納して地球に持ち帰るためのサンプル・リターン・カプセル(SRC)を保護するための耐熱シールドです。NASAでは、カメラのレンズに付着した汚れの可能性も含めて検討していたのですが、このほど、飛行中に何らかの小物体が衝突してできた凹みと結論づけました。サイズは2mmほどで、貫通はしておらず、SRCの機能に悪影響はないとのことです:
- Sample Return Capsule Imaged During Six-Month Checkout (写真あり)
- Cosmic fender-bender: NASA’s asteroid-hunting probe develops mysterious dent (PHOTO) (画像、写真あり)
SRCは、2023年に地球近くまで戻ってきた OSIRIS-REx から切り離されて大気圏に突入、ユタ州の砂漠地帯にパラシュートで降下することになっています。
以下は、OSIRIS-REx が今年1月17日に撮影した地球と月の写真です。撮影時の地球との距離は 6360万kmで、OSIRIS-REx の速度は秒速 8.5km。画面左上には牡牛座のプレアデス星団(すばる)、右上には牡羊座で最も明るい星 Hamal(α Ari)も写っています:
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