2017年1月4日水曜日

反転テクトニクス ― 中央構造線も反転していた


正断層が逆断層として、あるいは逆断層が正断層として再活動することを反転テクトニクスといいますが、さほど珍しいことではないようです。以下は、『活断層地震はどこまで予測できるか 日本列島で今起きていること』(遠田晋次著、講談社ブルーバックス B-1995、2016年12月20日)の記述をまとめたものです:
  • 新たな断層を作るためには「岩盤を破壊するエネルギー」+「摩擦に打ち勝つエネルギー」が必要であるのに対して、既存の断層を動かすためには「摩擦に打ち勝つエネルギー」だけでよい → 既存断層の再活動。

  • 現在の主要な活断層は、第四紀より前に形成された断層がいったん休止した後に再活動しているもの。単純に再活動するのではなく、反転して活動しているものが多い。

  • 東北地方の活断層 ― 日本海の拡大にともなう伸張力によって形成された正断層が、第四紀になって東西からの圧縮力を受けるようになり逆断層に転じたもの。反転テクトニクスによる地震の例 ― 新潟県中越地震(2004年、M6.8)、能登半島地震(2007年、M6.9)、新潟県中越沖地震(2007年、M6.8)。

  • 中央構造線 ― 現在は右横ずれ断層だが、数千万年前以前には左横ずれ断層だったと考えられている。

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