日本時間の今日午前 1 時 39 分ごろ、国際宇宙ステーションに宇宙ゴミが高速で接近しました。衝突する可能性があったため地上から警報が出され、宇宙ステーションに滞在中の 3人の宇宙飛行士はステーション内のすべてのハッチを閉鎖し、緊急帰還用のソユーズ宇宙船に避難しました。避難指令が急で時間的余裕がなく、緊急時の手順が書かれたマニュアルを閉鎖したハッチの反対側に置き忘れてしまうほどだった、と伝えている記事もあります。幸いなことに、宇宙ゴミはステーションに衝突することなく過ぎ去りました。衝突の可能性が指摘されてから最接近までの時間が短かったため、通常の回避手段であるステーションの軌道変更はおこなう余裕がなかったとのことです:
上記産経ニュースをはじめとする日本の報道では、接近した宇宙ゴミは「初期のシャトル打ち上げで使用されたモーターの部品とみられ、長さ 8.5 ミリほど」としているものが多いようです。しかし、少なくとも 10cm 程度の大きさがないと、地上からのレーダー観測で捉えることができず警報も出せないはずですので、誤報ではないかと思います。欧米のニュースサイト(下記参照)では、1993 年に海軍の GPS 衛星の打ち上げに使われたロケットの部品で、「ヨー・ウェイト」と呼ばれるものだとしています。これは直径 5 インチ(13 cm)ほどのおもりで、重さ 1kg 未満、長さ 1m ほどのケーブルの先に取り付けられ、切り離されたロケットの姿勢を傾けて、人工衛星に追突することさけるために使われるものとのことです: