2017年9月10日日曜日

さよならカッシーニ、土星大気圏突入へ


NASAの土星探査機カッシーニが、あと5日ほどで土星大気圏に突入しミッションを終了します。カッシーニは1997年に打ち上げられ、2004年に土星に到着。それ以来13年にわたって土星やその多数の衛星を観測してきました。土星到達直後には、本体から分離した小型の探査機ホイヘンスを土星最大の衛星タイタンに着陸させることに成功しています。

カッシーニを土星大気圏に突入させるのは、軌道変更や姿勢制御用の燃料が尽きて制御不能になる前に探査機を「処分」するためです。制御不能となったカッシーニが土星の周回軌道上に放置された場合、いずれは衛星に衝突する可能性があります。土星には多数の衛星がありますが、その中には生命が存在する可能性が指摘されているものが複数あります。カッシーニの機体には地球由来の微生物や有機物が付着している可能性があり、また、搭載している3基の原子力電池は放射性同位元素を利用しています。それらによって衛星の環境が汚染されないようにするのが、土星大気圏突入の目的です。

以下はNASAが発表しているスケジュールです:

カッシーニ最後の日(9月15日)の予定を抜粋してテキトー訳します(時刻は日本時間に変換、括弧内は信号が地球に届く時刻)――
  • 04:58 最後の写真撮影

  • 05:22(06:45) アンテナを地球に向け、記憶装置内データの最終送信(最後の写真を含む)

  • 16:14(17:37) 土星の大気を採取するために姿勢を変更、システムの設定をリアルタイム・データ送信モードに変更(3.4キロバイト/秒)、送信開始

  • 19:31(20:54) 大気圏突入開始、ロケット・エンジンは最大推力の10%で噴射

  • 19:32(20:55) ロケット・エンジンは最大推力100%で噴射、高利得アンテナの向きが地球から逸れ始め、通信途絶

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