今日(9月3日)12時30分ごろ、北朝鮮北東部で地下核実験がおこなわれました。白頭山(長白山)から約110kmの地点です。爆発の規模は日本の気象庁の発表では M6.1、米国地質調査所(USGS)の発表では M6.3 に相当するとされています。
以下は、今回の核実験前の8月23日に、世界有数の経済誌『フォーブス』のウェブサイトに掲載された記事です。投稿者は火山学者で科学ジャーナリストの Robin Andrew 博士(実験火山学)です:
- Here's How North Korea Could Accidentally Trigger A Volcanic Supereruption (これが、北朝鮮が図らずも火山のスーパー噴火を引きおこしてしまう条件だ)
記事の要点は ――
- (記事が執筆された時点で)北朝鮮の最後の核実験は M5~5.6 に相当。この爆発によって生じた圧力波は確実に白頭山地下のマグマ溜まりに到達しているが、噴火を引きおこすほどではなかった。
- 水素爆弾による M7.0 規模の爆発であれば、十分に噴火を引きおこし得る。
- 西暦946年の噴火に匹敵する噴火が起きれば、気候変動を引きおこすほどではないものの、噴火の直接的な影響で数千人が死に、生き残った人々は農業生産の崩壊を見ることになる。すでに食糧不足に直面している国家にこのようなことが起きれば、前例のない大飢饉となり、あらゆる種類の混乱が生じるだろう。
白頭山については以下の『ナショナル ジオグラフィック』誌の記事も参照してください:
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