9月1日付「NASA: イエローストーンに水を注入して破局的噴火を抑止 (その2)」の続きです。
BBC の記事の抜粋・テキトー訳を続けます:
NASAが考えているのは、スーパーボルケーノの低い地点、すなわちイエローストーン国立公園の境界の外側から掘削し、マグマ溜まりの底面から熱を取り出す方法だ。「このような方法を採用すれば、地下から上昇してくる熱が、実際の脅威の源となるマグマ溜まりの頂部に到達するのを妨げることになります」と Wilcox 氏は語る。
このプロジェクトを推進する人たちは、自分が生きているうちにプロジェクトが完成するのを目にすることはないし、プロジェクトが成功するかどうかを知るよしもない。この方法によるイエローストーンの冷却は1年に1mの割合で進むので、イエローストーンに冷たい岩だけが残される状態になるまでに数万年のオーダーの時間がかかる。巨大噴火の脅威を取り除くという目的のためには、イエローストーンのマグマ溜まりが完全に固体化するまで冷却する必要はないが、それでもプロジェクト開始後少なくとも数百年、場合によっては数千年の間はプロジェクトが最終的に成功するという確証は得られないだろう。
このような長期的な観点からの思考と計画は、人類の破局を防ぐための唯一の選択肢かも知れない。
このような計画は、地球上の他の活発なスーパーボルケーノにも応用できる可能性がある。NASAの科学者たちは、彼らの計画が、人類が直面する脅威に取り組むための、さらに実際的な科学的議論や論争を呼び起こすことを期待している。
「小惑星衝突の脅威から地球を護るという概念を検討し始めたころは、人々の反応は今日のスーパーボルケーノの脅威に対するものを似たようなものでした」と Wilcox 氏は語る。「人々はこう考えたのです ―― 取るに足らないちっぽけな存在の人類が、いったいどうやって小惑星の衝突から地球を護れるんだ、と。ところが、推力が非常に弱くても、非常に長期間にわたって押し続けられる何かを設計すれば、小惑星の軌道を地球から逸らすことができるとわかったのです。それで、問題は人々が考えていたよりは容易に解決できるぞ、ということになりました。小惑星にしてもスーパーボルケーノにしても、科学界の頭脳パワーをつぎ込むことと、問題の検討を早期に始めることが必要です。大雑把に言ってイエローストーンは60万年ごとに噴火しています。そして、最後の噴火からは約60万年が経過しています。私たちはイエローストーンの問題に強い関心を持つべきなのです」
(完)
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