NASAの赤外線天文衛星 NEOWISE によって昨年11月27日に発見された小惑星〝2016 WF9〟が、今年2月下旬に地球に衝突するという噂が流れています。以下はそれを報じたニュース記事です:
- BRACE YOURSELVES Massive asteroid 2016 WF9 to strike Earth and trigger mega-tsunami NEXT MONTH, according to wild online rumours
- LOOK OUT NASA detects gigantic comet approaching Earth and it’s so huge you’ll be able to see it from Britain
- Massive asteroid to strike Earth and trigger mega-tsunami next month, according to this scientist
上記記事が伝えるところによると、地球に衝突すると主張しているのは天文学者 Dyomin Damir Zakharovich 博士(実在しない)。2016 WF9は伝説の惑星ニビルの破片で、NASAは真実を隠しているのだそうです。
以下は 2016 WF9 の発見についてのNASAの発表です。それによると、2016 WF9 は比較的大きく直径は0.5~1km、かなり暗い天体で太陽光の数パーセントしか反射していない、表面の反射率の低さやその軌道は彗星に似ているが、彗星の特徴である塵やガスの雲をともなっていない、小惑星と彗星の境界付近に位置する天体で、おそらく、もともとは彗星であったものが長い年月の間に表面や表面直下にあった揮発成分を失ったのであろう、とのことです:
以下はNASAのジェット推進研究所が提供している小天体データベースに記載されている接近情報です。この小惑星はアポロ群に分類されています。地球から非常に遠いところを通過するので地球に影響を与える可能性はまったくありません:
小惑星 | 推定直径 (m) |
接近日時 (日本時間) |
接近距離 (LD) |
---|---|---|---|
2016 WF9 | 500~1000 | 2月25日 10:37 | 132.60 |
(1LD=地球から月までの平均距離)
この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は非常に速く、秒速20.3km(時速約7万3000km)と計算されています。
2月25日の2016 WF9 の位置 (クリックで拡大) 惑星は反時計回り、WF9は画面右から左に向かって進行 Credit: NASA, JPL, Osamu Ajiki, Ron Baalke |
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