2009年7月29日水曜日

親と同居している若い男性は暴力的

イギリスのロンドン大学を構成するカレッジの一つ、Queen Mary の研究者が 〈親と同居している若い男性は、親と離れて生活している同世代の男性に比べて暴力的である〉 との研究結果を発表しています:
大学のプレス・リリースをまとめると以下のようです:
親と一緒に生活している 20歳代前半の男性は、負うべき責任が少ない一方で、アルコールなどに費やせる可処分所得は多い。

このグループに属する若者はイギリスの全男性人口の 4% を占めるに過ぎないが、過去 5年間では全暴力傷害事件の 16% を引きおこしている。

社会的自立の遅れと親の家にとどまる傾向は、イギリスとアメリカでは過去 40年間、増加を続けている。

今回の結論は、過去 5年間に経験した暴力的な行動と精神衛生上の問題について、8000人超の男女を調べた結果得られた。

今回の調査によって、若い男性の暴力に関して、親の家に同居することが他の要素よりも大きなリスク要因となっていることが初めて示された。

調査をおこなった研究者は次のように述べている:
「おもに他人を対象にして家の外で暴力沙汰をおこすというのが最も多いパターンだが、そのほかにも危険な飲酒、薬物乱用、性的なリスク受容、暴力を伴わない反社会的行動など、快楽主義的で社会に対して否定的な行動が見られる」

「それらは、住むところを確保したり子どもを育てたりする責任がなく、女性のパートナーと暮らすことによって得られる恩恵を経験したことがない若者に共通して見られる傾向である」

「かつては、親と同居している若い男性は親を経済的に支えたものだが、現在は逆に親が若い男性を経済的に支援するようになっている。そのような男性の使える金銭は、親元から自立してより大きな社会的責任を負っている同世代と同じレベルであることが今回の調査で明らかになっている。そのため、親と同居している若い男性は自立している同世代と比べて、より多い可処分所得を持っており、そのことが親と同居している若い男性にアルコールに伴う問題が多いことの一因となっている」
日本とイギリスでは文化的背景や社会的条件が異なるので、イギリスで得られた調査結果がただちに日本にも当てはまるとは言えませんが、昨今報道される暗いニュースの数々を見ていると、日本にもその兆候があるのかな、とも思えます。